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アルジャーノンに花束を

5年ぶりくらいに本書を手に取りました。きっかけは、友だちとの会話です。今の現状を相談したところ、「アルジャーノンに花束をっていう本読んでみて!」と言われ、何か引っかかりを感じていたのですが、本棚に目を向けてみると、そこに置いてありました。

5年前に読んだ本でしたので、内容はあまり思い出せず、読み返してみることにしました。

すると、徐々に情景が思い出され、当時の感情が湧きあがってきました。昔の自分と今の自分とでは、感情移入する場所も変わり、より深く内容が入ってきたように思います。

この本の内容は、知的障害者のチャーリーが大人になり、研究を通して天才に移り変わるお話です。

人とは何か?
幸せとは何か?
愛情とは何か?

について、深く考える一冊となりました。

大人になったチャーリーは周りからいじめを受けていました。しかし、脳の発達が遅れていたことから、本人は友達が遊んでくれていると感じていたのです。

しかし、徐々に研究を通して、頭が良くなっていきます。そして、最終的に天才と呼ばれるほど、IQが向上したのですが、その時、チャーリーはあることに気づきます。

周りが自分に「人」として向き合っていなかったことに気づきました。

自分の欲求を優先して、行動し、愛されていなかった過去に目を向けるのです。それを気に、自分の存在価値について探し求めました。

価値を探し求める中で、人への憎しみが心を埋め尽くしました。あれほど自分に関心を持って関わる人がいたのに、知性が感情を凌駕し、人に対する真心を失ってしまいました。

それにより、「孤独」に陥ってしまったのです。

後にチャーリーが発したこの一言が、とても印象的です。

人間的な愛情の裏打ちのない知能や教育はなんの値打ちもない。

自分のためだけの知識は何も価値はなく、相手に向けた愛情があるからこそ、人が変わるのです。

この本を読むと、チャーリーの変化による、周りの方達の変化も感じることが出来ます。

相手の気持ちの受け取り方も、自分の心によって変わります。完璧な関係性を築くことは難しいですが、心に寄り添う愛情は誰しも持ち合わせているのだと学びました。

深く記憶に残る経験は、愛を与えられた思い出です。
今、この瞬間に本書を手に取れたことに感謝します。

では、また!


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