ぼん

人生の目標は、おもしろい人生を送ることです。

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最近の記事

とにかく免許を取りたい人の話

 今、私は自動車の教習所に通っている。20代も後半というこの歳になってようやく、である。  本当は、ずっと車の免許を取りたいと思っていた。たぶん、姉が免許を取って家の車を運転するようになってから。あの不器用な姉でも運転しているのだから、私にだってできるのでは?という、生意気極まりない考えをもったのがきっかけだった。  それまでは、両親が運転する車に当たり前のように乗っていたが、姉の運転を見るようになってから「私も運転したい」と思うようになった。免許を取った友人の「ぜったい

    • 音楽の時間です

       私には好きなものがたくさんあるが、音楽を聴くこともその一つだ。気分やシチュエーションによって実に色々なジャンルを聴くが、このnoteでは、メジャーといえるほど有名ではないかもしれないがとても良い、と個人的に思う音楽をちょこちょこ紹介していきたい。  一つ目は、兄妹ユニットbaobabが、haruka nakamuraと共同で制作したアルバム『カナタ』だ。  私は民族楽器やフォークトロニカ、アンビエントあたりの音色が特に好みなので、baobabのサウンドはとても好きだ。淡

      • こころに海を

         茨木のり子の詩が好きだ。  彼女の詩は、力強く地を踏みしめるようなしたたかさのなかに鋭くも繊細な感受性が垣間見えるように感じて、その詩人らしい崇高さと飾らない人間臭さのバランスに、親近感を覚えるのだ。  私が持っている茨木のり子の詩集のなかで、とくに気に入っている詩がある。『みずうみ』という作品だ。  人間の魅力とは、その湖あたりから発せられる霧のことなのだと、詩のなかで彼女は語っている。  しいんと静かで、他人には容易に足を踏み入れることができない、そんな深く青い

        • がんばらない。

           他人にかける「頑張れ」ということばが好きじゃない。  時と場合にもよるが、たいてい「頑張れ」ということばは誰かを応援したいときに使うことばで、べつに努力を強制する意味合いで使う人はいないだろう。それは分かっている。  それでも、私はこう思ってしまう。人間みんな、毎日頑張っているのだ。生きているだけで十分偉いのだ。ただでさえ、他人の内心の辛さや努力をすべて理解することなど不可能なのに、わざわざ「頑張れ」ということばを相手に向けるのは、もっと努力しろと責めているようで、むし

        とにかく免許を取りたい人の話

          けだるい匂いとけだるい記憶

           匂いと記憶は結びついている、というのはよく知られた話だ。  これは、どうやら科学的に根拠のあることらしい。脳には思考を司る「大脳新皮質」と、感情や本能を司る「大脳辺縁系」という器官があり、さらに大脳辺縁系には、記憶を司る海馬が存在する。人間の五感のなかで唯一嗅覚の信号だけが大脳辺縁系に直接送られるため、他の感覚よりも感情や本能、記憶に働きかける力が強いのだそうだ。  匂いをかぐことで記憶が蘇ることを「プルースト効果」というだとか、これは恋愛テクニックに応用できるだとか、

          けだるい匂いとけだるい記憶

          泳ぎ方を思い出した。

           パソコンを買った。  今まで持っていた派手なピンク色のパソコンは、もう長いこと机の上に置かれたことがなかった。大学入学と同時に親が買ってくれたそのパソコンは、大学でのレポート執筆やちょっとした資料の作成に間に合えば十分、と主張した私にちょうどいい、実にシンプルで最低限の性能を備えたものだった。当然、値段はかなり安いほうだった。  実際、大学生活の間でパソコンと長時間向き合っていたのは、レポートの締め切りに追われている期間くらいだった。私は混声合唱のサークルに所属していて

          泳ぎ方を思い出した。

          海が好き

          海が好き