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拡張していく旅の形(メルボルン・オンライン旅行の話)

友人が「バーチャルオンライン旅行」なるサービスをはじめた。その名の通り、世界一住みやすいと言われるオーストラリアの都市、メルボルンをオンライン旅行できるサービスだ。

自宅のパソコンまたはスマートフォン、タブレットから、メルボルン現地のガイドと同時刻でオンライン通信を行うことにより、海外旅行を疑似体験いただけるサービスです。YouTubeライブやビデオ視聴ではなく、会話をしながら観光を行う双方向性コミュニケーションのシステムとなります。※時差+1時間。例:日本午前10時=メルボルン午前11時
各回約1時間半の街巡りには様々なコースを用意しており、きれいな街並み散策はもちろん、路面電車 トラムの乗車や生鮮市場巡り、英語にてコーヒーオーダーなど現地を感じられる体験をハプニング含めて楽しむ事が出来ます。

私も数年前にメルボルンに住んでいたので、どんなところかは知っている。そこにいる人たちも、自然たっぷりなのも、カフェ文化も大好きだった。応援するという意味で、居ても立っても居られなくなりこれを書いている。そしてもう一つ、友人としてこのガイドさんがどんな人なのかお伝えしたくなったのだ。

巻き込まれて損はない

彼とはじめて会ったのは、語学学校の初日だった。新入生は入学手続き後、レベルチェックのテストを受けることになっていた。

各国からやってきた学生たちに混じり手続きをし、指定された教室で着席した。もちろん知り合いはひとりもおらず、心細かった。うまくやっていけるのか。友達はできるのか。英語は上達するのか。

まわりの人たちは私よりずっと英語ができるように見えた。初対面のはずなのに、すでに近くにいる人同士でおしゃべりしたりしている。みんなコミュニケーション能力が高そうで、圧倒されてしまう。

少し遅れて、空いていた前の席に男性が座った。なんとなく日本の人かなと予想していると、彼はくるりとこちらを振り返り言った。「これから、ここで何するの?」

全員が同じ手続きを踏みこの場にいると思っていた私は一瞬面くらったが、テストについて教えてあげた。(あとから聞くと、すでに入学して数週間経っていた彼の参加はイレギュラーだったようだ)それが、私たちの出会いだった。

彼は学校で会うたびに話しかけてくれた。当時、失礼ながら彼の英語は拙く、私は「たぶんこういうことが言いたいんだろうな」と推測しながら話していた。でも、彼はコミュニケーションをとることを諦めなかったし、間違えることを恐れなかった。そしていつでも楽しそうだった。私はその姿勢がうらやましかった。

私たちはコーヒー片手に色んな話をした。仕事のこと、今興味のあること、理想の生活や将来やりたいこと。彼はメルボルンでビジネスがしたいと言っていた。いつもポジティブで、面白そうと思ったものにはすぐに飛び込んでいく彼と話していると、私も刺激されてどんなことでも挑戦してみようという気になった。

1年後、私は帰国し彼はそのままメルボルンに残った。色々あって私は会社員に戻ったが、彼は有言実行、事業をはじめた。そして今に至る。

拡張していく旅の形

私も含め、旅好きにとって自由に現地に足を運ぶことができない今の状況は苦しいし悲しい。いくらYoutubeで動画を見ても、ガイドブックを読んで妄想してみても、やっぱりどこか満たされないのだ。

だから、リアルタイムで体験できるのはとてもいい視点だなと思った。ハプニングや、出会いなんかもありそうなのもいい。(旅にハプニングはつきもの!)

留学・旅行前の下見として利用する方もいるようで、そういう使い方も安心できていいだろうな。一方的な配信ではなく、双方向だからこそ本当に見たいものが見られるのではないだろうか。以前と同じようにはいかないけど、今精一杯楽しめることを探していけたらいいなと思う。

今、彼はきっと英語は私より断然話せるだろうし(私は忘れてきている)、人を巻き込む力のある人だから、これからもきっと色んな方面で活躍してくれるだろう。ひとりでも多くの人に想いが伝わるといいね。メルボルンでのことを思い出していたら、私もなんだかやる気が湧いてきた。 

I'm so proud of you, Genki! You can make it.

クラウドファンディングもやってるので、興味のある方はぜひ。