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コロナでライブに行けずに干からびていた心を、久しぶりの音楽フェスでたっぷり潤していただいた話

昨日は数年ぶりに夏フェスへ、山中湖で開催されるSWEET LOVE SHOWERに行ってきた。

ほんっっとうに、音楽業界、フェスに携わる方たちはこの3年間はとてもとても苦しい期間だったと思う(もちろん他の業界の方たちもみんな大変だった)。今年、無事に今までと変わらずの何も制限のないフェスが全国各地で開催されてよかったと思っている。

ひさしぶりに、開放感たっぷりの夏の屋外で音楽を耳と心と身体に浴びながら、たくさんの笑顔に溢れた空間で多幸感がすごかった。

今回は朝から会場にいたので、たっぷりいろいろなアーティストを観ることができたのだけど、とくに楽しみだったのがCoccoだった。

中学生くらいから聴いていて、私の(第2期)暗黒時代の20代前半には、傷つく自分に塩を塗るような、でも、見放さないでいてくれるようなCoccoの音楽に生かされていたことがある。

実はいままで縁がなく、ライブに行ったことがなく、初めてのCoocoのライブだった。30代になって、あの頃のつらかった時代の答え合わせのような気持ちでステージ前でCoccoを待っていた。

「焼け野が原」、「強く儚い者たち」と古参ファンが喜ぶ名曲が炎天下の太陽の光が降り注ぎ、眩しさ溢れる光景で流れたら、涙が溢れるしかないっす。もう、あの頃の自分とはまったく別人になってしまったけれど、当時生きていくことに絶望すら感じていた自分が、こうやって元気に生きてCoccoのステージを観て、彼女の歌声を聴けることが奇跡のように感じた。生きてて、Coccoの歌を聴き続けてよかったなと思った瞬間だった。

そして、彼女の歌声が10代のころのテレビ(主にミュージックステーション)で聴いていたころとほぼ変わらないことにビックリした。歌姫だなあ。そして、やっぱり可愛いのだ。

🌞

そして、実はもう一組、山中湖で私を泣かせたアーティストがいる。羊文学だ。彼女たちのライブも初めて見たのだけど、とっても素晴らしいステージだった。

最後に演奏してくれた「光るとき」はすごく好きな曲で、よく聴いていたので、ライブで聴けてとっても嬉しかった。「光るとき」は写真の表現で悩むことがあったときに出会って、励まされた曲だ。

「光るとき」歌詞

このサビの部分がとても好で、よくnoteに書いているけれど、自分は「世界が美しいんだということを写真で表現したい」とずっと思っていて、歌詞が私の写真への想いとリンクしていて、いつも背中を押してくれている。

実は、とても大好きな友人が少し前に「この曲を聴いているとえりさんのことが頭に浮かぶ」と言われて、とてもびっくりしたのと、嬉しかった思いがある。

すごく大切な曲で、私のことをそう思っていてくれることが嬉しかったし、大切な人がこの曲で繋がっていることがとても嬉しかった。

フェス当日はずっと晴天で日差しが強いくらい暑かったのだけど、羊文学の「光るとき」が始まるくらいに急にお天気雨が降ってきた。ステージからの太陽の逆光に照らされた雨粒がキラキラと輝いていて、「光るとき」が流れるFOREST STAGEの舞台がとても美しかった。

ちょっと恥ずかしさもあって、このキラキラと光る雨粒に混じって涙を流せて良かったなと笑顔混じりに思う瞬間だった。

🌞

そういえば、ライブで泣くことって今までなかったなと思う。数ヶ月前にELLEGARDENのライブを観て、大号泣してしまったのだけど(これはエピソード強めなのでまた今度noteに書こうと思う)、今回で2度目だ。

なんで、ライブで涙するようになってしまったんだろう。帰り道にそんなことを考えていた。きっと、ライブでアーティストを目の前にして音楽を聴くことを欲していたんだなと思う。

コロナ前までは10年以上、たくさんのライブに行っていた。学生時代は週に1回はライブに行っていたし、社会人になってからは音楽に携わる仕事をしていて、好きなバンドのライブにも、お世話になっている方のライブにも、友だちのライブにもとにかくたくさん行った。どのライブも本当に楽しい思い出がたくさんある。

そんなライブ漬けな日々が3年前にコロナによって急になくなってしまい、自分の心を支えてくれていたものがなくなってしまっていた。だからと言って、病気になるわけでもないし、健康不良になるわけでもない。だから、自覚がまったくなかったけれど、心のなにかが欠乏していたのだろう。

砂漠のようにカラッカラに干からびてしまった心のなにかがあって、久しぶりにそこにたっぷりの音楽という水を浴びた私はどこかのネジがぶっ飛んでしまい、どうやら思い入れのある曲をライブで目の前で聴くと水の受け皿が溢れて涙が溢れてしまうらしい。

これはしばらくは治らないだろうなと思う。だって3年も干からびていたのだから。

昨日はCoccoや羊文学以外にもクリープハイプ、THE SPELLBOUND(BOOM BOOM SATELLITESセット!)などなど他にもたくさんライブを観れたので、かなり潤いました。本当に楽しかった。

だから、またこれからたくさんライブに行こうと思う。たくさんの大好きな曲をライブで聴いて、心をどんどん潤していこう。ライブはやっぱりオアシスだ。

渋滞の東名高速を走りながら思った夜でした。

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