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サイン会に行ってきた!


◯こだまさんのトークイベント&サイン会に行った記録





 

 なんとも言えない充足感のわたしがいる。


遊び歩き+移動疲れのほかに、あの場に行ってきたんだという高揚感があった。
同じ空間にいた。声を聞いた。会話をした。
数時間前まであの場にいたことが、夢幻みたいだった。




 東京に行くのは久しぶりだった。何年ぶりか数えるのも面倒くさいぐらい。


夫の運転で数時間かけて東京へ向かう。前泊という気合の入れよう。翌日のサイン会を思うと、ヒエ~という気持ちになった(どんな気持ちだ)



当日のサイン会は渋谷・大盛堂書店。
渋谷も、何年ぶりだろうかというくらい来ていない。
建物の名前も忘れてしまったが、エスカレーターを降りたらスクランブル交差点、というところまで辿り着いたのだが…


なんとまあ、エスカレーターに乗るまでがぎゅうぎゅうの混み混みであること!!!


エスカレーターに乗るだけなのに!
混むって分かっているのに、対策はないのだろうか、などと都会に対して内心ぶつくさ言った。


やっとエスカレーターに乗る。



人が…、うじゃうじゃいる。
髪色はさまざまなはずなのに、一面真っ黒に見えた。海坊主みたい。頭部が波線のように絶えず動いている。


純粋に、人の多さに面食らった。
こんなに人がいたっけ?
海外の観光客たちが、こぞってスマホで撮影している。そりゃ、名物(?)にもなりますよ。
日本人のわたしだってびっくりしてます。
今からここを歩くの?と思うと、少し帰りたくなってしまった(苦笑)


いや、わたしには目的が!と自分を奮い立たせる。予約本を大盛堂書店に買いに行き、そのあとは渋谷散策。
大盛堂書店はスクランブル交差点を構成しているような場所にあった。地方と違い、縦長の建物。
場所も、建物の様子も、これまた都会の本屋……!と感動した。





 サイン会&トークイベントの開始時間が近づく。緊張すると連呼しながら、再び大盛堂書店へ。夫としばしの別れ。


会場に着き、自分の番号が書いてある席へ、と促されるが、緊張のあまり番号が目に入らず。すぐに座れず数秒うろちょろ。大盛堂書店の方に、こちらに番号が…と教えてもらい「はい!!」と返事をした。思いの外大きな声を出してしまい、恥ずかしかった。

座席には白い紙が置いてある。

なんだろう。
こだまさんへのメッセージや、質問があれば記入していいという用紙だった。

わたしはプチパニックに陥る。
え!わ!え…?どうしよう。こんな機会なかなかない!
なかなかないのに、頭が働かない!!
質問が出てこない!!

こういうときは、帰宅してから「あれを質問すればよかった、こう書けばよかった」と後悔するに決まっている。(案の定、後悔しました)


書かないのは嫌だ!とむりやり書いた結果、アホな子のような感想を書いて提出してしまった。


イベントが始まるまでの待ち時間が、わたしの緊張を増幅させる。
わたしは場違いじゃないだろうか。ソワソワした。


ついに、こだまさんが入られます!の声が。わたしの緊張はピークに達した。拍手の中、わたしは思いがけず錯覚した。


友人の結婚式に参列したときのこと。泣くとしたら、どこで泣くのだろうかと思っていたら、ドレス姿の友人がチャペルに入場してきたところで、急にウルッときてしまったあのとき。

こだまさんが入場されたときに、あの瞬間と同じ感覚がした。感極まった。


おいおい、情緒がおかしいぞ!
わたしは自分の気持ちに戸惑いながら、イベント開始早々、変な女になるわけにはいかない。泣いてはいけない、と涙をこらえた。




 イベントは終始和やか、穏やかな雰囲気の中で行われた。
時折、みなさんの笑いが起きる。


こだまさんのお話はおもしろい。だからエッセイもおもしろいのか、エッセイがおもしろいからお話もおもしろいのか。鶏と卵のように、グルグル考えた。


顔マスク(覆面?)のエピソード、ご家族の話、バイトの話などなど。興味深く聞き入った。


みなさんからの質問に答えるこだまさんは丁寧で優しく、これは嬉しいよなぁと思った。
わたしがいま質問するとしたら、「こだまさんの思う文才とは何ですか」と聞いてみたい。


トークからサイン会にうつるときに、突如動きがあった。用意されるCDラジカセ。
大盛堂書店の方が「説明されますか」みたいなことを言ったときに、編集者の藤澤さんが「大丈夫です」と言った。そのとき。
わたしは今日イチの勘が働いた。
(これは、たぶん、きっと…………せいちゃん!?)
わたしは耳を澄ませた。



サインの順番がわたしに回ってきて、こだまさんの前に立つ。うっ、こだまさんの視界に入っている。伝えたいことはいくつかあったが、緊張で何も言えず。もったいなかったとは思うが、こだまさんと同じ空間にいて、声を聞くことができたので充分だ。
お菓子のお土産も用意してくださる気遣いが嬉しかった。


夫と合流。興奮冷めやらぬ中、渋谷の街を歩く。
すごい。すごいすごい。
歩きながら、イベントのことを話す。帰りの車内でも、忘れないように、記憶を整理するかのように、わたしは夫にイベントのことを話し続けた。



夫よ、聞いてくれてありがとう。
連れて行ってくれてありがとう。

ドキドキのトークイベント&サイン会。
とても有意義な時間でした。

こだまさん、藤澤さん、編集者のみなさん、営業のみなさん、大盛堂書店のみなさん。
ありがとうございました!





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