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夜中のラーメン

夜中に食べるラーメンは何故か美味しい

 外からカエルの鳴き声とスピーカーからしか音が聞こえなくなった夜、お腹が減った。ふとお腹がなりだし、寝るにも寝れない。そんな時がたまにある。寝ようかと、ベッドに入ってもお腹を蝕む感覚が私の意識を邪魔する。どうしようも耐えられなくなるのだ。

 こんな時は決まって、ラーメンを作って食べる。カップ麺ではなく棒ラーメン。作り方には水450mlと書いてあるが、500mlの水を一人分のラーメンが作れる小さな鍋に入れる。鍋の中には目盛があって、ちょうど500mlを指している。鍋を火にかけ始める。火力はマックス。ラーメンの袋を開けて、ラーメン一束と粉末スープと油を取り出す。残りは、ゴムを引き出しから取り出し、袋の端を止めておく。沸騰するまでに、ラーメンの束から数本引き抜いて、硬いまま、口に入れてしまう。某お菓子とは違い麺そのものの味がするのだ。沸騰したら、麺を鍋に投入する。作り方には麺を入れてから3分と書いてあるが、スマホで2分にタイマーをセットする。硬めが好き。麺を入れたら吹きこぼれないように、火力を調整する。もっぱら弱火にしてしまうのだが。スマホでTwitterを開いて眺めていると、そろそろかなと、タイマーのアプリを開くと後20秒ほどになっている。タイマーがなる前にリセットで解除して、粉末スープを入れる。いつもこぼさないよう、鍋の上で開けるが蒸気のせいで袋に粉末がくっつく。いつもわかっているのにやめられない。粉末スープを入れたら、箸で混ぜて、調味油を入れる。ラーメン用の器を後ろの棚の右下から取り出す。最初にスープ、その後に麺を移す。お箸とお椀を持ってリビングの机に移動する。キッチンに戻って鍋に水を入れ、椅子に座る。準備は完了した。

 夜中に食べるラーメンは美味しい。昼間に同じように作る時よりも茹で上がるまでの時間が待ち遠しい。二分を体が覚えている。私のお腹が悲鳴を上げ始める頃、もうすでに、私の脳はあの豚骨の味を予想して、飢えているのだろう。

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