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BONNAT

晩春。しっかりと雨が降った後で、不意に止む。東の空に虹がかかれば、反射的にスマホを向けて、画面越しの色褪せた虹を追いかける。この景色をシェアしたい人はいないわけではないけれど、いつだって、ここには誰もいないことばかり浮き彫りになるな。相変わらず、少し寂しい。

さて、本日開けたのは久しぶりのボナ、セルヴァ・マヤ 75%。

メキシコ・チアパス州産のカカオを使用。あれっ?と思うくらい味の濃淡が少ない。私は癖の強いご当地チョコばかり食べているから余計にそう思ったのかも…酸味もナッティ感も花の香りも平坦で、スムース。ただカカオバターを添加したのかと思うくらいクリーミーで、ココナッツミルクのような印象が少しあります。エレガントです。

ボナは1884年にフランスの南東にある街ヴォアロンで創業した、世界に先駆けてBean to Barによるシングルオリジンのチョコレートを発売した老舗メゾン。セルヴァ・マヤは産地ではなくコンセプト名らしい。当初発売されたのはピラミッドの絵柄の限定版でしたが、これは他と同じ通常の聖ブルーノ教会バージョンです。

Bonnat
https://bonnat-chocolatier.com/fr

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霜止出苗

ずっと行きたいと思っていた美術館のひとつ、山梨の清春芸術村へ。広い敷地内に名建築が点在している、その中の一つに安藤忠雄さんが設計した光の美術館があります。無機質なコンクリートの空間に差し込む自然光が美しい空間でした。企画展示はライゾマティクス主宰の真鍋大度さん。作品のマテリアルは機械(ちょっとホッとする)。

たぶん私たちはついこの間まで、自然と人工、現実と虚構を二律背反のように捉えていたけれど、コロナ禍を経てその二つの区別は曖昧なものとなり、そしてたぶんデジタル技術の進化がその傾向を一層推し進めているような気がします。
そしてこのご時世、AI活用のブーム。真鍋さんは最先端のデジタル技術を使い「では生命体とは何か?」という、次の問いに挑戦しているように思いました。

いいな。どんどん呼吸しやすい世の中に変わっていく。この瞬間に立ち会えて嬉しい。

清春芸術村
安藤忠雄 光の美術館
真鍋大度個展 EXPERIMENT 
https://www.kiyoharu-art.com/?p=1963
2023/4/1- 5/10

それから車で30分くらい離れたところにあるキースヘリングの美術館へも。正直、若い頃はキースヘリングには関心がなくて、彼のアートワークを身につけている人を反射的に小馬鹿にしていたところもあったのだけど、最近展示する機会があって彼の作品を幾つか調べるにつれ気になってきたのでした。

キース・ヘリング〜ストリート・アート・ボーイ〜

このドキュメンタリーが参考になりました。

中村キース・へリング美術館
開館15周年記念展:混沌と希望
https://www.nakamura-haring.com/
2022/5/14-2023/5/21

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FILM

美術品の価値は何で決まるのか、なんてことを酔った勢いでグダグダ語った日々を懐かしく思い出します、なんとなく、この春の生ぬるさのせいで。話題性でも希少性でも値段でもない。

今、それとは違う緊張感を強いてくる「国宝」を展示していた少し特別な日々が終わりました。

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INFORMATION

nakanojo kraft project
HP nakanojo kraft project
facebook @nakanojokraft
instagram @nakanojokraft

◆クラフトチョコレート取扱場所◆
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[中之条]
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Kissa Coffee 生豆と焙煎

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◆お知らせ◆
雑誌RiCEの2月号にて掲載されています。
https://www.rice.press/

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