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女性のヘルスケア問題を考えるとき、世界各国で根強く残る、女性への残酷な差別や暴力という現実にも目を向けてほしい

ジェンダーについて女性があれこれ声をあげると、一部の人たちは「過激なフェミニストだ」「また始まったよ」と面倒くさそうな視線をなげかけますが、世界の本当の男女差別を知ったら、そんなふうには言えないのではないかなと思います。

アフリカや中東、アジアなどの地域で根強く残る伝統儀式「女性器切除(FGM)」 が、ついにスーダンで禁止になったというニュースが5月10日、日本で報道されました。

>残酷な儀式「女性器切除」ついに禁止へ スーダン

不衛生な環境で、麻酔をせずに行われることもあり、女性器切除は、激しい痛み、生涯にわたるトラウマ、後遺症の原因になるばかりか、最悪の場合、出血多量や感染症などにかかり死亡するケースもあるとのこと。

幸運にも先進国日本に生まれることができた私たちからすると、想像もつかない話です。

そして5月13日には、インドネシアで「名誉殺人」として、16歳の妹を殺害した兄二人が逮捕されたというニュースが。

女性器切除、名誉殺人の他にも、残酷な暴力として知られているのが、バングラデシュ、パキスタン、インドなど でいまだに後を絶たない「アシッドバイオレンス 」。硫酸などを顔や体に浴びせる行為のことです。これも被害を受けるのはやっぱり女性たち。(女性器切除、名誉殺人、アシッドバイオレンス。ググってみてください)

いつの時代も、そしてどの国・地域でも、なぜいつも被害を受けるのは女性ばかりなのか。そしてなぜ男性はいつも、(勝手に)女性をジャッジする側で、女性は男性にジャッジされる側なのか

女性のヘルスケア問題を考えるとき、いまだ世界各国で根強く残る女性たちが受ける残酷な差別や暴力もセットで考えるべきことと、思ってます。残酷な差別や暴力は主に開発途上国が中心ではありますが、じゃぁ先進国に成長したら、そういうことはなくなるのか?といったら、そうでもない。

>女性差別の例 〜日本・世界の男女格差の現状〜

先進国になったらなったで、また違う形で男尊女卑は根強く残り続けます。このジェンダー問題、どうにかならないものか。

>日本の女性管理職比率 国際比較・都道府県別・産業別

私たちウーマンズが現時点でできる唯一のことは、そういった現状を「すでに社会への大きな影響力を持っている多くの企業」に、ウーマンズが運営する法人用ニュースサイトや講演を通して伝え続けていくこと。

大変ありがたいことに、ウーマンズが運営するニュースサイトのユーザーさんも、講演のときに集まってくださる方々も、ほとんどは日本や世界で活躍する大企業の方々ばかりです。ウーマンズのような小さな会社1社のチカラでは社会を変えられないけど、でもウーマンズが届ける情報に耳を傾けてくれる多くの企業は、社会を変えるだけのチカラをすでに持っています。

だから、こういった世界にいまだに残る女性差別についても、社会を変えるだけのチカラがすでに十分にある大企業の皆さんにも知ってほしい、と思ってます。彼らが動く方が、はるかに早いスピードで社会・世界は変わっていくからです。

実際に、以前講演の場で、日本に残る男尊女卑についてお話ししたところ、ご参加くださった多くの方から「よくぞ言ってくれた!」「はっきり言ってくれてすっきりした!」「今後は社内の男性陣たちの考え方を変えていこうと思います」「自分たちがまずは変わっていかなければならないと気付かされた」とのお声を多く頂きました(東京ビックサイト開催展示会「ヘルスケアIT」での講演)。

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私は当然、女性側としての意見や現状、そして古い価値観を持った男性陣に対する不満を述べたのですが、意外だったのは、若手の男性陣からも共感の声を頂いたこと。

年配の男性陣が多い場での講演だと、はっきりとモノ申す私の態度に反感を持ったり、明らかに不満そうな態度をする方もいらっしゃったりするので……このときは、若手の男性陣から共感の声を多数いただいたことに、私自身も、うちのメンバーたちも驚きました。

「男尊女卑や女性差別に対して不快に思ったり、問題意識を持つ男性もいるんだー」って。

今の若い世代はジェンダーに寛容という特徴があり、こういった男性陣が今後どんどん増えていけば、きっと変わっていくのかもしれません。

>ミレニアル世代女子のマーケティング・特徴・消費行動

スーダンでは女性器切除が禁止になり、また他の国では名誉殺人を行った場合は厳しい刑罰が科されるようになってきているとはいえ、根強く残る人々の意識はそう簡単には変わらないため、根絶するまでにはままだ長い年月がかかると言われています。

開発途上国から先進国まで。世界全てが本当の意味でのジェンダー平等になるまで、微力ながらもウーマンズも多くの企業の方々と共に精いっぱいできることに取り組んでいきたいって思います。

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