見出し画像

人生一度きり、再スタートを決めた理由  ー シリコンバレーの風に吹かれた弁護士が起業家になるまでの道のり ー

<Discovery>

起業家×現役大学生の対談 vol.1

 2020年5月28日(木) 福岡市スタートアップカフェ初企画である、現役大学生×起業家対談が行われた。第一回目のゲストは、Paike (パイク)CEO であるTommyさん。そして、インタビュアーとして福岡女学院大学4年の(ライターである私)浦丸 絵里が登壇した。

 今回のイベントは、新型コロナウイルスの感染拡大予防のため、福岡市スタートアップカフェのFacebookページとPaike Talkインスタグラムアカウントから同時配信された。

♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎

 Tommyさん。ティーシャツにズボンというなんともカジュアルでラフな格好で登場したのは、元弁護士の起業家だ。現在、バークレー(アメリカ)を拠点としながら、東京、福岡など様々な場所を転々とし、Paike(パイク) という言葉を気にせず『好き』で旅行者とローカルを繋げるサービスをテストローンチしている。

絶えず笑顔でカジュアルすぎるTommyさんは、はっきり言って、高学歴のキャリアの持ち主だなんて思えない。そんな飾らないフランクさに親しみを覚える。雰囲気とは裏腹にエネルギッシュな一面もあり、数々のギャップに惹きつけられる。

今回の対談では、面白すぎる経歴と熱いTommyさんのPaike(Passion(情熱) & Like(好き))を聞くことができた。対談を見た後には、きっとあなたも思い切って行動したくなるはずだ。

弁護士を辞めて、起業した男

 慶應義塾大学法学部、同学のロースクールを卒業後、福岡にて司法修習し、2011年から東京の法律事務所で執務した。2018年からは、カルフォルニア大学バークレー校に客員研究員として赴任しているバリバリの弁護士。計り知れない努力をして勝ち取った安定した職業を捨てて、起業家として再スタートを決めたのは驚きだ。

弁護士としてのキャリアを順当に進めば、何不自由ない人生を約束されていたはず。それなのになぜ、彼は敷かれたレールを飛び出したのか。

全米1リベラルな街

 転機は、バークレーに移り住んだことだと言う。「英語もままならないままアメリカに行ったんですよね。」と笑う。「でも、孤独感を感じなかったんです。いろんな人種が混ざり合っていて、LGBTQ とか、ムスリムとか、マイノリティーに寛容で、そこに寄り添う姿勢がすごくて、ダイバーシティー(多様性)が尊重されているんです。」

そんな街は、シリコンバレー(Apple 社、Facebook 社、Google 社など、多くの新興企業や技術系のグローバル企業が密集する地域)と同じベイエリアにある。「実際にオフィスに入って、GoogleやFacebookなどのテックカンパニーで働く人にインタビューをしたことがあるんですよ。そこは、典型的な日本人が想像する “アメリカ人” が多く働く場所じゃなくて、アジアやヨーロッパとか色んな人がいて、むしろ、そっちがマジョリティー(多数派)な感じで、優秀な人材が集まりやすい環境になっているんですよね。インタビューを通して、イノベーションを作り出すのが多様性なのだと感じました。」

「でも、日本に戻ってみると、その混ざり合ってる感がなくて。もっとごちゃ混ぜにしたい!ってなりました。」

人生一度きりだから

 バークレーで過ごす中で、多様性の大切さを感じたTommy さん。「5月くらいにジョギングをしてたら、Paikeというサービスを思いついて、そこからとりあえず起業しようと思った。」と語った。その一ヶ月後、6月に株式会社Attic Start (Paike を運営している会社)を創業している。

Tommyさんが起業を決断したスピードは驚くほど早く、かなりラフに感じた。しかしこの決断、誰もができることじゃない。そんな簡単じゃないはず。そこで、多くの人が気になる質問をぶつけてみた。弁護士やめて、起業の道を選ぶのは怖くなかったのか?

この答えは「人生一度きりだから。」と、至ってシンプルだが、強さを感じる回答だった。「もちろん、お金を安定して稼ぐことができる仕事を捨てることは迷いました。スタートアップは基本的には失敗するし、自分がやろうとしていることは、成功したところでお金が稼げるのかという問題もありますしね。でも、自分が好きな世界、多様性にあふれた、いろんな人が混ざり合っている世界を実現したいからやっています。」

「結局思うのは、失敗してもいいじゃないか。人生なんとでもなる。ということ。もちろん成功するつもりでやっていますけどね。」と、覚悟を決めて起業をしていることを語った。

マイナスから0にするプラスよりも、プラスを重ねたい

 最後に、実際、今楽しいのか?という単純な質問をしてみた。「以前の仕事は、紛争解決など、マイナスを0にすることだったけれど、今の仕事はプラスを生んでいくことに変わったのでとても楽しい。だけど、弁護士時代の時のように自分だけの力では前に進めないことを知り、苦しみながらも、楽しみながら頑張っているって感じですね。まだまだ、これからなので。悩みや問題は止まないはずです。」と好奇心溢れる少年のように笑っていた。

「安定したものに固執するのではなく、サハラ砂漠を自転車で走って旅をしていたあの頃のように、原点に戻って、好きの力で世界をつなげていきたい。」

必要なのは勇気ではなく、覚悟。決めてしまえば、すべては動き始める

 全米1リベラルな街バークレーで過ごす中で、必死にもがく起業家や成功した起業家、一流の研究者やエンジニアに出会い、シリコンバレーの風という名の多様性に吹かれたTommyさん。安定という言葉を捨て、新たな道を進むことを決めたのは、彼自身が“好き”という言葉の魔法にかけられたからなのではないだろうか。どこか混ざり合っていない世界をごちゃ混ぜにして行こうとするTommyさんの思いが世界中に届いて、いつの日か、“好き”が持つパワーで世界の様々な国の人と繋がれたら、そんな素敵なことはないと思う。

柔軟なヒラメキと行動力には本当に驚かされる。覚悟を決めて、動き出したTommyさんのこれからがとても興味深い。またいつか、対談させて頂きたいです。今回はありがとうございました。

 ー追記ー

 また、Tommyさんは、Paike Talk という国際的な経験を持つ・持ちたい社会人と学生のための国際交流コミュニティを作り上げ、毎月イベントを行っている。

毎回のゲストは学生時代は演劇を専攻していたエンジニアや、日本では、孫正義さんが通った大学として有名なUCバークレーの学生、アフリカに移住計画している社会人、今バズっているYoutuberやインフルエンサー などなど、破天荒なキャリアを持つ人たちばかりで、話は面白い。

今まで関わったことのないような人達と関われる・関係を築ける機会になるので自分の視野を広げたい方、特に、学生にはピッタリのイベントだ。しかも、このイベント無料でやっているからすごい。

ぜひ、Paike Talk インタグラムツイッターで検索してみてください。

ー最後にー

 最後まで、記事をお読み頂きありがとうございました。

配信に関しましては、嬉しいことに、福岡市スタートアップカフェのフェイスブックページ、そして、Paike Talk インスタグラムアカウントを合わせると、2000回近く再生されております。本当にありがとうございます。

また、今回素人の私にこのような素晴らしい機会を与えてくださった、 Tommyさん、そして、Yukaさんをはじめとする福岡市スタートアップカフェのスタッフの皆様ありがとうございました。今後とも宜しくお願い致します。

Interviewer & Writer : 浦丸 絵里


Information

・ Speaker : Tommyさん

Twitter

note

・福岡市スタートアップカフェ

Facebook

Web

・Paike

Paike

Instagram

Twitter

・Eri Uramaru

Instagram

LINE Blog

Web

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?