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きょうのパリ散歩

コロナウィルスがフランスにも広がっていて、
パンデミック認定とされ、
厳戒態勢かと思いきや、
見る限りパリの人びとはそうでもない。

除菌ハンドジェルや
マスクが売り切れているらしいけど、
人びとはビズ(ほっぺたのキス)の挨拶をし、
どこを触ったかわからない手で、
買ったばかりのバゲットをちぎって食べている。

ただ、チュイルリー公園に子どもの姿が
ほぼ見えなかったから、
親は警戒してるのだと思う。

政府はもっと危機感があるようで、
同じ場所に1000人以上が集まることを禁止した。

コンサートやお芝居はもちろん、美術館も。
ということは、いつも混んでる美術館も、
入れればゆったり楽しめるはず。

ということで、きのうオルセー美術館に行ってきた。
建物に1000人しか入れないので、
美術館前は長蛇の列。

到着したのは閉館2時間前。
列の先頭にいた警備員に聞くと、

「チケット持ってても、いまから並んだら絶対に入れないよ、別の日に来な」

と言われたけど、伝家の宝刀カルト・ブランシュ(年間パス)を見せて優先レーンへ。

「何分待つか俺は知らんよ」と注釈付きだったが、5分くらいで入れた。

長い時間待ってた皆さまには、大変申し訳ない。

ホールに、ひとがいない。

ゴッホの部屋はまあまあひとがいたけど、
ゴーギャンの部屋はこの通り。

印象派の部屋もこの通り。
通常よりはるかに、ゆったり鑑賞できる。

でも、美術館は本来はこうあるべきなんだろう。
過ぎた混雑のなかでは、作品との対話もできまい。

不幸中の幸いといっては不謹慎だが、
めったにない貴重な経験をした。

この日のお目当ては、始まったばかりの
デオポルド・ショヴォー展『怪物の国で』。

医師として働く傍ら、
絵本や彫刻家として活躍したショヴォー。

2つの世界大戦に翻弄されながら、
子どもたちのための作品を創り続けた。

絵本は日本語にも訳されているらしい。

へんな怪物。

なんかわからん怪物。

謎の生物。かわいい。

ショヴォーの絵本の世界を体感できる空間も。

いつもは二階の彫刻コーナーで
小さなケースに入ってる作品も、
ひとつひとつ、かわいくディスプレイされてて、
ますます変。

なんか年々、なぞでかわいいものが
好きになっていくの、なんで?

暗い話題が多いときこそ、
明るくいきたいものです。

きのうも、家に帰りました。

サポートいただければ、次の本へのリサーチに使わせていただきます!よろしくお願いいたします。