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大学いろいろ

June 9, 2021

6月に入り、Times Higher Education(THE)がアジア大学ランキングを発表しました。東大は6位(昨年7位)。上位3位は昨年と変わらず、清華大学、北京大学、シンガポール国立大学がランクインしました。

日本では学校教育法第1条に定められている機関が「学校」。幼稚園、小学校、中学校、高等学校、大学などがあり、国に認可されているこれらの学校は「1条校」と呼ばれます。現在、日本には国立大学86校、公立大学93校、私立大学607校があるそうです(2019年5月現在)。

日本の大学が国の基準によって設置されている一方で、アメリカでは大学は中央省庁のもとに定められているのではなく、地域ごとに6つの認可団体が認可(accreditation)をしています。たとえばカリフォルニア州のサンフランシスコ州立大学やスタンフォード大学の場合には、WASC(Western Association of Schools and Colleges)という団体に認可されていて、大学のHPを見ると「どこに認可を受けているか」という情報が掲載されています。

アメリカの大学は中央省庁による設置ではないため、教育システムも多様。カリフォルニア州の場合は州立大学にも2種類あります。「カリフォルニア州立大学システム(CSU: California State University System) 」と「カリフォルニア大学システム(UC System)」で、CSUはサンフランシスコ州立大学やサンノゼ州立大学など、UCはUCバークレーやUCLAなど。大学入試の出願窓口もCSUとUCで異なります。加えて、スタンフォード大学などの私立大学、2年制のコミュニティカレッジがあります。

大学は州によっても特徴があり、たとえばモンタナ州にはコミュニティカレッジの1つとして「Tribal College(民族系大学)」があります。ネイティブアメリカンの教育機会へのアクセスをつくる目的で、1960年代に設置されたもの。日本では、朝鮮学校やブラジル人学校といった外国人学校は日本の教育システムによらないため1条校にはあたりませんが、アメリカでは認可されたTribal Collegeが32あり、うち7大学がモンタナに。卒業後にモンタナ州内の4年制大学への編入も可能で、モンタナ州立大学のオフィスで学生アシスタントをしていた日本人学生もネイティブアメリカンにルーツがあり、Tribal Collegeの卒業生でした(いまは日本の大学で職員として活躍中)。

また、アメリカらしいのが「For-Profit University (営利大学)」。認可された大学ですが、企業による運営で、社会人が対象であったり、オンライン授業が取り入れられていたりといった特徴があります。企業が営利目的で経営しているため、一時期大学の数が増えすぎてしまったり、倒産する大学が出たり、社会的な課題も。
営利大学は日本でも「株式会社立大学」として2003年から導入されていて、一般的な私立大学が学校法人による運営であるのに対し、「株式会社立大学」は株式会社が母体。日本ではビジネス・ブレークスルー大学(経営コンサルタントの大前研一氏が学長)などの4大学が国に認可を受けていて、学位も取得できます。

初等・中等教育でも、日本では1条校において国際バカロレア(国際バカロレア機構が認定する教育プログラム)の資格が取得できる学校が増えたり、ホームスクール(家庭での就学。日本では法制上は認められていませんが、アメリカではすべての州で義務教育の代替として認可)が知られるようになったりと、教育の形も多様化しています。

さて、雨の日も増え、気分がなんとなく盛り上がらないという人もいるかもしれませんが、今日はノー残業デーです。今日は早めに業務を切り上げて、たまには学生時代の旧友に連絡してみるのはいかがでしょうか。遠いところに住んでいるあの人とも、いまならオンラインお茶会ができる時代です。

*映画Gifted(2017)
https://eiga.com/movie/86935/
天才的な数学の才能(gifted)をもった小学生の姪と、母親に代わって姪を育てる叔父の物語。

*文部科学省:外国人学校のみなさまへ
https://www.mext.go.jp/a_menu/kokusai/gaikoku/index.htm

*文科省職員が、ハーバード生に!? Who am I ? 留学で自分を再発見
文科省勤務時の上司がハーバード大学での留学経験を話しています。官僚批判も多い昨今ですが、こんな行政官も。

(写真:モンタナ州イエローストーン国際空港の2階)

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