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臨床検査技師、妊娠糖尿病になる

私はコーチという顔も持っていますが、臨床検査技師という顔も持っています。
臨床検査技師のお仕事としては、患者さんから頂いた血液や尿などの体液あるいは直接身体に触れて身体の状態をデータ化すること。
数値を見るとだいたい身体の状態がわかってしまいます。
私は病院勤務時代、採血業務もしていました。
糖尿病を患っている患者さんを採血すると
「はい、お土産ね」
って使用済みの針が入った容器を預かっていました。
糖尿病の患者さんは血糖値を測定し、その値でインシュリンを注射する必要があります。使用済みの針は感染予防のため医療廃棄物として処理する必要があるので、預かって医療廃棄物用のゴミ箱へポイ。
そんなことをしていたのですが、この度第2子を妊娠中の私もそのお土産を渡す立場になってしまいました。
妊娠糖尿病の発症です。



妊娠糖尿病って?


妊娠糖尿病とは

妊娠糖尿病って、普通の糖尿病とそもそも何が違うの?
私がどうこう書くよりもこちらのHPがとてもわかりやすい。

はい。妊娠により身体としては糖尿病になってしまった状態です。

インスリンと糖のお話し


赤ちゃんの栄養分である胎盤には糖を下げる効果のある”インスリン”というホルモンの働きが抑制されます。
なんでかって、それはもう赤ちゃんのエネルギー源であるブドウ糖をしっかり届けるためです。
正常であれば食事をした後血糖値は上がるわけなのですが、このインスリンのお陰で糖は分解されエネルギー源になります。いわゆる燃料です。
ただ、このインスリンがもう普段通りの働きが出来ない状態なので糖を処理できず、身体にどんどん溜まっていき高血糖になっていきます。
なので妊娠24週あたりで糖負荷試験という検査を行います。
(医療機関によっては初期でも検査するようですが)

糖の分解力を見てみよう(糖負荷試験)



この検査、甘くしたミツヤサイダーの様な検査用飲料をグビっと飲み、飲んでから1時間後に採血をして血糖値を図るというもの。
検査用飲料の糖の量が50gなので”50g糖負荷試験”と言われています。
1時間後の値が140㎎/dl以上であれば妊娠糖尿病疑いなのですが……


血糖値 175㎎/dl

ぎゃぼん。
より詳しく調べるために今度は”75g糖負荷試験”という検査に移行します。
検査用飲料の糖の量は75gでさらに甘い……。
”50g糖負荷試験”は食事をしても大丈夫なのですが、この検査は朝食抜き。
絶飲食です。
検査用飲料を飲む前に1回、飲んでから1時間後に1回、2時間後に1回。
計3回採血です。
この3回の内
・空腹時  92㎎/dl
・1時間後 183㎎/dl
・2時間後 153㎎/dl
のどれかひとつでも当てはまれば”妊娠糖尿病”と診断されます。
結果は……

・空腹時 89㎎/dl
・1時間値 203㎎/dl
・2時間時 147㎎/dl

(;´∀`)

ちなみにHbA1cという、赤血球の色を示すHb(ヘモグロビン)がどれだけ糖と仲良しかという検査に関しては
5.1(5.5以下は正常とされています)という数値でした。

というわけで妊娠糖尿病と診断されてしまいました。

治療はどうする?



治療となると妊婦の場合は投薬をすることが出来ないので、インスリンを注射することになるのですが、いきなりではなくまずは食事療法からスタートです。
先生からは1日の摂取カロリーを指示されました。
私の場合は体型+赤ちゃんへの栄養分を考えて
1日1932㎉にするように指示されました。
「あら、意外と食べれますね」
と先生。
栄養士さんからも
「全然食べれますよ」
とのこと。
その食事を1日6回に分けて食べます。
細かく分けることで、血糖の上がり下がりを少なくするんですよね。
(この上がり下がりがあるのが一番身体によくないとのこと)
朝食・昼食・夕食の量を少なくしてその分を間食で補うという形。
加えて私には朝食・昼食・夕食後に血糖値を測定して記録をつけて検診の旅に提出するように指示されました。
その上で食事療法で何とかできず、インスリンが必要になった場合は内科併設の産婦人科へと転院することになるとのこと。
インスリンも転院もできるだけ避けたいので、食事療法を頑張ることにしました。


高血糖になると起こってくること

高血糖になるとどんなことが起こってくるか。
母体側のリスクとしては
・帝王切開率の上昇
・妊娠高血圧症候群
・羊水過多
・感染症になりやすくなる(膀胱炎、腎盂腎炎)

赤ちゃん側のリスクとしては
・巨大児
・新生児低血糖
・新生児高カリウム血症
・子宮内胎児死亡
等が挙げられます。
これだけ聞くと結構怖い……

妊娠糖尿病の危険因子

妊娠糖尿病のリスク因子として
・糖尿病の家族歴
・肥満
・35歳以上の高年齢
・巨大児分娩既往
・強度の尿糖陽性もしくは2回以上反復する尿糖陽性
・妊娠高血圧症候群

などがあるんですが私の場合は、両方の祖父が糖尿病という家族歴があります。父方の方はインスリン治療などはしておらず投薬で済んでいたのですが、母方の方はインスリン治療と透析治療をしていました。
この話をすると体質的に血糖値が上がりやすいんでしょうねと言われます。
実は1人目の妊娠の時に最初の糖負荷試験で引っかかり、再検査でなんとかクリア。
でも思えば検査を切り抜けただけで、1人目の時も実は危なかったのかな……
実際に参加に行くまでの間に1粒飴を舐めただけで尿糖がバリバリの陽性になったことも。
なので自主的にお米を白米から十六黒米に変えたりしていました。


栄養士さんとの栄養指導

それ以外に考えられる要因として、栄養指導の時に栄養士さんとお話しすると私の場合はこれかなというのが出てきました。

・悪阻の時にはまった炭酸飲料

1人目は匂いつわりで、とにもかくにも食べられないという状態になったのですが、今回は食べつわり。
合間で小分けにしたおにぎりを食べていたり、炭酸飲料がとにかく飲みたくなって炭酸水メーカーが我が家にやってくるまでコーラやらメロンソーダやら飲みまくっていました。

・乳酸菌飲料

私は花粉症持ちなのですが、お薬が嫌いなんです。
眠くなってしまうので。
というわけで、”ヤクルト1000”と”ミルミルS”を愛飲していました。
”ミルミルS”は宅配専用のミルミルなのですが、鉄分が入っているので、1人目妊娠の時に鉄分補給と便秘対策のために飲み始めたもの。
ですが今回に関しては、
「出産が終わるまで一旦ストップしましょう」ということになりました。
確かに睡眠の質も良かったし、便通も良かったんですけどね。
同時に今年は花粉症対策でお世話になっている”乳酸菌ヘルべ”に関してもお休みです……とほほ。

・早食い&子供の食べ残し

これも要因としては大いにありますよねと指摘されました。
子供がいるとどうしてもなかなか自分の食べたいペースでは食べることができません。食べられる時に一気にかきこむ。
そんなスタイルになっていました。
そして子供の食べ残し。
一度食べ残し食べて、感染性胃腸炎をもらってしまったこともあり手を付けてしまったものに関してはもったいないですが食べないようにしていました。ですが、手を付けていないものに関しては食べたりしていました。
特に外食なんかに行って頼むお子様ランチ。
出されたものは基本的に食べないとという、昭和の完食指導が染みついてしまっているのか。
テーブルに置いてある”フードロス”の案内を見ると後ろ髪をひかれてしまうのか残ったもので手を付けていないものに関しては基本的に食べていました。
少なくとも今はそういう時期だとして割り切りましょうということで落ち着きました。

お母さんが悪いんじゃない

先生にも栄養士さんにも真っ先に言われたのは、これはお母さんが悪いとか甘いもの食べ過ぎたとかそのせいでは無いということ。
体重の増え過ぎなど指摘されたこともなく、運動もできる範囲でしていました。
自分自身も医療従事者であり、糖尿病になりやすい素質も持っているので気を付けてはいたんです。
今は自分一人だけの身体ではない。
お腹にはボコボコと毎日すくすく育つ新しい生命がいる。
出産までの残り期間、食生活を見直すいい機会だと思って奮起したいと思います。
と強くは書いたものの、この生活が始まって3週間弱、心折れまくりです。
そんなこともnoteに吐き出していこうかなと思います。



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