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99%が内向的な私の散文

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ただただ日々思ったことを綴る
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2022年1月の記事一覧

注射が好きな話

注射が好き。
注射で泣かない子供だったらしいので、昔から好きみたい。

採血は一番痛くない。ドクドクと真っ赤な血液が出てきて、自分の中にこれが流れていたんだなぁとしみじみする。

予防接種などは逆に私の体にこの液体が入っていってる。。どこにいっちゃうんだろうって興味。

そして何より、針が自分に刺さる瞬間が一番好き。
皮膚を突き破って侵入する針先を、私はじっと見つめるので、看護師さんはおぉと思って

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あの日の猫の話

猫と会話をしたことがある。
ある雨上がりの日だった。

15年くらい前、訪問販売の仕事をしていた私は、とある街のとある水色のアパートを一軒一軒チャイムを鳴らして訪問していた。
在宅率が低く、チャイムを鳴らしては待つ。また次の部屋のチャイムを鳴らして待つの繰り返し。

どこからか猫の鳴き声が聞こえた。
辺りを見回すと、アパートの隅っこに一匹の猫が座ってこちらを見ていた。
一瞬目が合ったが、私は気にせ

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人の人生を覗きたい話

私は人見知りで友達も少ないが、他人には興味がある。
薄く広く興味がある。

駅のホームでベンチに座っている老人がいるとする。
この人はどんな人生を送ってきたのだろう。今はどんな暮らしをしているのだろう。どんな家に住んでいるのだろう。と、つい想像してしまう。
誰でもいい。頭の中で思い巡らす。

決してその人と仲良くなりたい訳ではない。
でもそこに私の知らない何十年が存在したことにドキドキする。

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通勤の時間は余白である話

通勤電車の中の人たちはみんなスマホを見ている。
もしくは本を読んでいるか寝ているか。
そんな中、ぼーっと窓の外を眺めている人を見かけるとなんだか嬉しくなる。

何事にも、余白って必要だと思っている。

職場の人が、仕事でも休日でも次から次へと予定を入れてしまうのでいつも何かに追われていると困り顔で言っていた。
じゃあ入れなきゃいいのになと思うが、そう簡単でもないらしい。

仕事の日はただでさえ朝起

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箱根駅伝が好きな話

なぜこんなにも箱根駅伝に惹かれるのだろう。ニューイヤー駅伝ではだめ。全日本大学駅伝でもだめ。
私はとにかく箱根駅伝に強烈に惹かれる。

子供の頃、お正月は母の実家に泊まりに行く。
そこはとても賑やかな家で、箱根駅伝を皆で見るのが恒例行事だった。

なぜかみんなとても盛り上がっている。オリンピックの決勝戦くらい。デッドヒートしているとハラハラしながら興奮して、スピードスターがごぼう抜きしていくと大き

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サトラレに囚われている話

心の中でよからぬことを考える。
不謹慎なこと、下品なこと、無責任なこと、調子に乗ったこと。

そんな時、どうか自分がサトラレでありませんように、、と私は切に願ってしまう。

もう20年くらい前の漫画だ。ドラマ化も映画化もされたはず。
サトラレという人がまれにいて、思念が強いばかりに思っていることが周りの人に聞こえてしまうという運命の人たち。

もちろんフィクションだ。しかし当時私は、私がサトラレだ

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珈琲の話

珈琲が好き。
砂糖とミルクを入れないと飲めないけど珈琲が好き。

子供の頃から家で珈琲を飲まされていた。
いつの間に好きになったんだろう。
最初はきっと美味しくなかったはず。
大人になって珈琲を飲んでもきっと好きになれなかったと思う。

何で珈琲を飲むとほっとするんだろう。
何で紅茶ではだめなんだろう。
考え事をするのに良いのかもしれない。
苦くて美味しいなんて、不思議な飲み物だ。

珈琲を入れる

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メロンパンの話

メロンパンのような帽子をかぶっている人を駅で見かけた。どこをどう見てもメロンパンだ。
友人がこの帽子をかぶっていたら、きっと見るなりメロンパンみたいな帽子だねと言ってしまうと思う。

でも買った彼女はメロンパンみたいな帽子と言われるのを嫌がっているかもしれない。
きっと今までに何度も言われているに違いないほど、本当にメロンパンに似ている。

考えてみたら、メロンパンっていう名前がそもそもすばらしい

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特殊な妄想の話

世の中の何%の人が妄想をしているのだろうか。
妄想って楽しいよね。無限大。
でもどんな妄想をしたかってあまり積極的には人に話さない気がする。

私がしている妄想を人に話すと、ちょっと特殊だと言われた。
みんながしている妄想って、頭の中でうろうろ考えるタイプみたいだけど、私はどちらかと言うと声に出す妄想。

例えば、気になっている人と偶然帰り道が一緒になったらどんなこと話すかな?こんなこと話しかけて

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眼鏡とは何なのかの話

小学生の頃から眼鏡をかけ始めた。
目が悪いので、かけると世界がはっきり見えて良いけど、眼鏡自体はださくて嫌いだった。大木凡人のような丸くて大きな黒縁眼鏡。存在感はないけど真面目っぽさに拍車がかかる縁無し眼鏡。どれも嫌い。

大学生になってコンタクトレンズを使い始めるが、ズボラな性格が災いして角膜を傷つけてしまい、お医者さんにもうコンタクトは着けないようにと宣告された。

結局眼鏡をかけるしかない生

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手書き文字の話

手書きの字ってなんか良い。
人はいろんなもので自分を飾る。
服やアクセサリー、メイク、言葉遣い。

でも文字は飾れないのだ。
ごまかせない、その人を表す強烈な個性。

とても美しい字を見ると感動してしまうし、大きさやバランスが不安定な字を見るとドキドキする。
態度が大きい人が案外小さな字を書いたりすると可愛く見えてくる。そこにはまごうことなきその人らしさがある。

若い人は字を書く機会が少ないみた

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飾らない人の話

最近とあるシンガーソングライターを好きになった。
声や歌や歌詞やメロディー、どれも好きなんだけど。何でこの人にこんなに惹かれるのかって考えたら、飾らない人だからだと気付いた。

もう20年くらい前、初めて付き合った人に私の飾らない所が良いと言われた。
すごくそれが嬉しかった。
その人に言われたから嬉しいというよりも、その言葉が嬉しかった。私という人間を「飾らない」と表現してくれたことが嬉しかった。

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プールと大浴場が嫌いな話

プールと大浴場が嫌い。
みんな何かを麻痺させられてあれらを楽しんでいると思う。私にとっては楽しさ皆無、ただの拷問だ。

なぜ全く知らない赤の他人の前で、半裸や裸体をさらさなければならないのだ。そこにどんな合理的な理由があるんだ。

そして同じ液体に体を浸す。
意味が分からない。
こんなことを考えているのは私だけなんだろうか。

プールや大浴場は、どこか私の知らない違う世界なんだ。そこではそっちのル

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日記を書くことをやめられない話

文字を書くのが好き。
ペンで紙に書くのが好き。

16歳から日記を付け始めた。ひたすらノートに思ったことを書いていくスタイルで、止めようと思わない限りいつまでも書き続けられる気がする。ひょっとしたら私の人生の時間の1/10くらいは日記を書いているのではないか。

日記を書いている間わたしはずっと癒やされている。
好きなペンの握り心地、好きな紙のすべすべ感。
自分の頭の中が上手く表現できた時のうれし

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