Erik

世界のどこかで言語について研究を行っている者です。主な対象言語は英語です。

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最近の記事

OEDの新しいサイトについて

OEDことOxford English Dictionaryのオンライン版が、新しいサイトに切り替わりました。これによって、従来とは異なるインターフェイスになり、以前から使用している者にとっては困惑する面があったので、項目の詳細画面における以前との違いに焦点を当てて、いくつか触れておきます。 新しく追加された大きな機能の一つとしては、“Tabbed View”という表示(デフォルトでon)があります。これは、Factsheet, Meaning & use, Etymolo

    • 『週刊文春』の表紙絵から学ぶヨーロッパ文化

      書店に行った際に、雑誌のコーナーでふと『週刊文春』4/27号(2023/4/20発売)の表紙が目に入りました。 この絵の中心部分に描かれている人物は、劇作家のウィリアム・シェイクスピアです。しかし、肖像の下にある文はシェイクスピアの故郷イギリスの言語である英語ではありません。そのため、不思議に思う方もいるかもしれません。ちなみに、これはデンマーク語で書かれています。 『週刊文春』を開くと、この絵が故・和田誠氏の手によるものであることがわかります。和田氏が亡き後も、生前同様

      • GoogleがBardを発表 ところで“Bard”って一体どんな意味の言葉? どんな背景がある?

        先日、GoogleがBardというAIサービスを発表しました。 Bardを「バード」と読むことは、何となくわかるかと思いますが、発音が似た単語のBird(鳥)とこれを勘違いしている人も中には見受けられます。この記事では、Bardという単語の意味とその歴史について紹介します。 Bardという英単語は、カタカナで発音を書き写すならば「バード」となり、まるでbirdと同じ発音であるかのように思ってしまいますが、曖昧母音で発音するbirdよりもbardの方が口を大きく広げる発音を

        • Biber et al. (2021) Grammar of Spoken and Written Englishについて

          Biber et al. (1999) Longman Grammar of Spoken and Written Englishの“complete redesigned”版であるGrammar of Spoken and Written Englishが版元をLongmanからJohn Benjaminsに変えて、2021年に出版された[これ以降、前者をLongman版、後者をJohn Benjamins版と称す]。この版は、Longman版で本文中のLongman Gr

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          Simon & GarfunkelのEl Condor Pasa (If I Could)についての雑感

          アメリカのフォークロックデュオとして知られるSimon & Garfunkelは、アルバムBridge over Troubled Water(邦題『明日に架ける橋』)を1970年の一月にリリースした。このアルバムは彼らの最後のスタジオアルバムとなり、ビルボードなどの複数のチャートで1位を取っている。 アルバムのタイトルともなっている楽曲Bridge over Troubled Waterは、アルバムの1トラック目に収録されているが、この曲について言われていることがある。そ

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          Old Englishという用語について

           英語はしばしば、次のような時代区分がなされます。(Cf. Bergs, Alexander and Laurel J. Brinton (2012) English Historical Linguistics: An International Handbook, vol. 1) 古英語(Old English)[450年頃-11世紀末] 中英語(Middle English)[1100年頃-1500年頃] 初期近代英語(Early Modern English)[

          Old Englishという用語について

          古ゲルマン語オンラインリソース

          英語やドイツ語を勉強していると、その古語を知りたくなることがあるかも知れません。この記事では、古ゲルマン語(中世のゲルマン諸語)に関するインターネット上のリソースを紹介します。なお、本記事では比較的信頼のおけそうなもののみ取り扱っています。 古ゲルマン語全般Wörterbuchnetz Althochdeutsches Wörterbuch, Mittelhochdeutsches Wörterbuch, Mittelhochdeutsches Handwörterbuch

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