営業活動、行動パターンの見える化
少ない人数で営業なさっている企業は多々あり、前回、お話したように、それをいかにしてフルに稼働してもらうための本部機能の在り方について、少し触れました。
今日は、「各営業の動きの見える化」について、お話をしたいと思います。
関東エリア、関西エリアは、当然のことながら、他の地域より、圧倒的に企業が多く、お客様が多いものです。
しかし、それにもかかわらず、売り上げがなかなか上がらないケースがありました。
原因は何なのかを考え、他のエリアの営業担当者にそれとなくお聞きしても、明確な回答が得られません。
なぜなら、悪口に聞こえることを恐れて、口を閉ざしてしまうのです。そのため、原因がはっきりしないまま時間が過ぎていきました。
しかし、これだといつまでたっても原因が漠然として解決しません。
ようやくわかったことは、「同じ会社にばかり営業に行っているのでは?」と言う声が・・・
実際、既に取引口座を開設した企業に対して、営業活動を継続されていたようで、そこだけでも売り上げが大きいこともあり、その企業に注力されていたようです。
しかし、一企業で大きな売り上げを誇ることは、一度、その取引が止まると、とたんに売り上げがなくなりますので、リスクがあることも事実です。
そこでこの企業では、「今期は、新規のお客様に売り込め」という指示がなされました。正直、既存顧客に加えて、新規顧客の獲得は、この少人数の営業では、厳しいとも思いました。
日報は、常に流されておりましたので、
①どの企業にアプローチしたいのか。
②その企業の進捗状況について、いつ、誰に、営業をしたのか
②については、時系列で、誰に会い、どのような内容となったのか、詳らかに記入していく形にされたのです。
これらを定例会議で報告をするようになさったのです。
私は、営業報告は当然のように、お客様に対しての交渉からがスタートと考えていました。しかし実際の報告では、営業活動が始まる前から記載されており、しかもその段階で止まっているケースがあることを知りました。つまり、営業したいお客様を紹介してくれる企業を探している段階で時間を費やしているのです。そしてこれも営業ということのようでした。
人に頼っての営業であることは、「困ったときは人に頼れ」ということも正しいのですが、この場合、まず紹介する側にとっても、紹介する上のメリットがあってようやく動いてくれるので難しいです。
さらに、アプローチする企業のリスト①にも問題があり、売り込んでも無駄足になると思われる企業が含まれていました。事前に一応、お客様情報を提供していましたが、アプローチする前に、さらにもう一度、確認しておけば良かったかなぁと思いました。
信頼関係がまだ十分ではないのかもしれません。
反省いたしました。
この取り組みでわかったことは、報告の仕方として、営業の方がどのようにアプローチをしたかを詳細に時間、誰に対してといった事柄も明記した方法に変えたことで、営業担当者の行動パターンや時間の使い方がより明確になったことです。
5W1Hを活用して記載内容を細分化することで、原因が明確になったといった具合です。
営業担当者の稼働時間のコストは、ややもすると、あらゆる場面で、お互い感情が入ることもあり、現実の問題点がぼやけてしまい、最終、わからないまま放置してますと、じわじわと売り上げにも響くものです。
会議で営業の方に叱りつける方もいらっしゃいますが、それは叱られた方を単に萎縮させ、モチベーションも下がります。そして、その場には周辺の社員も聞いているので、あまり良くないと思っております。
さてここでは、当初の目標は、「新規顧客の獲得」ということでした。
新規顧客は、あらゆる企業で必要な業務であり、少ない人数で行うことは大変ではあるものの、やり続ける業務でもあります。
しかし、その際、報告の方法を少しでも変えたことで、見えないことが見えるようになり、当初、予定しなかった産物が生まれたのではと思っております。
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