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女がそれをあきらめた時

いったいどこまで、野暮ったくなるのか。
聞こえをよくしたら実験中。
正直にいえば、投げやり中。

3ヶ月に一回は行っていた美容院に半年行っていない、たかが半年、されど半年なのだ。               

マメにしていた白髪ごまかしのカラーも、頭皮エステもカットもやっていないと、こうも違うのかとボサボサ頭の化粧気のない自分の顔を鏡で見て驚愕した。
おまけに、暇があれば畑へ行き草むしりをするので、やたらと虫に噛まれる。
口元がなにやら赤くふくれているのはそのせいだろう。
夫に指摘されて気付いた私も、たいがい無頓着すぎる。
服もほぼ毎日おなじスタイル。
グレーのパーカーに長ズボン、これにエプロンだ。
真珠のプチピアスがトレードマークだったが、もうやめた。
自分にこれほどまでに興味がないのは生まれてはじめて。
小綺麗な婦人を目指して、髪の艶に気を使い、定番&流行りなものを意識しながらユニクロや無印で調達していた。 
派手すぎず、ダサすぎずで、滲み出るナチュラルオシャレさを追及してたあの頃…(遠い目)  

街を歩く野暮ったいご婦人をみて、決してあんなふうにはならないと思っていたが、野暮ったくならざるを得ないストーリーがそれぞれにあるのだと今ならわかる。
そんなストーリーを聞きたい。

あなたは、いつから、その野暮ったいスタイルなのですか?(失礼極まりない質問)

いやぁ、若いときはねぇブティックでハウスマヌカンに服を選んでもらってねぇ、肩パッド入りのスーツを着こなして颯爽と歩いてたもんよ、ハハハ。
でもね。結婚したら旦那がどうしようもない人でね~とかなんとかあるのである。

女がそれをあきらめたとき。
否応なしの人生があるのである。

そんな人生だけど。
すべてを受け入れ、ダサすぎず派手すぎず小綺麗な私でいたいと、また思う日まで、とことん野暮ったくなろうじゃないか。