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住宅設計者の「家と子育て」8 下の階への配慮
集合住宅での子育てで最も神経を使うことというと、走り回る音などを始めとする下の階への音対策ではないでしょうか。
基本的にほとんどの集合住宅で床に対してLL-45、もしくはLL-40などの防音措置が規定され、遮音フローリングなどが使われていますが、これはあくまで軽量衝撃音に対する措置で、一般的な歩行音に対しては効果がありますがジャンプなどの体重がしっかりとかかる衝撃音にはあまり効果がありません。
このような音に対しては、振動を直接床に伝えないという対策が効果的なので、極端な話をすると全面に厚めのベッドマットレスなどを敷けば全く心配はいらないのですが、そうはいかないので場所や成長過程ごとの対策が必要になりますので、あくまで我が家の場合ですが、年齢ごとに出していた衝撃音の種類と対策などをまとめます。
歩く前
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歩行前の段階で出していた衝撃音としては寝ている状態での足バタバタです。
この時期は基本的に畳の上においたベビーベッドに寝かせていたので、それほど気にしてはいなかったのですが、床に直置きしているときなどは足元にクッションを置いたりしていましたが、基本的に動き回らないので対策も楽で、立つようになるまではあまり考える必要はないと思います。
歩行初期
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1歳半くらいになると、立った状態で軽くジャンプのような行動を取るようになりました。
まだ体重が10kgくらいで跳ねる力も弱いので室内で聞いてる分には「ドンドン」というよりは「ペタペタ」という感じでそれほど問題ないかなと思いつつも、フローリングの上に多少クッション性のある畳を敷いてなるべくその上で動いてもらうように誘導していました。
このくらいの時期は割と素直に言うことを聞いてくれたのでそれほど気を揉むというようなことはありませんでしたが、徐々に今後への危惧を感じ始めました。
2歳なりたてくらい
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2歳を過ぎると格段に行動の荒々しさが増え、高いところからのジャンプなどが楽しくなってきました。
体重は13kgくらいになり、さすがに畳の上でも直だとかなり「ドン」とくるので、行動する先々にビーズクッションなどを置いておくようになりました。
ある程度行動パターンは決まっていて、遊びやすい場所が決まっているとその辺に置いておけば良いという感じで、ビーズクッションや寝袋、布団などが大変重宝しました。
3歳直前
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3歳が近づくとジャンプ力も格段に上がり、落差の大きい場所から飛び降りるようになりました。
体重も15kgくらいとなり、走る音にも迫力が出てきたのですが、走り回る時間は保育園から帰ってきて寝るまでの3時間位のうちの一部くらいだったので、飛び降り系のジャンプだけ気をつけてあとはごめんなさいという気持ちで過ごしてました。
3歳半くらい
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このくらいになるとヒーロー物に触発され、アクションに磨きがかかりもうベッドの上でしか暴れさせられないくらいの運動能力になってきました。
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そろそろ次の段階の対処が必要かなと思い始めた頃に自宅を設計することになり、あと少しの期間ということで新たな対処はせずにオペレーションで乗り切る方向に切り替えました。
実現しませんでしたが、次の段階の対処としては置き畳の範囲を増やして、さらに置き畳の下に防振マットを敷くということを考えていました。
それなりに対処はしてきましたが、それでもそれなりの音は下に響いていたのではないかと思われ(上の階の子どもが走る音がかなり聞こえていたため)、文句を言わずにいてくれた下の階の方へは感謝の気持でいっぱいです。
比較的小さな子のいる家庭が多いマンションだったので全体的に許容度が高かったのかもしれず、そう考えるとマンション全体の家族構成の割合や、少なくとも自分の下の階にどのような家族が住んでいるかなどは精神衛生状態には重要なポイントになり得るかもしれません。
4歳になる少し前に自宅が完成し引っ越しとなりましたが、そうじゃなければ比較的音の心配が少ない1階の角部屋に引っ越していたかもしれません。
なぜなら…
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5歳ともなるとこんな感じだからです。
ただ、1階でも飛び跳ねる音は隣や上にも伝播するのと、音が聞こえている方はどこから鳴っているのかわかりにくかったりするのでそれなりに注意が必要になります。
また、仮に子供が生まれたタイミングでマンションを購入してリノベーションするとなった場合にどの程度音に気遣って工事をするかというと、自分であれば、スラブに直貼りの物件はなるべく避けて二重床タイプの下地でLL-40を確保し、それ以上は上記のような場当たり的な対応が良いように思います。
叫び声や泣き声なんかはRC造であれば気にする必要はありません。
ただ、結局音の感じ方は人それぞれで下の階の方が敏感な場合はなるべく周囲の方とコミュニケーションを取って良い関係を築きつつ、うるさい時間を限定するなどでやっていくのが良いかと思います。
・お知らせ
この後に家を建てる事になり、設計経緯をまとめたマガジンです。
これから家を持とうと考える方の何らかのヒントになるかと思います。
また、建築の楽しみ方なども書いてます。
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