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熊本・島原・長崎旅行(3):島原市内観光

【前回】熊本・島原・長崎旅行(2):島原でサイクリング|R-9|note

島原の朝

4泊5日の旅、3日目。旅の前半はソロ旅でしたが、この日からは羽田からやってくる友人たちと合流してのグループ旅となります。ひとりは気ままで楽しく、なにより知らない土地に自分だけという自我との静かな対峙を味わえる。他方、旅先での小さな驚きや感動をその場で共有できる人がいない寂しさを感じることもあり、一長一短ですね。どちらも旅。

島原港と九十九島、有明海の朝

東洋九十九ベィホテル、佇まいもレトロなら、朝食もこういう昔ながらのフルセットのやつで、めちゃめちゃ良かったです。

朝、島原在住の友人が車で迎えに来てくれて、その足で長崎空港へ向かう。空港へは車だと片道2時間弱といったところで、島原半島の外周を海沿いに走る島原鉄道に対して、そのいくぶん内側を回っていくルートになる(雲仙グリーンロード)。

この道がまたおもしろくて、Googleマップの航空写真を見るとよくわかるんだけど、山の裾野を襞のように長く拓いた田畑を横断的に突っ切る形で車道が走っているため、田畑→トンネル→田畑→トンネルという感じで延々と同じ風景がミニマルに繰り返されるのです。島原では、こういった肥沃な土壌を活かして色々な野菜が作られているのに、交通の不便さが災いしてほとんど県外では流通しないのだそう。

空港で友人たちをピックアップして、元来た道を戻って再び島原へ。この日と翌日は、友人のエスコートで案内してもらうことになっています。

武家屋敷

島原駅のほど近く、島原城の城下に古い武家屋敷を含む街並みを公開しているエリアがあって、それが観光名所のひとつになっている。

水が豊かな島原では、整備された湧水がこのように水路として縦横に走っており、なかなか風情があります。土曜日にしては人通りも少なく、辺りはさらさらと水音が響く。隙間なく敷き詰められた石垣が、苔むして変色した様子も味わい深い。あらゆるものがフォトジェニック。

そして、ここでも猫につかまってしまった。長崎、猫多いのかな。タイもおしゃれな、りりしい子。きっとどこかの家でかわいがられている。

姫松屋の具雑煮

少し移動して、島原城に近い姫松屋さんで、お昼に島原名物の「具雑煮(ぐぞうに)」をいただく。

具雑煮とは読んで字のごとし、具だくさんのお雑煮。島原の郷土料理なのだそうで、昔ながらの、お出汁の効いた素朴でやさしい味がする。色合いからして素朴よね。何種類かのかまぼこに焼きアナゴ、鶏肉、根菜、シイタケ、凍み豆腐にお餅。美味しかった。

食後に付近をお散歩。いやあ、この市の中心部のアーケードの味わいよ。

島原城

そして島原城…なのですが、あいにくの改装工事中。なんでも、2024年の築城400周年に向けたお色直しの真っ最中なのだそうで。

ただ、工事中の見せかたを工夫していて、こんな感じでマイクラみたいな楽しいロービットな外観になっている。美大生とのコラボ企画なんだって。

島原城、よく知らなかったので城址公園のような感じで原型を留めていないものと思いきや、立派な濠と石垣とともに残っている。立派すぎて、かつては大いに領民の反感を買い、有名な島原の乱の遠因になったのだとも。今は貴重な観光資源として大事にされている。

しまばら水屋敷のかんざらし

アーケードを少し歩き、次はしまばら水屋敷へ。古民家を改造したちょっとしたカフェになっており、中にはオーナーの趣味で集めたという招き猫のコレクションがびっしり。ロケーションだけで十分に味わいがあるので、招き猫に関しては正直さして良さが伝わらないという…観光地特有のやつ!

ここでは島原特有の甘味「かんざらし」を頂きました。かんざらしとは、水あめや蜂蜜をブレンドしたシロップに、冷たい湧水にさらしたもちもちの白玉を浮かべたシンプルなスイーツ。写真奥はセットの抹茶。これ、家で同じものを作ってもおそらく同じ味にはならなくて、この場所で食べるからこその名物だなと思いました。素朴な甘み。

四明荘と鯉の泳ぐまち

通りをさらに進んだ先には、四明荘(しめいそう)という庭園がある。鯉の泳ぐ立派なお庭があり、フォトスポットとしても知られているとのこと。入場料があるのだけど、中ではおしゃべり好きの女将さんがお茶を出してくれたりおみやげのポストカードをくれたり、あれこれ世話を焼いてくれる。

このあたり一帯は「鯉の泳ぐまち」として整備されていて、古民家を活かした庭園やカフェがいくつかあるよう。城の近くの武家屋敷とはまた趣の異なる、親しみやすい街並みです。

居酒屋一二三

夕方、宿にチェックインしたあと、別のホテルシーサイド島原の日帰り温泉で軽く汗を流して、近くの居酒屋一二三さんで打ち上げ。

ここで出されるものがもう、何を食べてもおいしい。海が近いから刺身はもちろんのこと、島原の野菜、卵、雲仙ハム、島原そうめん。先の具雑煮にしてもかんざらしにしても、島原の食が素朴なのは、余計な工夫をしなくても素材がおいしいからなのだと分かる。これは来てみないと分からなかったな…。

わいわいと楽しい夜でした。4日目に続きます。


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