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music barオーナーが考える、結局、音がいいとは何なのか?いいスピーカーとは何なのか?

レコーディングは音の弾性波による振動を捉え、磁石をコイルに通過させる事により、電気信号に変えてから、それを磁気に読み取らせる、というプロセスになっている。物理が得意で、フレミングの左手の法則を知っている人なら、なんとなく理解できるかもしれない。スピーカーの原理はちょうどその逆だ。アンプによって増幅された音の電気信号をコイルに通し、磁石を振動させることによって音波を発生させる。

ちなみにスピーカーを音で振動させると、逆に電気信号に変換できる。ステレオのマイクジャックにイヤホンを差し込めば、マイクがわりになるのはそのためだ。

スピーカーがいい音を出すにはユニットの性能とその構成が重要だ。スピーカーには単一のユニットのみのフルレンジ、複数のユニットにより構成されているマルチウェイがある。

フルレンジは一つのユニットで全ての音域を出す必要があるので、分割振動によって全音域を出す必要がある。スピーカーユニットが音を出すための動きは2種類あり、一つはピストン運動、もう一つは分割振動だ。分割振動はユニット自体が波打って動くことによりピストン運動では補えない音域の音を出せる。そのデメリットは歪みが大きいことだ。音量を大きくすると音が悪くなるスピーカーはその歪みが大きな原因だ。

マルチウェイでは、高音はツイーター、低音はウーファーというように、特定の音域をそれぞれのユニットに割り当てる。その閾値の音の周波数のことをクロスオーバーという。それぞれのユニットがピストン運動で音をだせばそれぞれの歪みを小さくすることができる。しかし内部のネットワーク構造が複雑になることとで、コイル、コンデンサー、それぞれの接点の数が増えることにより音が悪くなってしまうというデメリットもある。

だが、基本的にはマルチウェイにするメリットはそのデメリットにまさる。それぞれのユニットが得意とする音域に特化する事により、それぞれの音域がしっかりと鳴るようになる。特に低音のドラムなどは基音がレンジに入ってなかったり、中音域でも倍音が鳴ってなかったりすると、全体を構成する音色が大きく変わってしまうのだ。ちなみに、タンノイでは同軸2ウェイ、JBLでは4ウェイが主流の構造になっている。

だが結局のところ、マルチウェイのスピーカーの各ユニットの性能がいいかどうかが、本質的に重要なってくる。性能の良いマグネットを使い、しっかり振動して、しっかりと止まり、歪みを形成しないものだ。とくにアナログレコードの場合はCDなどのデジタル音源と違い、高音域でも十分な情報量があるためにツイーターの高音が鳴ることが重要な意味を持つ。基音が低音であっても、倍音の音域を十分に表現することにより、音色は大きく変わるので注意が必要だ。

では、スピーカーはマルチウェイの広い音域を正確に出力する歪みのないユニットの作りにすればよいのか?残念がら話はそこまで単純ではない。

(つづく)

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