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都市伝説物語 ひきこ(2008)

 今回はちょっと番外編。自分を傷つけた相手を引きずり回して殺してしまう「ひきこ」の都市伝説をベースにして作られた、3DCGアニメーション映画だ。上の画像の通り、SIRENやChilla's Artなどのゲーム作品が好きな方はまさに性癖にぶっ刺さるであろう画質。脚本というよりも荒々しい画質が恐怖を掻き立て、ゲームの途中で挟まるムービーを長尺で見ているような感覚になりテンション上がる。今ならアマプラで見放題です。

<あらすじ>

 小学3年生の聡はある日、川辺で人間のようなものを引きずる髪の長い女を目撃する。女と目が合ってしまった聡はそのまま追いかけられるものの、間一髪で自宅に逃げ帰る。同じころ、聡のクラスに転校してきた少女さと子はクラスメメイトからいじめに遭う。すると数日後、さと子をいじめていたクラスメイトや教師たちの身に次々と不可解な出来事が起こる…

<感想>

 小さい頃に父さんがやってるSIRENを隣で見ていた記憶がある。確か<助けを呼ぶ>みたいなコマンドがあって、しゃがもうとして操作を間違えた父は、屍人の近くでおーーーいと盛大に叫び自滅していた。軽トラで屍人を轢き殺す父の活き活きとした横顔を今でも鮮明に覚えている。ちなみに私はホラー映画好きだが超絶ビビりなのでホラゲーは怖くて出来ない。バイオ4だけは何故か最後までやったけど、その他は実況動画を観るだけだ。

 本作は今見るとかなり荒いCGなのだが、溢れ出る平和感が作風とマッチしている。ひきこ(作中ではひきこという表現はされていない)のビジュアルよりも、びっくりした時の聡の表情の方が怖いという謎現象が起こっている。滑らかさのないカクカクとした動きが余計に怖いのだ。実写よりもアニメの方が怖いこともあるんだなー。

 公営団地が放つ独特の薄気味悪さにはJホラーのあらゆる要素が詰まっている気さえする。生々しいいじめ描写、ヒヤヒヤする猫ちゃんの虐待シーン、そして捻りの効いた後半の展開。エンドロールも物語の続きとなっているので最後まで楽しませてくれる。

 たった40分の短い作品でサクッと観られるので、ちょっと怖いの欲しいなぁと思った時に鑑賞してみてはどうだろうか。

 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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