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ペット・セメタリー(2019)気持ちは分かるけど…

 スティーブン・キング原作の小説を再映画化。シンプルで分かりやすいシナリオだが、しっかりと恐怖演出を挟んで着実に点をとりにくる。ペットの話?ホラーファンタジーかな?と思いきや、無慈悲な展開を辿る本格ホラーに仕上がっている。鬱映画でもある。(※原作と設定が違うようですが、読んだことがないのであくまでこの作品について書きます。すみません。)

〈あらすじ〉

家族ともに田舎に越した医師ルイスの新居の裏には動物の墓地「ペット・セメタリー」があった。ある日、飼い猫が事故で死んでしまったため、ルイスは墓地ではなく、さらに奥深い森に猫を埋葬する。翌日、死んだはずの飼い猫が凶暴に豹変し、ルイス一家の前に姿を現わす。その地は、先住民が語り継ぐ秘密の森だった。誕生日を迎えた娘のエリーが交通事故で亡くなってしまったことから、ルイスはある行動に出るが……。

映画.com

〈感想〉

 映画開始30分で結構飛ばしてくるのでダレることがない。ジャンプスケアの使い方が効果的だし、絵面も結構グロくてこの先の展開に期待が膨らむ。私は序盤のテンポがスローだと眠くなってしまうタチなのでこれは助かる。

 ある日、一家の飼い猫のチャーチが車に轢かれて死んでしまう。隣人に言われるがまま不思議な土地に亡骸を埋めると、なんとチャーチは生還して家に帰ってくる。しかし毛並みは汚らしく性格もすっかり凶暴になっている。その容貌はまさにホグワーツの管理人フィルチの猫ミセスノリスだ(伝われ…‼︎)幼い弟ゲイジを襲おうとしたことから、父親ルイスはチャーチを山奥に捨てることにする。

 そして長女エリーの誕生日パーティーで悲劇が。エリーは道路に飛び出し横転したトラックに激突し命を落としてしまう(このシーンはキツくてそう何回も観れるものじゃないです)当然ルイスは考える。エリーもあの土地に埋めれば戻ってくるのでは…?当然っちゃ当然の心理。そしてこっそり実行してしまう。

 エリーは生還するが当然何かがおかしい。このカムバックしたエリーちゃんがとてもとても良い。憎しみに溢れていて凶暴、どこか猫っぽいような動物的で機敏な動きが不気味だ。

仲良しエリーとチャーチ

 もともとバレエが好きだったエリー。カムバ後も居間でダンスを踊っているのだが、衣装は汚く、そこら中の物に当たったりぶん投げたりしながら踊る。私は映画の中でこの狂気のダンスシーンが一番好きだ。

 そもそもこの家に引っ越してきた時から家族には異変が起こっている。例の墓地がこの家の敷地内にあるため影響を受けているらしい。特に両親の幻覚の対象である、幼くして亡くなったレイチェルの姉と事故死したルイスの患者の容貌がおぞましく、途中で「ん?物語の主軸とはたぶん関係ないよな…?」と薄々気づきながらも毎度びっくりしてしまう。飽きさせないための演出が憎い。

 オチの意外性はないものの鑑賞後の満足感は十分だ。もしもあなたの大切な家族やペットが亡くなったらこの墓地に埋めるだろうか?愛犬は埋めてしまいそうだなぁ。そんで噛み殺されるんだろうなぁ。Amazonプライムで無料配信中なのでぜひご覧ください。

 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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