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【844回】森本あんり「国家神信仰を批判する」を読み、膝を打つ

森本あんり「国家神信仰を批判する」
岩波書店が毎月発行している雑誌「世界」に掲載された論考だ。2024年11月号に掲載されている。

何に対して膝を打ったか。そうか!と思ったか。「選び」の主権についてである。

「イスラエルの選び」に関しては一貫して神だけが守護となる。この選びは神の主権的な行為としてのみ語られる。神がイスラエルを選ぶのであって、「イスラエルが選ばれる」という受動態は一度も現れない(注:聖書に現れない)という。

我々は神に選ばれたのだ。偉大なのだ!
聖書からは、そのような捉え方はできないのだ。
神がイスラエルを選んだ目的も聖書にのっている。それを知れば、今のイスラエルがパレスチナや周辺国に対して行っている破壊行為がいかに、神の目的と異なっているかわかってくる。

選びは、イスラエルを他の民族から分けて特別扱いするためではなく、むしろイスラエルを通して多民族に救いを及ぼすためにある。

神が目的を持ってイスラエルを選んだ。ならばその目的に沿って行動しなければならないのではなかろうか。

日本に生きていて、遠い外国で起きている悲劇には、忘れてしまう。
やはり、意識していないと、忘れてしまうのだ。
だから定期的に、思い出し頭に残す。
パレスチナに平和を。


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