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【785回】高校生が髪の毛の色を変えることについて

「ルリドラゴン」という漫画がおもしろい。朝起きたら、角が生えていた女子高生が主人公。ドラゴンと人間のハーフという主人公は、学校の中で圧倒的マイノリティだ。一人しかいない。そんな彼女が、仲間と過ごしながら、高校生としての日常を過ごしていく物語である。

主人公の名前がルリなので、ルリドラゴン。

クラスの仲間で、気になる人物がいる。あえて、狙ってこういうキャラクターにしたのか。何かの伏線なのか。

神代(かしろ)という同級生。ツインテールの女子。主人公のセリフを借りると、「めっちゃイカつい2色ツインテじゃん」(p114)

2色ツインテ。
高校生活の物語で、髪の色を変えて、これが自分だ!と過ごす生徒が出てきたとき、「おおっ」と前のめりになった。

そもそも主人公の親友・ユカの髪の色もベタ塗りされておらず、黒ではない。男子も黒色の髪ではない生徒もいる。
黒色が多いけど、黒以外の生徒がいる。なかでも、2色ツインテの神代はオリジナル。どういう仕組なんだろう。

まあ、仕組みは置いといて、僕、ぶっちゃけな話、高校生でも好きな髪の色をしていいと思うのよ。少なくとも、校則で「高校生らしい髪型を」と言わなくてもいいのではないかな…。

髪の色を染めるか染めないか、自分で決める。
染めた結果、生活や人間関係になにか不都合な変化があったとして、自分で結果を受け止めたらいいのでは?そしてまた髪の色をそのままにするか、黒にするか、考えればいいのでは?

僕がなるほどな〜と思った文章を2つ書いておく。

「衣服の乱れは心の乱れなんて、昔は言いましたが、心が乱れているのなら服装にごちゃごちゃ言うよりも、心に寄り添えばいいのです。服装は彼らにとっては自己表現のひとつ。バイタリティを獲得する重要な手段なんです。その自由を奪ってしまうなんてナンセンスです。自由を与えられると最初はいろいろやってみるものですが、次第に落ち着きます」

おおたとしまさ「学校に染まるな!」(p91)

スクールカウンセラーの立場で大切だと思うのは、「金髪にすることによって起こる色んな出来事を、自分の責任として受け止められるかどうか」である。

薮下遊、髙坂康雅「『叱らない』が子どもを苦しめる」(p160)

「先生が髪の色を染めていいと言った」というように、誰かの許可を得て、誰かのせいにするやり方だと、違うよな。
自分の人生を自分のものとして受け入れるためにも、自分で判断して責任を持つ経験をできたらいいのだろうね。

最後に、「ルリドラゴン」
連載をしばらくお休みしていたのか。作者に何があったかわからないし、具体的に知る必要もない。続きを読みたいから、ゆっくりといい塩梅で、連載を続けてもらえたらいい。

楽しみにしております。


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