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待つというたおやかな姿勢を身につける

待つことにストレスを感じますか?

現代人は待つことが苦手という話を耳にしました。苦手なものに対して人間は往々にしてネガティブな感情を抱いてしまいます。つまり、待つことにストレスを感じやすくなっているということです。

確かに今日の山手線は3分毎にきっちり駅に着きますし、2013年の話ですがマクドナルドは60秒チャレンジを行なっていました。「大変お待たせしました」という言葉も、この世界のスピード感と正確さをものがたっています。

最速で確実にサービスが行われることは、とても便利です。間違いなくサービスを受ける方はストレスを感じずに済みます。けれども、それにあまりにも慣れてしまって、少し待つだけでもイライラしてしまうのは悲しいとも思います。

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待つ姿勢って?

待つ姿勢ってそもそも難しいもののような気がします。待つということは受け身の姿勢です。相手の行動はコントロールできません。自分の想像と比べて遅いものはすべて待たされてしまうと感じてしまうかもしれません。場合によっては期限すらわからずにじっとすることさえあります。

演歌を含め恋愛の曲も、耐えて忍んで待つ姿が少し自虐的に歌われていたりします。耐えて待つことを愚かだとさえ捉えられることもあります。自立していること、能動的であることが評価される世界では、待つという受け身な行為はより嫌煙されるのかもしれません。

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実際待ってみたけれど

私はフランスに留学してから、待たされるということを何度も体験しました。ストライキ大国のため、夏の時期は何度も電車を何時間も待つことになりました。それに関しては予定をゆるく組んでおけば良いのであまり気になりませんでしたが、通常時でも色々なものが少しだけスローだったと覚えています。

《フランスの寮があまりにもポンコツだった話》で詳しく話したのですが、フランスで滞在していたのが古い学生寮だったため、水道や電気、ガスといったライフラインが止まってしまうことが頻繁にありました。そのような時は、寮長が治すことのできる業者に電話するのですが、日本と違ってすぐにきてくれるとは限りません。特に日曜日だったり遅めの夕方だったりすると、家族と食事をしているなどの理由で「明日行くまで待っててね」という返事をもらいます。

最初の頃は驚いたのですが、冷静に考えるとそのお仕事をしている人がゆっくりと休める時間を確保できていることにホッとするようになりました。正直、その日中は不便な生活をすることになります。それでも、誰かを駆り出すよりも、少しだけ長く待つ方がいいかなと感じました。

もちろん、命に関わることやどうしても急いで行われなければならないことも世の中にはたくさんあると思います。それでも、それ以外の、例えばレジの列が進むのが遅いことだったりに関しては、たおやかな姿勢で待つことができる人が増えれば少しだけ優しい世界になるのかなと甘い夢を見ています。

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おわりに

私は自分がスピード感を持った行動が得意ではないので、待つことは比較的得意です。それでも状況や気分によって少しだけイライラしてしまう時、相手側の状況に思いを馳せて待つことができればと思います。


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