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鉄道と高速バス。「競合」から「棲み分け・結節・連携」に向かってほしい

※この記事は、私が以前パワーポイントでスライドを創っていたものを再加工したうえで投稿します。

記事本文

「鉄道と高速バス」というと競合関係で捉えられがちですが、実際に高速バスに乗ってみると「本当に競合関係だけで捉えて良いのか?」と思いました。今回はこの問題意識について書いて参ります。

一つ具体的な地域を挙げて考察してみます。

福岡県の福岡市~北九州市間の在来線(特急)と高速バスを例に出してみました。なお、画像中にも書いたとおり、この記事ではあえて「新幹線」を割愛したことをご了承ください。

赤色はJR九州在来線特急の運行経路・緑色は西鉄高速バス福岡~北九州間路線の内「なかたに号」という路線系統を描いています。

こうしてみると、鉄道と高速バスでは経路、つまり経由地が異なっていることが分かります。

(旅客)鉄道と高速バスは必ずしも「競合」するだけの関係だけでなく、一定の「棲み分け」をしている関係性もあると感じます。経由地が異なるため、鉄道が対応出来る地域・高速バスが対応できる地域と分かれています。

このことから、(旅客)鉄道と高速バス単に競合だけで考えるのではなく、むしろ棲み分けや連携・相互補完などお互いに協力し合うような関係性も築ける可能性もあるのではと思いました。

↑の画像では、先程例に挙げた西鉄高速バス福岡市~北九州市間運行路線も経由し停車する直方パーキングエリアを採り上げました。すぐ近くにJR筑豊本線とその路線の駅である筑前植木駅があります。しかし、お互いに離れた場所にあり、乗り換え拠点として機能していないです。


画像のように、直方パーキングエリアバス停と筑前植木駅を同じ箇所に移設すれば、高速バスと鉄道という、交通機関の垣根を越えた接続や乗り換えが出来るようになり、各交通機関単独では移動範囲が限られていたのも広がります
なお、同じ箇所に山陽新幹線もあるので、山陽新幹線にも新駅を造ると良いのではと考えたこともありました。ですが、高速バス(停)は新幹線よりも在来線駅との接続のほうが、「相性が合う」ような気がします。なぜなら、新幹線は基本的に長距離を移動する交通機関であること、高速バスの表定速度は在来線並みであるからです。


九州自動車道直方パーキングエリアとJR筑豊本線筑前植木駅以外にも、高速道路と鉄道が交差している箇所はあるでしょう。
この記事を読んでくださった方は、もしよければご自身が知っている鉄道路線・高速バス路線に当てはめ、高速バス(停)と鉄道の間で乗り継ぎできそうな場所はないか探してみていただけませんか。沢山あると思います。

注意:
高速道路は「インターチェンジ」のことではありません。ここで想定しているのは高速道路と鉄軌道が交差している箇所のことです(下図参照)

なお、今回は説明できませんでしたが、
高速道路インターチェンジと鉄道との結節は、物流面で必要だと考えます。
インターチェンジそばに鉄道貨物駅を併設することで自動車物流と鉄道物流の連携や効率化を図る


おわりに

政治・交通行政・交通事業者、そして一般の方まで、
公共交通機関全体の利便性向上と発展という観点で交通体系を考えてほしい
です。
そのため、道路整備やバスに頼るばかりではなく必要に応じて廃止・未成鉄道の復活整備も行なう交通政策も必要だと考えます。
間違っても、
「高速バスがあるから鉄道はもう要らない」などと考えてほしくないです。高速バスも必ずしも経営が芳しいわけでは無いようです。
鉄道も高速バスも棲み分け・連携し、お互いに補完し合うような関係性
こそ公共交通機関を維持していくために必要な手法や方策だと考えます。


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