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羽越新幹線・奥羽新幹線ルート案(2024年時点、中速新幹線的整備案等含む)


はじめに

私は2021年にも羽越新幹線・奥羽新幹線に関するルート案、それに付随する様々な考えを描き投稿しました↓

しかし、
・複数の記事に分けて書いてしまい記事構成が複雑になり、主張内容も重複してしまった
・一般的には突飛だと思われかねない整備案等も書き(描き)、なぜそのように考えたかの説明も上手く出来ていなかった恐れがある

などの反省点を感じ続けていました。

2024年には四国新幹線山陰新幹線・中国横断新幹線に関するルート案も描き直したこともあり、その流れで今回、羽越新幹線・奥羽新幹線に関するルート案も描き直そうと思いました。記事構成の複雑化を避けるため、この記事1本で仕上げます。

【今からでも新幹線整備が必要だと考える理由】

個別具体的なルート案を申し上げる前に私がなぜ全国的な新幹線整備は必要だと考えているかについて申し上げます。これについては以前投稿した以下の記事で申し上げています。

この記事で改めてその理由や考え方を簡潔に申し上げるならば

・既存交通網との接続により、在来線なども含めた交通網全体の機能強化
→人々の全国的な交通権(移動の機会)が確保されてほしい、という願いも込めています
・人や物の移動所要時間大幅短縮による経済的生産性の飛躍的向上、それによる経済活性化→税収増加を図り 医療 福祉 教育 その他各種政策財源の確保
・全国的な交流促進による地方格差是正
・天災人災に備えた迂回交通路形成

などの理由が挙げられます。

そして、
特に羽越新幹線・奥羽新幹線など日本海側の路線は日本海側と太平洋側双方で高速鉄道網を整備し、全国的に交通網の迂回予備機能(リダンダンシー機能)を確保しておく必要からも新幹線網を整備する意義があります天災・人災に対しソフト面に加えハード面からの対策整備も疎かにしない

また、
山形新幹線(←これは鉄道では「在来線」として扱われています)など在来線で頻発する風雪害への対策強化、つまり主要地域間を結ぶ列車の遅延や運休を減らすためにも新幹線整備の必要性があると考えます。

なお、念のため申し上げておくと、
私は単に新幹線だけを整備して活用すれば良いと思っているわけではないです(特定の交通機関だけで考えない)。

在来線との接続で新幹線と在来線の両方を活かす活用法が重要

だと考えています。また、この考え方の延長線として鉄道網と地方航空網の接続・連携を図ることで交通機関全体を再生・維持活性化を図り、交通の利便性向上を通じた地方格差是正を図っていくのが良いと考えました↓

従って、私の考える新幹線整備は鉄道の空港経由を前提としたものになります。既存の交通網を紐付けていくことも新幹線整備を進めるべき意義だと考えています。

【全体を通しての概要説明】

新幹線ルート案を考えるにあたり、前提となる考え方を前もって申し上げます。

【そもそもなぜ新幹線ルート案を描き続けているのか?】

前述した新幹線整備の必要性を踏まえ、私なりに考えたり体感したりしてきたことを新幹線整備ルート案という形で描くことで今後少しでも早く円滑にルート案がまとまり、早期の新幹線整備・開業につながってほしい。そういう想いや願いから描いています。

【ルート案(線路や駅の位置など)を選ぶ際に重視して考えたことは?】

1・地域内格差や対立を最小限に抑えられるようになってほしい

2・「1・」の考えに基づき、新幹線駅が設置できない地域や駅には在来線普通の増便や必要に応じて在来線特急・快速等の並行運行で補うことも重要になる
(今回のルート案画像では既存在来線の主要駅を充分に記載出来ず申し訳ございません。それでも新幹線と在来線の接続改善や連携強化を念頭に置いてご覧頂けますと幸いです)

3・全国的な経済・人的交流を図り人々の移動の自由(全国的な交通権)を確保する観点からも、地方空港も新幹線ルートに組み込む
→新幹線が沿線の在来線と地方空港に接続していくような経路で整備していく

4・その他ルート選定にあたって考えたことは各地域の詳細説明で申し上げる予定です

【路線延長が長い新幹線路線だが一気に建設・開業できるのか?】

素人考えでも一度に全ての区間を建設・開業させるのは現実的ではないと考えています。本当はできるだけ早期に全区間開業して欲しいのですが・・・
そのため、
複線フル規格新幹線(言わば「一般的な新幹線」)をまとまった区間で一気に建設していく
という整備手法だけにこだわるのではなく、今から申し上げる
・新幹線の段階的な整備
・新幹線と在来線の並列
・中速新幹線
といった手法も織り交ぜて整備するのが良いと考えました。以下にその考えの説明をします。

(1・新幹線の段階的な整備)

局所的な新線建設(フル規格新幹線の複線以上に対応した構造物の建設)を行ない、その区間に暫定的に在来線の線路を単線で敷く
ある程度まとまった区間が完成した時点でフル規格新幹線の線路(標準軌で在来線よりも大型車両対応)を敷き、既存の新幹線車両が走れるように線路を切り替えていく、
という手法

※以下に掲げる6枚の画像でそのイメージをお伝えします


(2・新幹線と在来線の並列)

在来線に概ね沿って標準軌新幹線の線路を単線で敷設し、「在来線と新幹線の単線並列」という方法も採り入れる
そのイメージ図を下に掲載します

「並列」という方法は秋田新幹線秋田ー大曲で使われていますが、秋田新幹線の新幹線車両の大きさは在来線並みです。私が考え申し上げているのは在来線にフル規格新幹線の車両(在来線車両よりも車体が大きいもの)が走れるようにする手法です


(3・中速新幹線)

私が「中速新幹線」という考え方を知ったきっかけは失礼ながら単純なもので、「『高速鉄道』があるなら『中速鉄道』というのはないのかな?」という半ば興味本位で検索したことでした。

その「中速新幹線」の上記リンクを拝見しましたが、私の解釈が正しければ使う線路幅は新幹線と同じ標準軌、車両の大きさは在来線並みの大きさで想定されているようです。
日本の今のJRの鉄道は

・狭軌で新幹線よりも小型の車両(在来線)
・標準軌で在来線よりも大型の車両(新幹線)

大きく分けて二つの規格で使い分けられています
このことが新幹線整備をする際に
「フル規格新幹線」を一(いち)から全て造らないといけなくなったり
ミニ新幹線のように改軌工事をしないといけなくなったりする必要が生じる。
これが新幹線整備を難しくしている本質的かつ根本的な要因のようにも思います。
つまり、既存の在来線も活用しつつ局所的・段階的な整備を積み重ねて高速鉄道網を形成するという考え方に基づいた手法が採用されなくなる。

この、車両や線路の規格の違いという要素について考えると、あくまで素人考えではありますが、
新幹線で使う線路幅は走行性能などの要因から標準軌にする必要があると思われます。ですが、車両の大きさは
もし、
「在来線貨物列車の車両では貨車の規格が小さすぎて運べないような『超大型な貨物』を運ぶ必要性は今後もなく、貨物輸送においては今までの在来線規格の貨車でも対応できる」
とするならば、
必ずしも現在用いられている新幹線の大型な規格の車両を使い続けていく必要はないと思いました。(条件が整った場合に限りますが)新幹線の旅客用車両も在来線並みの大きさに揃えていく。旅客は基本的に自分で動けるので新幹線の大きい車両、在来線の小さい車両の両方に対応できるからです。
なお、
ここで貨物輸送のことも混ぜて考えたのはなぜかというと、線路や車両規格などの方向性を考える上では旅客輸送と貨物輸送の両方を想定する必要があると考えたからです。つまり、在来線に加え新幹線でも貨物輸送を行なっていくのかどうかも踏まえて考える必要がある。

「中速新幹線」が採用されるための最大の鍵は
・貨物を含めたJR各社が今後も新幹線と在来線の二種類の規格を使い分け続けていくのか

・貨物列車は今後も在来線を使い続けていくか新幹線も活用するか

・例えば新幹線の車両大きさを在来線並みに合わせ、一部区間で在来線の設備も併用するような方法を採りやすくするのか

といった二種類の線路・車両規格のあり方や使い方に関する大まかな方向性の意思統一をしていくことだと思いました。
現在は地域などによって鉄道の運営会社が分かれていますが日本の国家全体的に見た場合、インフラの規格統一は国家運営や経済社会活動の円滑化にとって重要な要素だからです。特に貨物列車は今でも九州から北海道まで直通するような運行もあるようで、インフラの規格統一のあり方の方向性をJR各社で意思統一する重要性があると思います。

(2024年11月16日土曜日追記)余談ですが、
貨物列車の所要時間短縮は鉄道貨物の商品価値向上に直結し、運賃単価向上などをもたらすのでは?と考えます。
個人的には旅客鉄道と貨物鉄道の両方が発展し有効活用されてほしいと思っています。また、私は列車を利用する際、旅客鉄道会社に払った運賃が鉄道貨物の発展にも使われたら良いなと思います(その逆、鉄道貨物の運賃が旅客鉄道の維持発展に使われるのもあり)。
私の自宅のそばに線路がありますが貨物列車を見る度に上記の意味で「(旅客)特急列車よりも速く走れるようになってほしいなあ・・・」とすら思います。
そして、例えば
北海道からの農産物が九州に届くのが1日早くなればより新鮮な食材を買える
通販を使う際、関東地方が拠点のお店を利用する際、商品到着がより早くなりつつもトラック等の運転手への負担は大きくならなくて済むかもしれない・・・
こういったことを考えたりもしました。

長々書いてしまったり話が鉄道貨物に逸れたりしたので私の伝えたいことが分かりにくかったと思います。
「中速新幹線」に関して考えたことをまとめると、お伝えしたいのは以下の2点です。

1・
「新幹線と在来線では車両や線路の規格が異なる」という根本的な要因も新幹線整備を進める上で足かせになっているのではないか?

2・
貨物含めたJR各社が
●新幹線と在来線の車両・線路規格についてどう取り扱っていくか
●貨物列車は新幹線も活用するのか 今後も在来線のみを利用し続けるのか
●新幹線の車両大きさを将来的には在来線の小さい物に合わせていくか(あるいは逆に在来線全般を標準軌にしたり車両を新幹線の大きな物に合わせたりしていくのも一つの方向性だと思う)
ということに関する方向性をまとめることが、今後鉄道網が積極的に整備・利活用されていく上で重要になるかもしれない

上記のように考えたため、新幹線整備の進め方の一つとして「中速新幹線」という方法も採り入れて良いのではと考えました。

【新幹線ルート案全体像】

ルート案の説明の前に前置き説明が大変長くなってしまい申し訳ございませんでした。これより具体的なルート案にも触れて参ります。

この画像からお伝えしたいことを申し上げます。
1・
全体的には概ねこのあたりに線路を通す想定をしてみました、という説明をしたい

2・
その地域内だけでなく全体を見渡す俯瞰的な観点を伝えたい
※全国的な交通網整備なのでそのような観点を持つことが重要です

3・
羽越新幹線と奥羽新幹線共に二通りのルート案で描いた箇所があります。個人的に一つのルートに絞り込められなかった箇所です。どうして二通りのルート案を描いたかは各地域の詳細で説明したいです。

【線路の描き方に関する説明】

区間によって複線フル規格区間や在来線に新幹線の線路を並列する区間など、様々な整備手法を織り交ぜる想定をしました。そのため、あらかじめ凡例図を用意します。


【各地域の具体的な説明】


【羽越新幹線 新青森-秋田付近】

画像内にもこの地域の経路案(ルート案)における要点を書きました。
・複線フル規格で整備する区間
・在来線の線路上に在来線と新幹線の線路を並列する区間 または 中速新幹線として整備する区間

を織り交ぜた整備をするのが良いのではと考えました。

そう考えた理由は画像内に掲載していますが、補足的に説明するならば
・在来線と新幹線の両立運営が出来るようにする(並行在来線問題を極力発生させない)。そうすることで新幹線と在来線双方の利便性を高め、運賃面でも一体的な鉄道活用を促進する
・新幹線整備事業費の効率化や工期短縮を図るため

【その他の説明】
新黒石駅(弘南鉄道境松駅)への駅設置はJR以外の鉄道も含めた鉄道網同士の接続強化を図る観点から

弘前駅への新幹線乗り入れには複線フル規格での乗り入れではなく在来線並列または中速新幹線での整備で考えたのは、繰り返し申し上げているとおり事業費の効率化と工期短縮の観点から

大鰐温泉・大館・東能代・追分駅への新幹線駅設置は在来線やJR以外の鉄道との接続で鉄道網全体の維持・発展・活用が図られてほしいから

大館能代空港も経由して欲しいのでこの前後の区間は複線フル規格。出来れば秋田内陸縦貫鉄道も大館空港に乗り入れてほしいと思う(鉄道網の積極活用と交通網全般の利便性強化によって地方や経済全体の活性化を図る見地から)

なお、画像中でも申し上げましたが、羽越新幹線・奥羽新幹線開業後の「秋田新幹線」は日本海側と太平洋側を結ぶ連絡路線として優等列車等の運行が図られてほしいです。

【羽越新幹線秋田-庄内空港付近・奥羽新幹線秋田-山形付近】

今回の記事の画像は特に大きいし、更にはその画像中も書き込みが多くなりすぎてしまいました。お伝えしたいことは基本的に画像内で考え方を説明した通りです。
なお、一番の特徴は奥羽新幹線のルート案です。二通り考えました。
一つは
秋田空港と羽後本荘・矢島を経由する羽越新幹線と奥羽新幹線の共同利用区間を多く取る案
もう一つは
大曲・横手など奥羽本線に並列する案
です。
一般的には奥羽本線に沿うルートで奥羽新幹線は想定されると思われますが、私は秋田空港や羽後本荘・矢島も経由するルート案を主に考えました現在の鉄道網が捉え切れていない地域も拾えるので、新規の鉄道整備による公共事業の波及効果がより広い地域に行き渡り、事業の意義が高まると考えているからです。
ですが、大曲や横手など奥羽本線に沿う経路で奥羽新幹線を整備する場合、在来線並列または中速新幹線などの手法を中心に行ない事業費を効率化するのも一つの考え方だと思います。

また、画像中に記載したことですが、岩手県の花巻空港付近は交通インフラが近接しています。それぞれの交通インフラを接続・連携できるような再整備が行なわれると人流・物流共に時間的生産性が高まることによって経済的発展が期待できます。
このような交通インフラ全体の積極整備活用により税収増加が図られ、
医療・福祉・介護・教育など、各種政策に必要な財源確保にもつなげていくようにする。


【羽越新幹線庄内空港-新潟付近・奥羽新幹線新庄-福島付近】

この範囲におけるルート案において特徴的なものとして、
・新潟-村上間を在来線並列または中速新幹線で想定したこと
 →比較的都市化している箇所もあり、工期短縮や事業費効率化の観点から

・山形-米沢間の経路を奥羽本線に沿うものでは無く山形鉄道寄りにし、荒砥ー山形間を新幹線で繋げるものにしたこと
→新幹線による擬似的な鉄道網接続と、米坂線や仙山線なども活用した新潟ー山形ー仙台間、つまり甲信越地方と東北地方の東西間の交流促進を引き出す狙いから
が挙げられます。
この地域に限りませんが、新幹線整備と併せた接続する在来線網の積極的活用も図られるようになってほしいです。

奥羽新幹線と関連して「山形新幹線」について、
山形新幹線によって在来線の線路が標準軌にされてしまい、従来からの狭軌在来線車両の通行ができなくなる問題も起きています。
新庄ー山形ー赤湯ー米沢ー福島間の線路は標準軌新幹線と狭軌の在来線の両方が走れるようにされてほしいと思います。


【羽越新幹線新潟-新潟空港 ・ 直江津及び上越妙高付近ー長岡】

個人的には、
当初は上越妙高ー浦佐間を結ぶ内陸ルートで建設するのが良いという考えで居ました。ですが、この地域(北陸新幹線と上越新幹線を結ぶ区間)のルート案を考えるうちに、

糸魚川・直江津ー柏崎ー長岡間の経路で
複線フル規格新線 と 在来線並列または中速新幹線 を織り交ぜて整備するのが良いのでは
と思うようになりました。
上記の画像で描いた柏崎経由案では、線形が悪く海岸に沿っている箇所を中心に新線建設し、残りの区間は在来線設備や敷地も活用するようにすれば工期短縮や事業費の効率化をしやすくなると思ったからです。
また、今回考えた柏崎経由案ならば在来線敷地や設備も活用するのでこれまでの新幹線整備で問題になってきた並行在来線問題が起きにくくなるかもしれないと考えます。

新幹線整備に関して在来線が「犠牲」になるから新幹線整備に否定的になる、そんな意見は沢山見ますし、私だって新幹線のために在来線が「犠牲」になるのは残念に思います。だからといって在来線ばかりにこだわっていると鉄道全体が停滞し衰退していっているようにも見える。これまで何度も繰り返し申し上げた通り、新幹線も在来線も両方活かす考え方を持ち、その方法を見いだすことが重要だと思えてなりません。


おわりに

本来は
全路線的に段階的な整備順序の想定例を描いてみようとも思っていましたが、これは恐れ入りますがこの記事の投稿時点(2024年11月14日木曜日)では割愛します。この記事作成に手間取ってしまい制作期間が当初の想定以上に伸びたためです。
もし今後追記したり編集したりすることが可能な場合は行ないたいと思っています。

私が考えたことを単に否定して終わるのではなく、より良い方法策を考える上での足がかりにされてほしい・・・
交通インフラの再整備を通じた地方格差是正や、地方間での人的・経済的交流の促進が図られるような公共事業や交通政策が執られるようになってほしい。
そのための何らかの問題提起につながることを願い投稿する次第です。

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