見出し画像

【病気】入院中の生活サイクル

遅く訪れた梅雨の長雨も落ちつき、最近は朝と夕に日光を浴びるのが日課になっている。
といっても談話室の窓越しだが、それでも太陽の光というのは心身ともに安らぐものである。
退院したら、ベランダに椅子と小さいテーブル、観葉植物くらい置いてもいいかもしれない。

現在の病状

今日で入院26日目。
体の痛みはほぼ全てなくなり、見た目も「痛々しい肌」から「荒れている肌」くらいには落ち着き始めている。
担当医さんや看護師さんからも、見るからに回復しているとのお言葉をいただけた。
このペースならあと2週間ほどで退院も視野に入るらしい。

私の病気、落葉状天疱瘡は「抗デスモグレイン抗体」なるものが血中で異常増殖し、それが自身の健常な組織を攻撃することで、肌に傷や腫れが大量に発生するというものだ。
具体的な数値の話をすると、血液1mℓに対し、20未満が正常値。
この数値が、病気が発覚したときには250、入院時には1,000を超えていた
(ただし検査でも測定できるのは1,000が上限らしく、実際には1,500や2,000の可能性もある。)
いずれにせよ明らかな異常値で、これを正常値まで減らすことが目下の目標だ。
それが昨日の時点で最新の検査結果(採血は先週)が出て、なんとか400まで減少していた。
仮に入院時が1,000ちょうどだったとしても、半分以下まで減っている。
正常値まではまだ時間はかかるが、それでもしっかりと数値で回復がわかると少しは気が休まってくれる。
このペースで油断せず、健康な肉体を目指したい。

そのための入院生活なのだが、今回は私の1日の生活サイクルを紹介したいと思う。
例によってかなりの長文になっているが、申し訳ない。
病院によって様々な方針やシステムの違いはあるだろうが、誰かしらの役に立てれば幸いだ。

朝6時、起床

朝の6時、看護師さんが部屋の灯りを点けて回る。
各ベッドごとにスペース全体を囲むカーテンはあるが、大部屋自体の窓のブラインドは開けたままなので部屋全体も朝日で明るい。
そのまま寝ていても構わないのだが、さすがに一度は目が覚める。
私の場合は投薬の副作用で眠りが浅く、6時前に目が覚めることもあるため、この時間帯はゲームをして頭がはっきりするのを待つことが多い。

朝はメトロイドドレッドをプレイしている
以前ノーマルでクリアしているので今回はハードで挑戦中だが、
ラスボスを残すのみになってしまった

7時過ぎ、血糖値測定1度目

7時過ぎ、看護師さんが訪問。
まずは血糖値測定だ。
ステロイドの投与は血糖値が上がりやすくなるらしく、これも管理しておかないと治療に影響が出てしまう。
指先の少量の血液を採取、測定して値が150未満ならセーフ、超えればインスリンを打たれてしまうため、食事前の過度な間食は厳禁だ。
入院当初、一度だけ15時くらいに饅頭1ヶとクッキーを1袋食べたら、血糖値が250なんて数値になってしまって軽く怒られてしまった。
40歳にもなっておやつの食べ過ぎで怒られるのは、なんとも恥ずかしいものである。

8時、朝食

8時になると朝食が運ばれてくる。
米とパンが選べるのだが、私は米にしている。
やはり白米の満足感に勝るものはない
パンは間食でも食べられるし
病院食は量は少々軽めで薄味だが、充分美味しいと言える味なのは本当に有難い。
1日の最初の楽しみである。

食事が終わると、朝の薬。
私の投薬は朝がメインなので、このタイミングで10錠超の錠剤を飲んでいる。
逆に昼と夜は少ない。

その後、それが可能な患者はお膳を自分で配膳台まで持っていって片付ける。
歩けないなど困難な場合は取りに来てくれるので、その場合も安心だ。
慈愛に溢れている。

当日のシャワーを予約

そしてそのままナースステーションへ行き、今日のシャワーを予約する。
原則として30分枠なのだが、私の場合はシャワー後に顔含む全身に軟膏を塗らなければならいため、どうしても30分では収まりきれず2枠貰っている。
とはいえ実は、最近は35分くらいで済んでいる。
入院時はシャワー自体も困難なため1時間丸々かかっていたので、大きな進歩と言えるだろう。

9時、体調測定

9時過ぎに看護師さんが訪れ、体温と血圧が測定、体調の確認が行われる。
看護師さんのシフトが入れ替わるタイミングでもあり、本日の昼担当の挨拶も兼ねている。
貴重なお喋りタイムでもある。

朝の筋トレ

測定後は自主的に30分程度、ラジオ体操と筋トレの時間にしている。
なにせ入院中は運動量が極端に減るし、退院する時期は夏真っただ中の猛暑なのだ。
放っておいても痩せはするかもしれないが、体力が減りすぎてその後の生活が不安過ぎるので、危機感を持って続けている。

ゴミ回収

入院生活とはいえ、多かれ少なかれゴミは出る。
これも毎日、清掃員さんが回収に来てくれる。
紙屑、Amazonの段ボール、空いた小瓶なんでもござれだ。
おかげでゴミ箱がいっぱいになることはない。

担当医の診察

だいたい10時過ぎに、担当医さんが診察で各病室を回ってくる。
不安があることに関しての質問などにもしっかりと答えてくれるので、とても安心できる。
相当数の患者を担当しているだろうに、その知識量、記憶力、また人間性には尊敬の念を禁じ得ない。

血糖値測定2度目

11時過ぎ、再び血糖値測定。
各食事前に必ず測られてしまうため、間食の種類とタイミングをいかに攻略するかを楽しみにしているのはここだけの秘密だ。
おススメは無糖クッキー。
血糖値が上がりにくく満足感があり、なにより意外と美味しい。
ダイエットしたい方にもおすすめしたい。

言われなければ無糖とわからないくらい美味しい
多分退院してからも買う

11時半、清掃

ゴミ回収をしてくれた清掃員さん、再度登場。
今度はモップ掛けだ。
各部屋、ベッドの足元を丁寧に拭いてくれるのだ。
病室の清潔さは、清掃員さんのお陰で保たれている。
縁の下の力持ちとは、このことだ。

ここまで書いて思ったが、午前めっちゃ忙しいな。
患者がというより、各部署のまずやることが午前に集中しているんだろう。
担当医さん、看護師さん、薬剤師さん、病院調理師さん、清掃員さん、他それぞれが役割を全うすることで、病院としての機能が完成する。
頭ではわかっているが、やはり目にすると感じ方は変わるものである。

12時、昼食

12時になると昼食が配膳される。
本日のメニューはこちら。
見るからに健康的だ。

今回は量が多いほう
根菜は食べ応えがあって満足度が高い

私はこれに、ふりかけやちょっと総菜を足している。

主菜に合う、もしくはその日の気分で選ぶ
ちょっとワクワクする瞬間だ

仕事の時間

食後は朝と同じくお膳を片付けるのだが、そこからしばらくは病院側からの訪問はない。
自由に過ごせるわけだが、最近の午後はだいたいデスクワークを行っている。

椅子を借りたところ、ちょっとしたオフィスデスクが仕上がってしまった
想定以上に快適に仕事ができている
看護師さんに、来るたびになんか増えてるって言われた

バルーンだけでなく在宅ワークも持っていて本当によかった。
適度な仕事は、外界と繋がってる感覚を持てて心の健康にいい。
ちゃんと休むときは休みますがね。

14時、移動売店

平日は14時頃、移動売店が病室前までやってくる。
院内コンビニとは違うラインナップのため、何か面白いものがないか探すのがとても楽しみだ。
また同じ病室の患者さんも集まるので、ちょっとした患者同士の語らいの時間でもある。
私は自由に歩けるのでいいのだが、同室の患者さんは足の怪我らしく院内コンビニまでは移動ができない。
そういった患者さんにとっては私以上に有意義な時間だと思う。

所狭しと商品が搭載されたワゴン
裏側には綿棒や電池などの雑貨もある
そこで見つけた推しクラッカー
初めて食べたがめっちゃ美味い

シャワータイム

午前に予約したシャワーの時間に合わせて、ナースステーションでドライヤーをレンタルする。
入院当初は「コムクロシャンプー」という、医療用シャンプーを処方されていた。
頭皮の菌を殺すシャンプーなのだが、これの用法がちょっと変わっている。
シャンプーを適量、頭皮全体に広げたあと15分ほど放置するのだ。
その後水分を与えて普通にシャンプーとして使うわけだが、ここでドライヤーレンタルを忘れているとちょっとめんどくさいことになる。
頭にシャンプーを広げ、中途半端なオールバックになった状態でナースステーションまで行かなければならない。
ちょっと恥ずかしい。
二度ほどやってしまった。

現在はそのシャンプーの処方も終わり、シャワー自体は何の問題なく浴びられている。
コムクロ含め1時間強かかっていたシャワー+軟膏塗布も、今は30分ちょっと。
タイムアタックをしているわけではないが、早く30分を切りたいものだ。

シャワー後の軟膏塗布なのだが、実は問題がある。
背中に軟膏を塗るのが、非常に難しいのだ。
自宅療養のときは、最初は頑張って手を背中に伸ばしていたのだがさすがに範囲に限界があるし、何より心身ともに疲れてしまう。
薬局で軟膏用孫の手を購入してから少しはマシになったが、それでも思い通りに塗れているとは言い難い。

しかし有難いことに、入院中は看護師さんが背中の軟膏は塗ってくれることになった。
本当に本当に有難い。
背中は、自分だけでは触れるのも見るのも困難な部位だ。
そこに看護師さんのサポートが入ることで、軟膏は満遍なく塗れる、状態も教えてくれると安心感が段違いなのだ。
振り返ってみても、ここのストレスがなくなったのは大きい。

バルーンアート作成

最近はシャワー後の時間に、1日1個バルーンアートを作るようにしている。
自身のリハビリと、小児科へのボランティアを兼ねている。
おまけとして、看護師さん達の楽しみにもなっているらしい。
作るときにどうしても音が鳴ってしまうので同室の方には少々申し訳ないが、逆に言えばそれ以外はみんな嬉しいのだから良しとしよう。

小児科に渡される前に、一度ナースステーションに飾られる
配膳のときに栄養士さんに感想言ってもらえたときはビックリした
嬉しい

洗濯

生活をすると当然、洗濯ものが溜まっていくので3日に1度くらいのペースで洗濯をする。
前述の通り私は自力で生活ができるので、自分で洗濯&乾燥を行わなければならない。
大体はシャワー後に、その日に使ったタオルまで一気に洗濯している。

地味に面倒なのが、柔軟剤の投入タイミング。
洗濯機はシンプルなタイプなので、すすぎが始まる時間を見計らって一時停止しなければならない。
この一時停止だが、残り13~9分の時間帯を狙えと洗濯機側から明確な指定がある。
スマホのタイマーを頼りに柔軟剤投入に成功したら、今度は約10分後に乾燥機へ洗濯物を移す。
40分使えるのだが、微妙に、本当に微妙にだが湿っていることがあるので私は2回乾燥することにしている。
ちなみにこの辺りは有料で、それぞれ100円がかかる。
洗濯1,乾燥2で300円。
乾燥を1回にするか、入院以来ずっと悩んでいる。

お見舞い

お見舞いや通話は、日中に談話室で行う。
談話室自体は6時~21時まで使えるので通話もその時間中可能なのだが、お見舞いは13~18時の間だけ可能だ。
有難いことに親族、友人が定期的に会いに来てくれる。
近況や退院後の話をするだけで、癒されるものだ。
今の私は涙腺ゆるゆる決壊おじさんなので、誰が来ても時間中ずっと涙目になってしまう。
でもそれは、恥ずかしながらも心から嬉しいからなので隠す気はない。
退院したら、恩返しをせねば。

血糖値測定、三度目
17時頃になると、三度目の血糖値測定。
治療のために必要なのはもちろんだが、間食などの自制にも繋がるのでそういった意味でも有難い。
今となっては私も慣れたもので、サクッと完了だ。

夕食

18時には夕食が配膳される。
朝、昼よりは少し濃い目の主菜だ。
好物のキーマカレー(辛くはない)が出たこともあり、日々楽しみにしている。
というか、もしかして入院してからこっち、朝昼夜含めて主菜が被ったことはほとんどないのではなかろうか。
ゼロではないと思うが、バリエーションの豊かさは目を見張るものがある。

血糖値測定、4度目

20時前、4度目となる血糖値チェック。
さすがに夕食から時間がそんなに経っていないなので、判定は緩めだ。
あくまで就寝前に異常値でないかのチェックらしい。
ここまでしっかり管理してもらうと、私自身の健康への意識も上がるというものである。
間食もするにはするが空腹時に軽く埋める程度に抑えるし、高カロリーなものも極力控えている。
(数日に一度、メンタル的にきつい日だけはチートデイにしている)
退院後もここまではなくても、ある程度意識は保ち続けたいと思う。
思うが、果たして。
それは未来の私しか知らない。

夜の筋トレ

20時、夜の筋トレタイム。
入院した1週間後、6/19から続けている。
胃痛とメンタル落ちで2日ほど休みはしたが、退院後のことを考えると止めるわけにはいかない。
ちなみにメニューだが、ざっくり以下の内容だ。

スクワット30
ダンベル5種、各両腕30ずつ
プランク3種、各30秒ずつ
足上げ腹筋30秒
腰捻り腹筋30回(15往復)

開始当初は回数もメニューも少なかったが、徐々に負荷を上げ今に至る。
これにも少し慣れ始めたので、来週に負荷を上げるか検討中だ。
普通の腕立てや腹筋もやってみたのだが、あれはどうしても力む声が出てしまうので没にした。
同室の方々に申し訳ない。
お読みの方で、静かにかつ効率的にできる筋トレをご存じであれば、ぜひご教示願いたい。
特に腹筋。
打倒腹の肉。

消灯

21時を過ぎると、問答無用で病室の照明を落とされる。
基本的には、この時間で就寝を促されるわけだ。
素直に寝られるのであれば、それが一番いいのだろう。
消灯後は1~2時間起きに看護師さんの巡回があり、患者さんに異常がないかを確認している。
つまり、起きていればすぐバレてしまう。

しかし現実的に考えて、寝るにはちょっと早すぎる時間だ。
入院前は、消灯後はスマホくらいしか触れないのだろうと思っていた。
一番退屈な時間になるのかもしれないと不安だったのだが、それは杞憂に終わった。
消灯後、思い切ってノートPCでゲームをしたみたのだが、看護師さんに見つかっても特に咎められることはなかった。
PCを触っている私を確認すると、軽く会釈だけで去っていったのだ。
どうやら巡回は異常の確認が主であり、就寝は各自に委ねている模様。
良かった。
それであれば、音にさえ気を付けておけば多少は自由に過ごせそうだ。
結果、消灯後の時間はRPGや、知人のゲーム配信を見ながらブログの執筆などに当てている。
とても楽しい。

0時、就寝

この病院は、患者用のWi-Fiが使える。
決して強いわけではないが、さりとて使えないほど弱いわけでもない。
とりあえずネットを使うだけなら問題がないのだが、ただ少々制限がある。
0時~6時までは完全に止まってしまうのだ。
つまり消灯後のネットも、0時で強制的に終わりとなってしまう。
そうなるとさすがに就寝しようかという気持ちになる。
ノートPCを閉じ、歯を磨き、ベッドへ横たわる。
そして、スマホのドラクエVを起動する私。
ここからは寝落ち寸前まで世界を救う旅の時間だ。
ドラクエのまったり感が、ちょうどいい塩梅に眠気を誘う。
全滅にだけ気をつけて、教会でおいのりして、神父のセリフと共に私の一日は終わりを告げるのだ。

この画面を見るまで、目を閉じるわけにはいかない

なんだかんだ充実した日々

自分でも信じられないのだが、今日までのブログで最長になってしまった。
無駄な文が多いことは自覚しているが、事実だし書いていて楽しいので仕方ない。
どうあっても病人であり自由に外出などできない分、日々を楽しく、そして正しく過ごそうとしている自分がいる。
それはそれで充実していると言っていいのかもしれない。
退院後はさすがに今よりは大雑把になるだろうが、それでもある程度はこの生活ペースは残したいものだ。
この感覚を忘れないようにしよう。

(おまけ)Wi-Fiに隠れた制限あり

ここから余談だが、同時に長期入院中にデスクワークを行いたい方への注意喚起だ。
どこの病院も同じとは限らないが、私の病院Wi-Fiはある制限がかかっている。

一つは、前述の時間。
これは深夜に使えないだけなので、そこまで気にする必要はないと思う。

問題は、病院Wi-Fiからは特定のサーバーへの接続が拒否されることである。
どれがと断定はできないのだが、いくつかのサーバー接続を拒否された。
以下がその例である。
①Steamゲーム内での、そのゲーム独自のクライアントサーバー
②Chromeのリモートコントロール(自宅PCへのリモート接続)
③仕事で使用する、企業用サーバー上のWebフォーム

①はゲームなので、出来ないなら仕方ないと割り切ればいい。
ただ②と③は、仕事をする上で致命傷になり得る。
私の場合はスマホのテザリングでなんとかなっているが、これも月50GBの制限があるため過信はできない。

また病室の位置によっては、Wi-Fiが非常に弱くなる場合もある。
病院側の都合で4日間だけ個室へ入るタイミングが合ったのだが、このときの回線速度はほぼ1Mbを割っていた
使い物にならない速度だ。
YouTubeすら満足に見られない。

入院中にどうしても安定したネット環境が必要な場合は、SoftbankAirのレンタルなどで対応したほうが無難だろう。
私は気づくのが遅く、少々後悔している。
在宅ワーク勢はぜひ心に留め置いていただきたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?