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#西行

すぎし日は幻 春の夢

すぎし日は幻 春の夢

津の国の 難波の春は 夢なれや 葦の枯葉に風渡るなり 

新古今和歌集

西行

 西行の歌で有名なもののひとつです。
 大阪出身の私としては、淀川河岸の葦は、元の湿地を開発したしめりけのある故郷の原風景です。
 そうか平安時代でも大阪は葦ある土地としてイメージされてたんだな。それと共に思い出したのは豊臣秀吉の辞世の和歌です。

露と落ち  露と消えにし  我が身かな  なにわのことも  夢のまた

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死と共に生き、そして生き抜く

死と共に生き、そして生き抜く

年たけて また越ゆべしと 思ひきやいのちなりけり 小夜の中山
新古今和歌集
西行

白洲正子の本「西行」を手にとった。そのとき、平清盛と同じ時代を生きた歌人、西行が唯一歌論を語ったのは明恵だったと知った。
中学生のころ新聞で同じ年ごろで「心朽ちたり」と墓場で自殺をはかったお坊様を知った。私も性に目覚めてからどんどん自分がコントロールできない混沌にとまどっていたけど、昔から悩んでいる人がいるんだと初

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