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【イベント設計】小山田圭吾問題にみる組織委員会の問題とイベント制作のポイント【業界ニュース】

昼でも夜でもおはようございます。
エンタメ業界ではたらくサラリーマンです。

今回は、小山田圭吾問題にみる組織委員会の問題とイベント制作のポイントというテーマで書いていきます。

オリンピック開催間近に起きた小山田圭吾問題を見て、ここまでのオリンピックの在り方を振りかえると、組織委員会はイベント実施に大事なポイントを押さえていないことが明らかになったように思います。

改めてイベントの在り方を考えさせられました。

ニュースを見るだけだと、単なるスキャンダルとして自分の問題とは遠く感じる人が多いと思いますが、15年以上エンタメ業界で仕事をしていて、イベントの企画制作でも似たようなこと起こるので、身近な問題として取り上げてみます。

共感してもらえたり、興味深いと思ってもらえたら、フォローしてください。

イベント設計の目的とメンバー選定の基準

イベントの目的を明確にすること

まず、どんなイベントでもイベントを行なう目的を一番最初に決めることが大切です。

目的というのは、企業であれば利益追求だと思ってしまいますが、この場合の目的というのは「イベントを実施することで達成できること」です。
「イベントから受け取ることが出来る価値」と言い換えてもいいかもしれません。

つまり「イベントが提供する価値」を明確にすること、これが全てのスタートになります。

例えば、夏フェスの場合です。

・目当てのバンドを観ること
・それ以外の興味のあるバンド知ること
・フェスの空間そのものを味わうこと

など、色々と提供している価値がありますよね?

イベントを企画するときに一番最初に考えることは、イベントを実施することによって得られる価値ある体験を提供することです。

イベント運営にとって、最も重要なことはメンバー選定

イベントの目的は定まりました。
次に大切なことは、それを実行することです。

イベントは時として大規模になります。
大規模なイベントを行なうときに、最も重要なことはメンバー選定です。

イベントの規模が大きくなると、一人や二人でこれを実施することは出来ません。

イベント運営は、実施日が決まっている以上、必ず期限の時点で出来上がっていなければなりません。
常に時間が足りないのです。

しかも、一つ一つのポジションに手間暇がかかり、専門知識も必要になります。
そのため、必ず担当セクションごとに責任者を決めていく必要があるのです。

この責任者を選ぶこと、つまりメンバー選定が、一番大切なことです。

メンバー選定の基準として、次の3つが重要なポイントです。

責任感
実行力
人柄

責任感
イベントは、信頼関係で成り立っています。
任されているポジションは、先に決めた目的に適う形で、自ら進んで責任を果たす必要があります。
責任感のない人では務まりません。

実行力
どんなに素晴らしいアイディアがあっても、それを実現させるように実行しなければ意味がありません。
イベントは、形にして初めて意味ががありますから、出てくるアイディアをどんどん実行していくだけの実行力が必要になります。

人柄
イベントでは、常にイレギュラーな事態が発生します。
簡単に解決できることもあれば、前提条件が覆ってしまう場合も多いです。
それでも、何かの形で実行しなければならないときに、強引に突破するにしても、トレードオフが必要になる場合でも、「あなたが言うなら仕方がない、協力しよう」と思ってもらえなければ進みません。
説得力と言い換えられるかもしれません。
人柄といっても、多くの要素が必要になるので、詳細の説明はまたの機会にします。

さて、イベントを実施するために必要なポイントを押さえて頂けたでしょうか?

その上で、今回の小山田圭吾辞任問題と、オリンピック組織委員会に照らしてみましょう。

小山田圭吾いじめ問題、組織委員会の関係者、相次ぐ辞任

【文章全文】五輪開会式の楽曲担当の小山田圭吾さん、学生時代のいじめを謝罪(東京新聞)

小山田圭吾は、過去に雑誌のインタビューで学生時代にいじめを行なっていたことを、まるで武勇伝のように書いていました。

オリンピック・パラリンピックの開催目的に照らして考えれば、人選として不適当です。

しかし、今回の問題はそこだけではなく、むしろ何故彼を選んだか?です。

本人に問題があることは前提として、過去に犯した過ちは消せませんし、本にもなっていることで、既に公表されている事実なわけです。

事前に把握できるはずのことでもありますし、もしかしたら任命の際にも彼のこの行為を知っていた人もいたかもしれません。
それでも何故彼を選んでしまったのか。

そもそも不適格な人選は、オリンピックが始まった当初からずっと続いていました。

・佐野研二郎:エンブレム盗作疑惑
・竹田恒和:召致不正疑惑
・森喜朗:女性蔑視発言
・佐々木宏:タレント侮辱発言
・小山田圭吾:過去のいじめ問題

これは単にチェックが漏れていたという話ではなく、そもそも任命する側に目的に合う人選について、明確な基準がなかったことが原因ではないでしょうか。

実力があるとかネームバリューがあるとか、実績が申し分ないとか、プラス要素があるからこそ、重要なポジションにエントリーされたとは思います。

オリンピックの目的と、メンバー選定の基準が、どちらも明確ではないからこそ、こうした問題が露呈しているのではないでしょうか。

オリンピック・パラリンピックの大会コンセプトに対する理解がないまま、利権だけが先行しているように映ってしまいます。

利権が目的になってしまっているので、利権に合わせた人選になってしまったように見えても仕方ありません。

どんな利権があるのかまではわかりませんが、少なくともオリンピックの目的にとって最適な人選にはなっていないのではないでしょうか。

日本のモラルが低下している、というか数十年前から向上していません。
世界標準ではありえないほど、日本はモラル後進国です。

障害者だけでなく、女性に対する差別も、根強く残っており、世界と比べて圧倒的に遅れています。

日本は、心の底からオリンピックを平和の祭典だと信じていたでしょうか?
コロナ禍でも開催するに当たって、オリンピックの目的を考え直したでしょうか?

そして、目的に合う形でメンバー選定をしたのでしょうか?

誰かの保身のために、しわ寄せが行ってないでしょうか。
選手がベストを尽くせる環境を整えるために、ベストを尽くしたでしょうか。

開催された後にオリンピックの目的が達成されるビジョンを明確に持っているでしょうか。

その答えは終わってから出ることになるでしょうが、その時に胸を張ってベストを尽くしたと言える関係者はどれくらいいるのか、どこかで発表されることを期待しています。

まとめ

歴史上もっとも難しい状況でのオリンピック開催ですから、選手や、本気で成功させようと思っているスタッフにとっては、本当に悔しい年だと思います。

イベント関係者は他人事でいられません。

気をつけておかないと、イベントを遂行するための判断基準が、当初の目的からズレていってしまうことがあるということです。

誰かの鶴の一声のためにやっていることはありませんか?
お客さんにとってベストと言えますか?
出演者にとってベストですか?
利益以外で、イベントが終わった後に残るものは何ですか?

冷静に客観的に判断できるようにしていきたいものです。

以上になります。
いかがでしょうか?

共感して頂けたり、興味を持ってもらえたら、フォローしてもらえると嬉しいです。

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