三千院(Sanzen-in)と建礼門院右京大夫集
建礼門院右京大夫集より。
〝今や夢昔や夢とまよはれていかに思へどうつつとぞなき(家集240)“
[歌] 今が夢なのでしょうか、昔が夢なのでしょうか。心は迷われて、どう思っても、現実という気がしません。
個人的な体験を書く。
私が、アンドリューヨークの三千院(Sanzen-In)に触発されて京都の三千院を訪れたのは2008年の夏だ。
かつて平家物語の舞台を生きた建礼門院徳子が隠遁した京都の寂光院。
冒頭の句が、建礼門院右京大夫集に残っている。
私が三千院に関心を持った持った契機は、アンドリューヨークのSanzen Inを好んで聴いていたことによる。
元々、ジャズギタリストで、ロサンゼルスでギターカルテットを率いていたという経歴を持つヨークが、寂光院と同じく、京都のはずれ、大原の三千院に、何故、かくもインスパイアされ、Sanzen-inという楽曲を書くに至ったか。
ギター好きの端くれとして、とても想像を掻き立てられるテーマだ。
私の中で、寂光院で、栄華を誇った平家の世を夢の様だと詠んだ建礼門院右京大夫集の世界と、ヨークのイマジネーションが、時代と場所をはるかに超えて出会ったような気がする。
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