Enthalpy

書くのが好きな「書く中毒」。

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最近の記事

朝刊の記事から。「著名人かたる投資詐欺」と「力道山の弟」(宮本輝、文春文庫)。

投資詐欺の話題が連日報道されている。 上記の記事に出てくる詐欺も驚くべき金額で、誰もが知っている著名人 をかたって、LINEに誘導するのがその主要な手口であるそうである。 宮本輝の小説に「力道山の弟」という小説がある。 「小説新潮1989年3月掲載」で、「真夏の犬」(文春文庫)所収である。 ある冬の日、当時スターであった力道山の弟を名乗る香具師の男が群衆の前で、「力道粉末」という粉薬を売っている。それを見た「青びょうたん」のような主人公の少年がその男の話を信じてしまうと

    • 朝刊の記事から考える。「悪意なき秘密漏洩に注意」。

      「悪意なき機密漏洩に注意」という記事が掲載されている。 転職者が前の会社の情報を持ち出してトラブルになるケース、法的な 問題になるケースについて述べている。 世間で大きく取り上げられたのは記事にもある「かっぱ寿司」の営業情報 持ち出しの事件である。 確かに以前よりははるかに転職が容易になった。「終身雇用崩壊」のような 聞き飽きたような言葉も多いし、少し前にキーワードとなった「ジョブ型雇用」論等が出てくるに至った。 記事の中では「頼んでもいないのに転職者が情報を持ち込ん

      • サプリへの向き合い方を考える。

        某製薬大手のニュースでサプリネタを書きづらくなった。もちろん件の事故の真相は解明されてほしい。ただ、現代の日本人に足りていない栄養素は確実に存在している。 例えばマグネシウムである。これは圧倒的に足りていない。 あるいはビタミンDである。ビタミンDは今最も熱い栄養素の一つだ。 アルプスの少女ハイジに出てくるクララはビタミンD不足のくる病だったという。日光を浴びる為に高原で療養していたという背景を読むと、なるほどな、と合点がいく。ビタミンD自体は安価なサプリもある。 ビ

        • 朝刊の記事から考える。「持続可能な投資 物言う株主監視」。

          持続可能な投資 物言う株主監視という記事が掲載されている。Financial Timesの4月5日の記事の様である。 ESGと言う言葉はもう使わない、と宣言したブラックロックのラリー・フィンク氏がやり玉に挙げられているという。今回は便宜上ESGと言う言葉を一時的に復活させて冒頭の記事について考えてみたい。 記事はESG投資でその名を知られたブラックロックがブルーベル・キャピタル・パートナーズによって会長との兼任をやめ、さらに同社は持続可能な監督強化を求めているという。

        朝刊の記事から。「著名人かたる投資詐欺」と「力道山の弟」(宮本輝、文春文庫)。

          東京15区補選に思う。

          東京15区の補選が取りざたされることが多い。 混戦が報道されているが、その震源地は小池都知事である。乙武洋匡氏への支持を明らかにしているが、その戦局は厳しいようである。 安倍晋三回顧録において、安倍元首相は小池氏を「ジョーカー」と評していた。昨年、「回顧録」を読んだ当時は面白い表現をするものだ、程度に思っていたが、今回の東京15区における補欠選挙において、この「ジョーカー」という表現の重みを感じることになりそうな気がする。 2023年5月19日に本稿で「アメリカ第五の権

          東京15区補選に思う。

          朝刊の記事から。東芝の経営改革と「テヘランからきた男」(児玉博、小学館)。

          朝刊の一面で東芝が数千人削減と言う記事が出ている。 東芝について論じた本は多数出版されているが、先日、「テヘランからきた男」(児玉博、小学館)という本を読んだ。テヘランで現地採用され、さらにトップまで登りつめた西田氏(故人)はについてフォーカスした一冊である。非常に珍しい経歴で、不世出の経営者になる可能性があったとも言えるが、当時の経営陣の1人であった佐々木氏との確執などもあったほか、米国の原子力事業での痛手、不正会計問題がくすぶり続けた。 記事の中では、間接部門の削減で

          朝刊の記事から。東芝の経営改革と「テヘランからきた男」(児玉博、小学館)。

          物流2024年問題の事。

          朝刊の一面に「対価なき労働や低い生産性」という記事が掲載されている。 物流業界の2024年問題に関する記事だが、個人的に使用しているAmazon等の電子商取引で生産性が低いと感じることは皆無に等しい。 朝発注した荷物がその日の夕方届くときなど、むしろ申し訳ない感覚すら 抱いてしまう。 記事には「運輸・郵便業の1人当たりの労働生産性は全産業と比べ約2割低い」と述べられており、物流業界は生産性を上げていく必要性がある と述べられているが、正直最近のメディアの生産性向上連呼は

          物流2024年問題の事。

          朝刊の記事から考える。「巨大IT規制、欧州型に」。

          「巨大IT規制、欧州型に」という記事が掲載されている。 記事によるとスマホアプリ市場で影響力のある巨大ITへの規制が強まるという。 これまでも公取委がGoogleやAppleの調査に乗り出しているという記事は掲載されていたが、本記事では「違反事業の売上高の20%」という背筋の凍るような巨額の課徴金を課されるようである。 SNSの投資詐欺を放置しているMeta社にしてもそうだが、明白にクレームが来ており社会問題化しているにも関わらず、こうした事案へのIRへの対応は、「中の

          朝刊の記事から考える。「巨大IT規制、欧州型に」。

          エネルギー雑談「カタール、LNGを大増産。」に思う。

          「カタール、LNGを大増産」という記事が掲載されている。 世界が天然ガスの争奪戦となり、カタールがノースフィールドのガス田の開発を進め、米国はシェールガス由来のLNGを輸出する…こうした状況はダニエル・ヤーギン著"QUEST"、中でも"THE NATURAL GAS REVOLUTION"を始めかなりの紙幅を割いて描かれている。本書は中古で購入したので、MAY2013という印字が押されている。2010年代初頭はまだシェールガス革命黎明期だったと思う。本書出版時に、将来を冷徹

          エネルギー雑談「カタール、LNGを大増産。」に思う。

          朝刊の記事から。「再エネ・原発拡大どこまでに思う」。

          再エネや原発に関する記事が掲載されている。今回はこの記事を題材に頭の体操をしたいと思う。 この記事の背景には経済産業省のエネルギー基本計画での電源構成の 見直しの議論を始めることにあるという。 先日の再生エネTFロゴ問題が国会でも取り沙汰され、野党が追及を強めている。この問題は一見すると、プレゼン資料にロゴがオブジェクトとして残っているという操作上のミスでは終わらず、政府の再エネTFに外国企業の影響があった疑いがあるとのことで目下、調査が進んでいるらしい。 冒頭の記事で

          朝刊の記事から。「再エネ・原発拡大どこまでに思う」。

          「マッスルアスリート養成バイブル」(マーク・ローレン・ジョシュア・クラーク、山田雅久訳、かんき出版)。

          昨年から始めた減量。今日は新入社員の頃に履いていたスキニーなジーンズが難なくスルッと入った。ひたすら歩いているので足腰はかなり締まってきた。 次なるステージ…と言うほど大袈裟なものでもないが、表紙にキン肉アタルをあしらった「マッスルエリート養成バイブル」と言う本をパラパラめくっている。副題は「ネイビーシールズのトレイナー考案」とある。これを読む自分が、ちょっと中二病っぽいのだが(笑)。 巻頭のエッセイが熱くて面白い。 高校時代は寝る前にウエイトトレーニングをしていたが、

          「マッスルアスリート養成バイブル」(マーク・ローレン・ジョシュア・クラーク、山田雅久訳、かんき出版)。

          「女帝 小池百合子」(石井妙子著、文藝春秋)

          最近小池都知事の「カイロ大学」の件が改めて話題になっている。 切っ掛けは小池都知事の側近であると言う小島敏郎氏(本書にも登場)の爆弾告発である。経緯を淡々と説明されている。 2020年、これもまた爆弾のように出版された「女帝 小池百合子」(石井妙子著、文藝春秋)を改めて手に取ってみた。 筆者が持っているのは第四刷のハードカバーで、現在は文庫化もされているらしい。購入は2020年6月20日に横浜の某書店とのメモがある。 再読して改めて感じたのは、本書はタイトルの通り小池

          「女帝 小池百合子」(石井妙子著、文藝春秋)

          朝刊の記事から。「SNS投資詐欺が猛威」に思う。

          SNS投資詐欺でなりすまし被害にあったとして起業家の前沢友作氏と 実業家の堀江貴文氏が自民党の会合で被害を訴えたという。 最近のネットの広告の酷さは日に日にエスカレートしている。 ○○秒広告を見ないとそのサイトを閲覧できないというのもあるし、ポップアップの広告の上にさらに広告が被ってきてページが固まる事もある。 政府はデジタル社会を推進するのであれば、記事にある投資詐欺や、迷惑な広告を取り締まってほしいと強く願っている。 迷惑な広告の溢れるネット空間は、まるで汚い看板

          朝刊の記事から。「SNS投資詐欺が猛威」に思う。

          「大東亜戦争」ポスト削除問題。

          X(旧ツイッター)上で「大東亜戦争」と呟いたポストが削除されて話題になっている。 今手元にある「きけ わだつみのこえ 第二集」(岩波文庫)のある学生の手記のp232にも「大東亜戦争」の記述がある。当時は普通に使われていたのであろうが、戦後の教育からは抹殺されている。 朝日新聞はXの自衛隊の発言を問題とするのであれば岩波書店のこの記述も問題とすべきであろう。 それはさすがに冗談だが、それにしても現代日本の言論空間の何と空虚なことだろう。 最近、米国で特攻に向かう若者の遺

          「大東亜戦争」ポスト削除問題。

          新聞の記事から考える。「スイス気候対策人権侵害」に思う。

          スイスの気候対策が人権侵害であるという記事がある。 写真にはグレタトゥーンベリ氏の写真が掲載されている。 筆者自身は一つ一つの記事をフォローしてはいないが、彼女がその過激な行動ゆえに、各地で逮捕、身柄拘束をされている事はすでに広く報道されている事実である。 ここまでであれば、冒頭の記事は何という事も無い「通常運転」の記事である。 しかし、先日、日本において「脱炭素・人権」という観点で少し気になる記事があった。触れ辛い問題だが、考えてみたい。 その記事とは、「日経新聞

          新聞の記事から考える。「スイス気候対策人権侵害」に思う。

          「「ユニリーバなど239社の脱炭素目標を突然削除」に日本企業から困惑の声も」小考察。

          興味深い記事を拝見した。 https://news.yahoo.co.jp/articles/b88f8787a8a5d1df88767b7d4f6014e31454f839?page=1 最近、新聞などでも心なしか脱炭素の記事が急減しているような気がする。ただ、この手の話はIRの話として投資家にコミットしいることが多いのでひっそりと辞めると言うわけにもいかないはずである。結構、面倒な話になるかもしれない。 記事自体は短いので、続報が出たら改めて考えてみたい。 以上。

          「「ユニリーバなど239社の脱炭素目標を突然削除」に日本企業から困惑の声も」小考察。