エージロー

以前は文筆の片隅で短編小説などを書いていましたが、今はエンタメ系で講師をしています。 …

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以前は文筆の片隅で短編小説などを書いていましたが、今はエンタメ系で講師をしています。 ここでは、不定期に自作のエッセイと短編小説を公開しようと思います。 数分で気軽に読めるものが殆どですので、暇つぶしに利用してください。

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コンクール審査員が教える魅力あるタイトルの付け方

創作物においてタイトルというのはとても重要な役割を果たします。 なのに、ないがしろにしている方のなんて多いことでしょう! 凝ったものを付けましょうということではありません。 ただ、一工夫して欲しいのです。 随分と前の話ですが、とあるコンクールでグランプリを受賞した方がいました。 選評を読むと、審査員の方たち全員が内容について褒めていました。 しかし、最後にこう付け足されていました。 「 それにしてもこのタイトルは無い 」 ーー これ読んだら印象悪くなりますよね

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    • コンクール審査員がタイトルをどう見ているのかお教えします。

      そもそもタイトルはキャッチコピーです。 中身を観終わって、改めてタイトルを見て「 なるほど。だからこのタイトルなのか! 」と、なるような役目は一先ず不要です。 今は創作物も、味わってもらえずに早く消費される傾向にあります。 映画やドラマなどオンデマンドなどで視聴する時に早送りで観る人が増えていますよね? 本も要約( あらすじ )だけ読んで終わり。 エンターテイメントや文学が味わい楽しむものではなく、単なる一つの情報として処理されていることの現れなのでしょう。料理の代わ

      • 思わず口にしたくなるタイトルの付け方

        作品のタイトルを付ける時に様々な考え方がありますが、ここでは思わず口にしたくなる。 そんな効果を狙ってタイトルを付ける方法を紹介します。 大事なのは、語呂とリズムです。 語呂がよければ、自然とリズムのある文になります。 例えば、学校に通っていたときに、歴史年号を覚えるとき、 「 いい国つくろう鎌倉幕府 」 「 鳴くよウグイス平安京 」 などのようにして覚えていたと思います。 年代によって違うかもですが…… どうしてそんなことをしたのかというと ズバリ、覚えやす

        • ハリウッド式三幕構成を作品例を挙げて解説【テキスト】

          この記事では、ハリウッドのアクション映画にありがちなパターンを使って三幕構成を説明します。 前の記事 ハリウッド式三幕構成をザックリと説明【テキスト】|エージロー (note.com) をまだ読んでいない方は、宜しかったら先に読んでみて下さい。 では、順を追って書いていきます。 第一幕 さえない親父がいます。 娘から嫌悪されています。 でも、この親父、実は元CIAの優秀な工作員。 今は過去を隠して、つましく暮らしています。 ―― これが状況設定の提示です。 ――

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        コンクール審査員が教える魅力あるタイトルの付け方

          ハリウッド式三幕構成をザックリと説明【テキスト】

          この記事ではハリウッド映画の90%以上が使用している構成術、三幕構成を紹介します。 例えば、120分の映画があります。 この120分を三つに区切ります。 三等分ということではありません。 一幕目が約30分 二幕目が約60分 三幕目が約30分 ザックリとこれくらいです。 この時間については、撮影や編集時に調整するのではありません。脚本の時点で目処を付けて書いています。 例えば、日本の脚本の場合、400字詰め原稿用紙一枚が約1分の映像になります。 脚本家さんによって、原

          ハリウッド式三幕構成をザックリと説明【テキスト】

          旅行記や体験記などをエンタメの構成でブログに書く方法【テキスト】

          あなたは旅行記や体験記を何も考えずに書いていませんか? 「 上手くまとまっているな 」と思ってもらったり、あなたの経験に共感してもらえるような構成術があります。 この記事では、旅行記などにうってつけのエンタメの構成を説明します。 早速ですが、 映画やドラマには、回想シーンというものがあります。 回想は登場人物( おもに主人公 )が思い出した過去です。 昔々、回想シーンはセピア色や白黒に加工したりして表現されていました。 この回想を使った構成を用いることで、ブログ

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          文章の構成 ~ 起承転結を簡単に解説 ~【テキスト】

          物語を組み立てるのに適している構成は『 起承転結 』です。 簡単に説明します。 起 問題が起こる 承 問題が大きくなる 転 問題が解決する 結 その結果( 例えば、めでたしめでたし ) ありがちな青春ものを当てはめてみます。 起 好きな女子の前でいじめっ子にやられる 承 トレーニングをする 転 いじめっ子と対決して倒す 結 女子から見直される 先ず注意して欲しいのは、起承転結は話を4等分にするのではないということです。 映画などは『 承 』の部分が全体の8割を占め

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          好きな作家の文体を身に着けたい人へ、わたしが写経を勧めない理由

          文体を身に付けるために、うまい人の文章を書き写すのは有効なのか? 先に結論を書きます。 それは違います。 全くダメではありませんが、お勧めはしません。 なぜ勧めないのか、お話しますね。 先ず、簡単に写経について  人の書いた文章を書き写して、身につけることを写経と言ったりします。 そもそも写経とは、お経を書き写すことです。 徳を積むために行われていました。 それがいつの間にか、勉強のために人の文章を書き写すことの意味として使われるようにもなりました。 お勧めしない理由

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          修飾語と被修飾語は位置関係に注意すること【テキスト】

          修飾語は言葉を飾る単語です。 修飾語を使うことによって、抽象的な文が具体的になり、詳しく表現できます。 念のために、簡単な文で修飾語と被修飾語を確認してみましょう。 先ず、修飾語を使っていない文です。 ーー 女性が立っている。 この文だと曖昧過ぎます。 そこで、 ーー ドレスを着た女性が立っている。 『 ドレスを着た 』が修飾語で、『 女性 』が被修飾語です。 こうすることによって、どんな女性なのかを少し具体的にイメージすることができますよね? 更に、もっ

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          分かりやすい文章にするために、意味の広い言葉はできるだけ使わない【テキスト】

          何かを説明したけれど、それに対して「 言葉が足りない 」と言われたことはありますか? 逆に人の説明に対して説明不足だと感じたり、行き違いがおこったり…… それらの原因の一つとして、意味の広い言葉を使っている可能性があります。 意味の広い言葉っていきなり言われても何だかわかりませんよね? 例えば、「 海に行った 」と書いてあります。 その海は、砂浜? 港? それとも断崖絶壁? そこは、沖縄、湘南、ハワイ、ひょっとしたらドーバー海峡? 極端なことを書きましたが、この

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          意味が二通り受け取れる文について【テキスト】

          意味が二通り受け取れる文を書いてしまうことは、誰もがやってしまいます。 知らず知らずのうちに書いてしまうミスの一つです。 そして、意味が二通り受け取れる文は、読み手も知らず知らずのうちにどちらかの意味を受け取っています。 誤解されてしまうと、やっかいなことになりますので注意しましょう。 ◆ 悪い例文 ーー 親が嫌いな子はいない。 一見、問題なく感じるかもしれませんが、二通りの受け取りかたができます。 言いたいことはいずれかです。 ◇ 手直し文  ーー 親のこ

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          列挙するときは品詞をそろえる【テキスト】

          全ての単語は品詞です。 その品詞は名詞や形容詞などに分類されます。 他にも、助詞、動詞、副詞などがあり、全部で11グループに分類されます。 それで列挙するってどういうこと? これからお話します。 例えば、 『 僕の好きなものは、リンゴ、音楽、カメラです。 』 などのように、好きなものを並べて書くことがあります。 これが列挙です。 このように並べて書くときに名詞なり、形容詞なりで品詞をそろえて書きます。 上記の文では『 リンゴ 』『 音楽 』『 カメラ 』と

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          食い違いのない文章にするために、主語と述語、目的語と述語のかみ合わせを確認する【テキスト】

          歯のかみ合わせと同じく、文章もかみ合わせが大事です。 ここでは食い違いのない文章を書くための方法を2つ紹介します。 ① 主語と述語のかみ合わせ ② 目的語と述語のかみ合わせ では、早速いってみましょう! ① 主語と述語  文は長くなるほど始まりと終わりの間にはいる言葉が多くなります。 多いほどかみ合わないことに気づかず、句点をうって文を結んでしまうことがあります。 ここでは、主語と述語のかみ合わせを確認します。 方法は、至って簡単! 主語と述語だけつなげて見るだけ

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          文章を分かり易くにするには、なにしろ削る【テキスト】

          文章を分かり易くするために☝ ここでは分かりやすい文章を書くための方法をお話します。 簡単です。 一言で言えます。 なにしろ文章は簡潔にする! では、どのようにして簡潔にするのか説明していきますね。 ① 一文をできるだけ短くする 一文とは、文を書き始めてから句点「 。 」を打つまでです。 人は文章を読む時に、句点が打たれるまでを一つの意味のかたまりとしてみます。 なので、長ければ長いほど何を伝えたいのかを理解するのに時間がかかります。 文章を書いたら、どこかに句点を打て

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          お盆です。迎え火の後で虫に乗ってお客さんが来ました【エッセイ】

          お盆休みに帰省しました。 色々なエピソードもあるのですが、それは別のアカウントで公開していきます。 妹、その旦那さん、甥っ子+寝たきりの父、そしてわたしで迎え火をしました。 そう云えば、地方によってお盆の日も違いますし、いわゆる飾りも違うんですね。 子供の頃から目にしていた、自分ちルールみたいなのが、世間共通のお盆の儀式なんだと思っていました。 例えば、送り火を焚いたら三回またぐ、とかって、あなたもやってますか?(なぜか問いかけ) あと、キュウリとナスはこんな風に

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          縁側の猫を生垣から見つめる幼き少年の事情【 超短編小説 】

          「 摂さんの猫と水中メガネ 」 飯田家の庭でランドセルが五つほどうごめいている。その縁側に初老の飯田摂と飼い猫のタマがいて、子供達が代わる代わるタマを撫でている。糸のように細められたタマの目が愛くるしく、子供たちは「 かわいい 」を連発している。 その様子を生垣の向こうから見ている少年がいる。ネコが大きくプリントされたTシャツを着た中川勇希、8歳である。背丈が足りず生垣から顔半分をだし、ときおりつま先立ちをして覗いている。摂が手招きしたが勇希は首を横にふった。 空

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