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度を越したイエスマンは虚言癖と化す
私、めちゃめちゃイエスマンなんです。
急になんだよって感じですよね。
私、映画『イエスマン』を全く見たことがないんですが、「提案や誘いに『YES』と答えまくったら、なんかハッピーになった」っていう概要だったと思います。全然違ったらごめんなさい。
実際、イエスマンって結構良くて。
夜中に呼び出された飲み会も行ってみたら楽しいし、急に言われた仕事も引き受けると評価が上がるんですよ。
そして何より楽。思考停止でいいから。「明日朝早いんだよなぁ」とか思う前に、「行きます!!」って返信してるから。「終了時刻…」とか思う前に「やります!!」って言ってんだから。悩む前にやらざるを得ない状況になってる。
そんな生活をしていたら、私はもはやほとんど全ての質問に「YES」としか答えられない度を越したイエスマンになっちゃたんですね。
コンビニで弁当ひとつ買うにも、
「こちら温めますか?」
「はい」
「お箸お付けしますか?」
「はい」
「レシートご入用ですか?」
「はい」
と、いっぱい「YES」をいう機会があるわけですよ。
こんな生活をしているとですね、
この始末。
いやまあ、レシートごとき定期的に捨てればいいんですけどね。
しかし、「もらっちゃったら捨てればいい」程度の解決策では通用しないお店も存在するんですよ。
例えばマッサージ店。
私は大学生なのですが、アルバイトの関係でスーツを着ているときが多いんです。
で、スーツ着てマッサージ受けにきたら、まぁOLさんだなと思うじゃないですか。
「お仕事忙しいんですか?」
「あ〜…まぁ、はい、そうですね〜」
みたいな適当な返しを最初にしてしまったばかりに、私は施術中ずっとOLの設定を貫く羽目になりました。
でもこのときは「条件反射で『はい』って言っちゃった!」というわけでもなくて、
「お仕事忙しいんですか?」
「いやぁ、まだ学生なんですよ」
「じゃあ、就職活動ですか?」
「あー…あの、アルバイトでスーツ着なきゃいけなくて〜」
「へぇー、なんのバイトされているですか?」
「一応、塾講師を…」
という広がっていく会話を想像したらあまりに面倒くさくて、普通に嘘を吐きました。
私は目先の面倒くささを避けるためなら、簡単に虚言を吐くので、そのことも私のイエスマン化を促進しているのかもしれません。
でもね、このマッサージの最中、思っちゃったんです…。
そう、
めちゃくちゃ意味の無い嘘を吐いている状況が、ちょっと楽しくなっちゃったんです。
それに、クズ大学生の私が、90分のマッサージ中だけは丸の内のキラキラOLになれた気がして…。コンプレックスも触れられたくない話題もないし、理想の自分を疑似体験している気分でした。
そういえば、小学生のころアットゲームズのコミュニティでなりきりチャットしてたな…なんて思い出したり…。いたたたた…。(アットゲームズを検索したら、今年でサービス終了するみたいです。逆にまだ存在していたことに驚きでした)
それはさておき、そんなこんなで初対面の人(特にサービス業の店員さん)に対して、めちゃめちゃな嘘を吐くことが快感になり、癖になってきています。いよいよ私の倫理観も終わりが近そうです。
さすがにずっとこんな調子ではマズイと思い、自分の行動を冷静に見直すことにしました。
そこで、先日ちょうど散髪に行く機会があったので、美容師さんとの会話を記録してみることに。そして、後から冷静な脳ミソで「初めて行った美容院で何回嘘吐いちゃったのか」を数えました。
嘘を吐こうとも正直に話そうとも考えず、あくまでいつも通り振る舞った結果が以下の通りです。
塩田きいの美容院虚言記(抜粋)
カット+パーマで予約していたんですが、美容師さんに勧められるままに、カット+トリートメントにメニューを変更するところからスタートしました。(もちろんトリートメントも美容師さんのオススメのやつにしました。)
美容師さん(以下、美)「学生さんですか?」
私「そうなんです〜」
美「今は…3年生?」
私「はい、そうですね」(虚言:留年しているため2年生)
美「もう就活とかしてます?」
私「そうですね〜」(虚言:しているわけがない)
美「コロナで大変ですよね」
私「そうですね、インターンとか説明会とか中止になっちゃったり…」(虚言:別に申し込んでないから知らん)
美「希望の職種とかあるんですか?」
私「いや〜……公務員試験受かったら公務員になろうかなと」(虚言:本当はニートになりたい)
美「なるほどね〜。今、大学の授業もリモートなんですっけ?」
私「そうですね。新入生とかホント大変そうです」(虚言:新入生の知り合いなんているわけない)
美「大学はこっち(地元)なの?」
私「いえ、東京の…。春前に、リモート授業って決まったときに帰省してきて、そのままずっと」(虚言:帰省したのは先々月だけど、そんなコロナ渦中に移動したと思われたくなかった)
美「東京いても暇だもんねぇ」
私「そうですね、大学の友達とも遊べないし」(虚言:大学に友達なんていない)
美「リモート飲み会とかする?」
私「あ〜、はい、しましたね」(本当だけど2回だけ)
美「あれ、あんまり楽しさ分からないんだよね笑」
私「めっちゃわかります!」
美「抜けるタイミングないし」
私「そうですよね、先輩相手とかだと特に抜けられなくて」(虚言:先輩とリモート飲みなんてしていない)
と、こんな調子で虚言を繰り返し…。
散髪中の約1時間半で、計62個の嘘を吐きました。
『YES』の回数も途中までは数えていたんですが、相槌か肯定かの判定が難しく、3桁を超えちゃいそうだったので諦めました。
自分でもこのホラ吹きっぷりにはびっくりです。
「そんな嘘つく場面あるか?」と思ったので、一応虚言をジャンル分けしたものも用意しました。私が吐きがちな嘘ベスト3がこちらです。
第3位 大学関連(13回)
「とにかく留年していることを隠したい」「キラキラな大学生活を送っていると思われたい」などの理由から、無いリモート授業のエピソードや入ってもないゼミの話を量産してしまったようです。
第2位 就活関連(14回)
「そもそも就活なんてしていない」のに就活中という設定にしたばかりに、20分ぐらい全部嘘の話をする羽目になりました。全ての元凶は留年を隠そうとしたことなんですが、「留年したんですよ~てへへ」なんて言ったら気まずくなること山の如しなので、そこは避けられないし…。これ、どうしたらいいんですかね?全国の留年生の方、どうしてます?
何はともあれ、掘り下げられるとマジでキツイ話題だったので、次回から就活生のフリだけはしないようにします…。
第1位 友人関係(17回)
シンプルに友達がいません。でも、「あ~私の周りにもそういう人います!」みたいな相槌の一部として自然に嘘を吐いちゃってました。自分でも気づかないうちに。呼吸をするように。存在しない友人の話を。怖。
その他、
・コロナで生活が変わった風なことを言ったけど、元々ほぼ引きこもりだから別に平常。
・新しい髪形にチャレンジしたい的な雰囲気を出したけど、別にずっと黒髪でいいし、ミディアムでいいし、ストレートでいい。
といったことから発展した虚言が非常に多かったです。
ってことですね。
どんなに友達が多くて、人生上手くいってる風にしていても、全部妄想に過ぎないのです…。世知辛いですね…。
でも…やっぱり…
元々は美容師さんと話すのが超苦手だったんですけど、全肯定と嘘を覚えてからは会話が途切れることがありません。
ですから、美容院での会話苦手だな〜って方は、是非イエスマンになって、めちゃめちゃな虚言を吐いて見てください。相手の会話に乗っかってるだけだし、パーソナルな話を減らせるのでオススメですよ。だんだん辛くなってきますけど。
こんなバカみたいなテーマなのに熱が入ってしまい、思いのほか長くなってしまいました…。
ここまで閲覧ありがとうございました。それでは!
(美容師さんの言うことに全部『YES』で答えていたら、ロングストレートにするつもりが、ミディアムウェーブになりました。何?)
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