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応募作品 一部紹介【エッセイ部門】

エッセイ部門の応募作品の一部を
ご紹介します。

応募者は、2004年生まれの、高校一年生。
その意味を、感じながら。

中学校の卒業を境に、私たちの生活は大きく変わる。
私たちの町には、高校はない。周囲の市の高校へ各々進学する。

私の第一志望の高校には、同じ中学校の同窓は一人もいない。
だから、私にとって、地元の、それまで苦楽を共にしてきた仲間たちとの半永久的な別れが卒業になった。

 私たちは、放送を聞いた時、実感が湧かなかった。まだ高校入試も終えていなかった。まだあと一週間、他愛もない日常を、青春の日々を送れるものだと信じていた。

(中略)

もう決して、中学最後の一週間も、高校最初の二か月も取り戻せない。
悔しくないわけではない。
でも、無情にも過ぎてしまったものを取り返すことなどできっこない。
 
前など向けるはずもない。けど、懸命に道を進むしかない。
今世の中は、少しずつ正気を取り戻し始めた。
だから、波に呑まれてしまう前に船をこぎ始めるしかない。

2004年は出生時に新潟中越地震が
幼稚園卒園時に東日本大震災が
小学校卒業時には熊本地震が
そして、中学校の卒業にはコロナが
 
起こっている、と書かれていました。

ひとつひとつ、地震の被災地はちがいますが
「もう繰り返したくない」という気持ちは同じです。
 
そこで、全国に広がったコロナという災害。 
その、ひとりの高校生の思いが綴られていました。
 
コロナ禍の気の重みを、決してひとつの「点」で
捉えてはいけないことに、気づかされた作品でした。

ご応募、ありがとうございました!
 

引き続き
作品募集しています!
 
募集内容はこちらです。
http://nanuk.shop/202004event/#title2

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