シェア本屋をはじめた私が経験している3つの挫折

葉県松戸市。都立八柱霊園のすぐ近くで
「本屋が育つシェア本屋 せんぱくBookbase」を営んでいる私。

コンセプト的な話で、シェア本屋開店の経緯を話したことはありましたが経済面で詳しく記事として残っているものはないので、
改めて書こうと思います。

3年ほど前、オンラインショップしかやっていなかったころの話。
直接紹介できないもどかしさや、本を介した話ができない寂しさが募り、

どーしても実店舗やりたい! 練習したい!!

と、千葉県のとある場所にあったレンタルスペースを借りて
「実店舗」をはじめました。

駅からほど近く、それなりに名の通った地名で
立地も外観も期待の持てるものでした。

よし!やるぞ!
案内するぞ!

と意気込んでいました。

が、ここで多くの挫折を味わいます。

挫折その① 在庫が少ない

自宅に抱えていた大量の在庫。
オンラインショップではそこそこ選べるくらいあったので
大丈夫だと思っていたら

在庫が超少ない

備え付けの棚ですら余らせる状態。
実店舗をやるなら、もっとたくさんの在庫が必要なんだと、
思い知りました。

新刊を手渡したいと思っている私は、すべて買切りで仕入れているので
そう頻繁に購入もできず、在庫の少なさに打ちのめされました。


挫折その② 知名度がない

「お店を開いてからSNSがんばろう」
と思っていた私は、お店の知名度もないのにSNSやったって
SNSで認知されるには時間がかかることを知りました。

フライヤー配布をしたくても
レンタルスペースを借りていない日は子守に追われ
借りているときは店から出られず、待つばかり。

オーナーさんが「いないときも張り紙はしていい」と
言ってくださったけれど
それだけでは効果もなく。

どれだけ外観がよくても、立地がよくても
自分ががんばらなければ人は来ない。

ということを痛感しました。


挫折その③ 悩みを共有できる人がいない

都内で本屋をはじめる人には出会っていましたが、
千葉で、となると人はおらず、

子も小さいので頻繁に都内に出られず
相談できる人がいませんでした。

「こんなの仕入れようと思う」とか
「あ、これいいよね」とか

お客さんもおらず、
人と出会いたくて実店舗をはじめたのに
会話できる人もおらず

わたし、なにやってるんだろう・・・

と落ち込むことが多々ありました。


在庫が少ない・お客さんがこない・話し相手がいない

もちろん、本は売れない。

どんどんどんどん、貯金は減るばかり。

あー貯金、減るな。
でも継続が大事だしな。
でもお金が・・・

ほぼ毎日、
このことが頭の片隅にこびりついていました。

ちなみに当時私が借りていたレンタルスペースの利用料金は
6時間7,000円。

シェア本屋の月額利用料と同額です。

これを月4日で+仕入れ代(新刊)、
お客さんゼロ、となるとほんとに厳しい。

このお金こどもに残してあげればよかった。
という思いが何度も何度もでてくるでてくる。

ちなみに、改めて言いますが場所は悪くない。
というか、企画力さえあれば場所はむしろどこでも大丈夫。

実際、レンタルスペースを利用しているほかの方は
ちゃんとお客さんがついていました。

オーナーさんに聞くと、どの人も
継続していたから」というのが答えでした。

私も、続ければいいのかな。
いつか、私に会いに来てくれるお客さんに出会いたいな。

そう思って挫けた心をずりずり引きずり、
続けていましたが、第三子を妊娠。

それまで車に荷物をのっけて運んでいたのですが
妊娠中の運転は怖いので、さすがにあきらめました。


2年後にシェア本屋

まぁでも、あきらめなかったんですね。
実店舗をやる」ことについては。

ただ、レンタルスペースの件で懲りていたので
同じ失敗はしない
と決めていました。

・在庫の問題を解決する
・集客の問題を解決する
・相談の問題を解決する

その解決策として最終的に残ったのが「シェア本屋」でした。

シェアする相手は
「私と同じように、いつか実店舗をやりたい人」
「町に本屋が必要だと感じている人」を想定していました。

在庫の問題
本屋をはじめたい、と思ったときに
持っている在庫だけではじめても、限界がある。
シェアすれば、在庫の問題は解決できるんじゃないか。
集客の問題
集客も、みんながそれぞれの方法で告知すれば
広がりが生まれるんじゃないか。
―これについては
 クラウドファンディングの効果も大きくありました。
相談の問題を解決する
売れない…人が来ない…そんな悩みを共有できる場所になって、
それぞれがやりたいことをいよいよ実現するときの
支えになれたらいいな

を協力し合って解決できるといいなぁ、と…

もし私なら」と考えたときに
一人で、毎週1日レンタルスペースを借りて
お店を開けるとしたら、28,000円だけど
シェア本屋なら月7,000円に抑えられる。

敷金礼金・火災保険もシェア店主が関わる必要はない。

レンタルスペースだとその日が終われば撤収だけど
シェア本屋ならシェア店主が開けているときも
自分の本を手に取ってもらえるチャンスがある。

借りるより、レンタルスペースより安くはじめられる本屋
がほしい、と思い、作りました。


挫折を味わうならシェア本屋で。


入ることを検討されている方がいらっしゃいましたら
もしかしたら上記のような「挫折」に出会うかもしれません。

シェア本屋は、自分の屋号を持ち、自分の思う本屋を実践する場所です。

もし入ってすぐに直面する問題があるとすれば
それはかつての私のように
ひとりではじめても直面した問題だと思います。

28,000円、あるいは62,000円、あるいは15万円
月額でなくしてしまう前に。

ゆるくながく「継続」できるよう
ここでたくさん挑戦してください。

お客さんとの会話とか、リアクションとか
本の展開とか紹介とか。

私もまだまだ経験浅く、教わる身です。
経験から伝えられることがあれば伝えますが、
私の答えにあなたの答えがあるとは限りません。

自分のやりたいこと、実現したいこと
どんな人がいる場所で本屋をやりたいか……

私はそういったことにがつんっ!と
向き合える場所がほしかったので、シェア本屋を作りました。

なので私も挑戦者のひとりです。
そしてそれでも挫折はあります苦笑

挫折は課題に変わります。
挫折だけに終わらせない、課題に変えて本屋を実現したいみなさまの
参加をお待ちしています。


サポートしてくれたあなたに、幸あれ!