【就活】ChatGPTを活用して業界研究をしてみる
ChatGPTを活用して業界研究をしてみよう。ここでは総合商社を例にしてみてみる。
総合商社の業界研究
まずは、総合商社の三菱商事、三井物産、丸紅、住友商事、伊藤忠商事について、それぞれの特長を聞いてみよう。
それらしい回答が得られた。
ただし、ChatGPTには注意すべき点がある。
学習の元になっているデータが最新ではない
正しくないことをもっともらしく回答することがある
そう考えると、ChatGPTだけで業界研究をするのは厳しく、他に何かしら参照できる資料が必要になる。ここでは「会社四季報 業界地図 2023年版」を参照してみよう。
三菱商事、三井物産、丸紅、住友商事、伊藤忠商事の説明も記載されている。ChatGPTの回答(再掲)と見比べてみよう。
三菱商事
まずは「会社四季報 業界地図 2023年版」の記載。
なるほど。ChatGPTの記載「素材・エネルギー・機械など幅広い分野に進出」にも納得。
ChatGPTの記載「リスクマネジメント体制も充実」とは何のことだろう。ここはGoogle先生に「三菱商事 リスクマネジメント」で聞いてみる。そうすると「三菱商事グループのリスクマネジメント体制」という資料がヒット。https://www.mitsubishicorp.com/jp/ja/ir/library/ar/online2022/pdf/p17.pdf
資料を読むと、確かにリスクマネジメント体制も充実していそうだ。また、三菱商事グループを取り巻く多様なリスクとして、下記が挙げられていた。
市場リスク
信用リスク
事業投資リスク
カントリーリスク
コンプライアンスリスク
自然災害等によるリスク
気候変動リスク
それぞれのリスクについて、調査を進めるのも勉強になるだろう。
三井物産
同様に「会社四季報 業界地図 2023年版」とChatGPTの回答を比べてみる。
ChatGPTでは「幅広いビジネスポートフォリオ」とあるが、「業界地図」を参照すると、事業部門別利益では金属資源が半分以上(53%)を占めている。ヘルスケアなど特色のある事業もあるため「幅広い」としているのかもしれない。
丸紅
同様に「会社四季報 業界地図 2023年版」とChatGPTの回答を比べてみる。
ChatGPTでは、他の総合商社の記述にはない「人材育成にも力を入れる」というものがある。ちなみに丸紅の関連サイトでは「人材」ではなく「人財」という字が使用されている。
住友商事
同様に比べてみる。
ChatGPTが言及している「世界最大級の資源開発事業」も(真偽を含めて)調べておく必要があるだろう。下記のニッケル生産事業のことだろうか。
そして、「浮利を追わず」は良いモットーだ。
就活は、浮利を追う必要があるとき(SPI対策など)もあるが、業界研究についてはじっくり取り組んで知識の裾野を広げても、損はないように思う。
伊藤忠商事
「三方よし」の伊藤忠商事についても、同様に比べてみる。
ChatGPTにある「独自のネットワーク」とは、CITICとの提携のことであろうか、あるいはファミリーマートの店舗ネットワークのころだろうか。「創業以来の信頼性も高い」はその通りなのだろうが、どのようなエビデンスがあるのか気になるところではある。
まとめ
以上のように、ChatGPTの何気ない記載を調べてみると、業界や企業の取り組みについて理解を進めることができる。この一連の調査や理解がまさに業界研究と言えるのかもしれない。
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