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【就活】ChatGPTを活用して業界研究をしてみる

ChatGPTを活用して業界研究をしてみよう。ここでは総合商社を例にしてみてみる。

総合商社の業界研究

まずは、総合商社の三菱商事、三井物産、丸紅、住友商事、伊藤忠商事について、それぞれの特長を聞いてみよう。

Q)次の総合商社の特長をそれぞれ50文字程度でお願いします:三菱商事、三井物産、丸紅、住友商事、伊藤忠商事

A)
三菱商事:多角的なグローバル事業展開により、素材・エネルギー・機械など幅広い分野に進出。リスクマネジメント体制も充実。
三井物産:幅広いビジネスポートフォリオにより、リスク分散を図りつつ、グローバルでの事業展開を強化。
丸紅:グローバルなエネルギー資源開発に注力し、海運・造船・鉄鋼・化学など幅広い分野に進出。人材育成にも力を入れる。
住友商事:社会インフラを中心に、新エネルギー・環境・医療・教育など多彩な分野に注力。世界最大級の資源開発事業も手掛ける。
伊藤忠商事:多様な事業分野に進出し、独自のネットワークを活かしてグローバルな事業展開を行う。創業以来の信頼性も高い。

ChatGPT

それらしい回答が得られた。
ただし、ChatGPTには注意すべき点がある。

  • 学習の元になっているデータが最新ではない

  • 正しくないことをもっともらしく回答することがある

そう考えると、ChatGPTだけで業界研究をするのは厳しく、他に何かしら参照できる資料が必要になる。ここでは「会社四季報 業界地図 2023年版」を参照してみよう。
三菱商事、三井物産、丸紅、住友商事、伊藤忠商事の説明も記載されている。ChatGPTの回答(再掲)と見比べてみよう。

三菱商事

まずは「会社四季報 業界地図 2023年版」の記載。

資源は豪州の原料炭、液化天然ガス(LNG)や銅事業が強い。子会社ローソンなどの食料や機械をはじめ非資源事業の基盤も厚い。欧州で洋上風力発電の豊富な実績を持つ。

会社四季報 業界地図 2023年版(抜粋)

なるほど。ChatGPTの記載「素材・エネルギー・機械など幅広い分野に進出」にも納得。

三菱商事:多角的なグローバル事業展開により、素材・エネルギー・機械など幅広い分野に進出。リスクマネジメント体制も充実。

ChatGPT

ChatGPTの記載「リスクマネジメント体制も充実」とは何のことだろう。ここはGoogle先生に「三菱商事 リスクマネジメント」で聞いてみる。そうすると「三菱商事グループのリスクマネジメント体制」という資料がヒット。https://www.mitsubishicorp.com/jp/ja/ir/library/ar/online2022/pdf/p17.pdf

資料を読むと、確かにリスクマネジメント体制も充実していそうだ。また、三菱商事グループを取り巻く多様なリスクとして、下記が挙げられていた。

  • 市場リスク

  • 信用リスク

  • 事業投資リスク

  • カントリーリスク

  • コンプライアンスリスク

  • 自然災害等によるリスク

  • 気候変動リスク

それぞれのリスクについて、調査を進めるのも勉強になるだろう。

三井物産

同様に「会社四季報 業界地図 2023年版」とChatGPTの回答を比べてみる。

鉄鉱石やLNGなど資源分野に強み。ブラジルの資源大手ヴァーレにも5%出資。非資源ではアジアでのヘルスケア事業を育成しているほか、インドネシアの新興財閥CTコープと提携して東南アジアの成長を取り込む。

会社四季報 業界地図 2023年版(抜粋)

三井物産:幅広いビジネスポートフォリオにより、リスク分散を図りつつ、グローバルでの事業展開を強化。

ChatGPT

ChatGPTでは「幅広いビジネスポートフォリオ」とあるが、「業界地図」を参照すると、事業部門別利益では金属資源が半分以上(53%)を占めている。ヘルスケアなど特色のある事業もあるため「幅広い」としているのかもしれない。

丸紅

同様に「会社四季報 業界地図 2023年版」とChatGPTの回答を比べてみる。

海外中心に展開する発電事業は業界トップ級。穀物やパルプ、農業化学品も強い。米国穀物大手の子会社ガビロンは売却へ。

会社四季報 業界地図 2023年版(抜粋)

丸紅:グローバルなエネルギー資源開発に注力し、海運・造船・鉄鋼・化学など幅広い分野に進出。人材育成にも力を入れる。

ChatGPT

ChatGPTでは、他の総合商社の記述にはない「人材育成にも力を入れる」というものがある。ちなみに丸紅の関連サイトでは「人材」ではなく「人財」という字が使用されている。


住友商事

同様に比べてみる。

CATV、TV通販などのメディア事業が業績を下支え。リース事業、鋼管の強さが特長。資源は非鉄が中心。事業ポートフォリオのバランスは堅実で、「浮利を追わず」がモットー。

会社四季報 業界地図 2023年版(抜粋)

住友商事:社会インフラを中心に、新エネルギー・環境・医療・教育など多彩な分野に注力。世界最大級の資源開発事業も手掛ける。

ChatGPT

ChatGPTが言及している「世界最大級の資源開発事業」も(真偽を含めて)調べておく必要があるだろう。下記のニッケル生産事業のことだろうか。

そして、「浮利を追わず」は良いモットーだ。
就活は、浮利を追う必要があるとき(SPI対策など)もあるが、業界研究についてはじっくり取り組んで知識の裾野を広げても、損はないように思う。

伊藤忠商事

「三方よし」の伊藤忠商事についても、同様に比べてみる。

祖業は繊維。消費者に近い川下領域の事業で成長し躍進を果たした。中国国有企業のCITICに巨額投資、提携。ファミリーマートを軸にした生活消費分野強化や蓄電池ビジネスなどに注力。

会社四季報 業界地図 2023年版(抜粋)

伊藤忠商事:多様な事業分野に進出し、独自のネットワークを活かしてグローバルな事業展開を行う。創業以来の信頼性も高い。

ChatGPT

ChatGPTにある「独自のネットワーク」とは、CITICとの提携のことであろうか、あるいはファミリーマートの店舗ネットワークのころだろうか。「創業以来の信頼性も高い」はその通りなのだろうが、どのようなエビデンスがあるのか気になるところではある。

まとめ

以上のように、ChatGPTの何気ない記載を調べてみると、業界や企業の取り組みについて理解を進めることができる。この一連の調査や理解がまさに業界研究と言えるのかもしれない。

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