映画「ブレイブー群青戦記ー」自らを信じる強さが、仲間を助ける勇気となる

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映画「ブレイブー群青戦記ー」、3月12日に公開されたこの作品を、あなたは見ただろうか。

 スポーツ名門高校のトップアスリート高校生たちがある日突然、学校ごと戦国時代にタイムスリップする。学校の外は街が消え、野原が広がる。校内には野武士が来襲し、生徒たちが次々を刀に倒れてゆく。そんなパニックのなか、歴史オタクの西野葵(新田真剣佑)は「桶狭間の戦い」の直前にタイムスリップしたことに気づく。織田信長(松山ケンイチ)の軍勢に仲間を人質にとられ、為す術なく途方にくれる葵たちであったが、のちの徳川家康となる松平元康(三浦春馬)に出会う。元康に導かれ、葵たちは各部活のエースたちを共に、仲間の救出へ向かうために立ち上がることを決意する。

 こんなあらすじをもち、キャッチコピーは「次の対戦相手、織田信長って、マジ?」。
 正直、これからの次世代俳優が勢ぞろいし、松山ケンイチや三浦春馬といった実力派俳優が脇を固めている。アスリート高校生 VS 戦国武将の青春バトルアクションである今作はとても興味深く、ぜひ見たい映画のひとつだった。ただ、このコピーのポップさ的に青春スポ根のSFバトル映画だと思っていた。

しかし、いざ劇場で観たらどうだ。こんなにも泣けて、胸が熱くなる映画だったのか。人物以外に特に印象的なものが二つあった。


「一所懸命」
この映画の核となる言葉だ。
物語が進むにつれ、この言葉が徐々に心に染み込んでいく
グサっと刺さるのではない、じんわり、だが確実に浸透するのだ。
ー自分の大切なものを守るために、命をかけて守り抜くー
その尊さと懸命さが心を熱くさせるのだと、
エンドロールが終わるまで、座席から動けなかった間に思った。

そして
「自分を信じる」
この映画の転換であり、継承されるものだ。
主人公の西野葵は自分に自信がなく、いつも消極的。
そんな葵が戦いの中で、幼なじみの松本考太(鈴木伸之)や瀬野遥(山崎紘菜)
松平元康(三浦春馬)から「自分を信じる」ことの強さを学び、
仲間救出への勇気に変えていく、重要なマインドだ。



この映画、序盤からバッサバッサと生徒が切られ、
血飛沫が飛び、まるでホラー映画のピーク並みの悲惨さがある。

救出に向かった各部活の精鋭たちも
容赦なく殺されていく。主要であっても関係ない。
殺されるときは殺される、戦国時代の現実だ。

しかし、その死に様はなんとかっこいいのだろうか
仲間を守るため、大切なひとを守るため
自らの命を賭けひたすらに前に進み続けるのだ。


特に、丸根砦のシーンは本当に目まぐるしい感情が心を覆った。
29人から徐々に減っていくメンバー
一曲輪に先陣をきった野球部とアメフト部
現代の知識や各部活で培った技術を駆使し、攻め入る彼ら。
先回りし、ニ曲輪に到着した葵に野球部員、藤原が無線を入れたシーンは涙がこぼれそうになった。

たった一言「こっちは制圧したぞ」
その足元には戦いで犠牲になった仲間が何人も倒れている。
悲惨な現実を目の当たりにしながらも
制圧、という目的達成を伝える彼の強さには心打たれた。
そんな藤原の「強さ」は最後の最後まで
周囲に力を与え、仲間を救うことにつながっているの

また、好戦的な空手バカの相良とフェンシング部のナルシスト成瀬の
コンビもとてもよかった。
いがみ合っていたとしても、ベストパートナー
背中合わせで戦うシーン、その後のシーンは涙なしには見れなかった。


かっこいいのはヒーローだけではない。
葵たちより約1年先に戦国時代に来ていたこの作品唯一の悪役、不破瑠衣(渡邊圭祐)も素晴らしかった。

ダークで怪しさ漂う雰囲気に、狂気を感じる目、
これから起こる未来を知っているからこそ滲み出る余裕

憎しむべき存在のはずなのに、不適な笑みにやられてしまう


次世代俳優のポテンシャルが存分に楽しめる今作品は
見ていてずっとワクワクする。


主題歌「HOURGRASS」も最高に素晴らしい。
予告編で片鱗を聞いてから、ずっと耳に鳴り響くあの声は
エンドロールが終わるまで、映画の世界観を存分に引き伸ばしてくれる最高の楽曲だ。


とりとめもなく、つたなく、未熟な私の言葉が
どれだけ届くだろうか。
見た人にはこのやるせなく、熱く滾る心のうちが届くだろうか

ともあれ、とにかく見て欲しい
誰が出演しているからだとか、そういうものは抜きに。
大切なものを守るために、自らを信じ、その自己信頼を強さに変え
命を賭けることがどれほど尊く、人の心を突き動かすのか

ぜひ、体験あれ。




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