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この機会にやっておきたい!今年観た映画暫定ランキング!(前編:10~6位)

皆さん、こんにちは。たいらーです。

コロナ禍(鍋ではない)の影響で不要不急の外出ができない現在。僕の住んでいる兵庫や大阪は緊急事態宣言であらゆる店が休業を行っており、映画館も5月まで休館に入ってしまいました。

僕は今年毎週新作映画を1本は観るという「毎週映画チャレンジ」を行っていたのですが、ミニシアターすら休業要請を受け閉まってしまう現状どうしても新作を観ることができないことになってしまいました。楽しみにしていた映画も直前で延期になったりしたので本当に残念です。

そこで今回は、なんやかんや3ヶ月程度とはいえ忙しい中で時間を作って映画を観続けてきたことを無駄にしないため、そして良作傑作が既に続出している現在、自分の中での作品の優劣をはっきりさせておくため、「2020年に入ってからここまで観てきた作品」でランキングを作りたいと思いました。

ランキングの条件は「今年観た映画であること」と、「劇場で観た映画であること」の2つ。一応劇場以外でも最終章公開に合わせて「るろうに剣心」3作品やこの前地上波で放送されていた「帝一の國」なども観ましたが、ややこしくなるので劇場で観たものに限ります(「るろ剣」はコミックスも全巻読みました。蒼紫様が推しです)。

ちなみにこの条件に当てはまるのは、4月の段階で14本!

思ったより観てましたが、「バーフバリ」のブラバース氏が主演の最新作「サーホー」など観たかったけど逃してしまった作品も沢山あるのでもっと観たいという欲求が溜まりまくってます。

前編となる今回は、14本の中でも中間に入る10~6位までを挙げていきたいと思います。

全体から見れば微妙な位置の紹介になると思いますが、この辺の順位の作品でも結構楽しんでいます。作品ごとに楽しむ基準が違いますのでライダーVシネマランキングの時のようにスコア制は導入しません。

それでは、ランキング、10~6位、発表していきます!

第10位:スーパー戦隊MOVIEパーティー

(監督:渡辺勝也)

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2月8日公開。長年続くスーパー戦隊VSシリーズ最新作「騎士竜戦隊リュウソウジャーVSルパンレンジャーVSパトレンジャー」と、今年3月からTVシリーズが放送されている「魔進戦隊キラメイジャー」(レッドの役者さんコロナから退院されたようでなによりです)の前日譚となる「魔進戦隊キラメイジャー エピソードZERO」、そして今年1月に終了した「スタートゥインクルプリキュア」とのコラボEDとの3本立てというかなり特殊な構成の劇場作品です。

「リュウソウVSルパパト」(リュパパト)はこれまでTVシリーズ後にVシネマで出ていた所謂「帰ってきた」シリーズが無かった「ルパンレンジャーVSパトレンジャー」の後日談がようやく観れるという点にかなり大きな価値のある作品でした。脚本にも「ルパパト」のメインライターの香村純子さんを呼んできてかなり丁寧にやっている印象でしたが、この枠は例年1時間程度しかないため如何せん尺が短いということが気になってしまうタイプの作品でもありました。騎士竜がギャングラーの金庫に閉じ込められるとかシチュエーションを作ることに関しては本当に上手いなーと思うんですが、これ単体で90分やってほしかったですね。

「キラメイジャー エピソードZERO」は文字通り第0話というか、レッド抜きでの結成エピソードとして過不足なく纏まっていて良い導入になっていたと思います。後から考えると「戦う覚悟を決める話」という戦隊のテンプレを上手いこと外してお披露目をするという、「お決まりをちょっと外してドラマにする」キラメイジャーらしい部分がここで既に発揮されていますね。あと「中村悠一に刺される杉田智和」シーンが好事家の間で話題になってました。

ただ最後のプリキュアコラボEDはちょっと脳が理解を拒むというか……「どんな気持ちで見れば良いの?」と終始苦い顔をしていました。但し「1たす1は2でいいの?」で困ってるキラメイブルーは割と本編でもそんなノリです


第9位:ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRD OF PREY

(監督:キャシー・ヤン)

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3月20日公開。「スーサイド・スクワッド」で実写映画デビューを果たしたDCコミックスの代表的女ヴィラン、ハーレイ・クインのまさかの単独主演作。マーゴット・ロビーが主演兼製作プロデューサーとして、ジョーカーと別れたハーレイの新しい地平を切り開きます。

新型コロナがかなり世界的問題になり、「ワンダーウーマン」新作などDCの映画も延期が発表され始めた頃に公開された本作(本国では既に公開されていたのもあるのでしょうが)。全体評価としては結構良いけど惜しいという感じでした。

大きく評価を落としたのは構成に難があるということ。

実はこの作品、「ハーレイ・クインの話」とDCの女性ヒーローチーム「バーズオブプレイ」のオリジンという2つの話がクロスする構成になっており、「最初の30分ぐらいハーレイがひたすら大暴れする→時間軸が巻き戻って20分くらいバーズオブプレイ側の話になる」(その間ストーリーが止まってしまうのでサスペンスが生じない)という序盤から中盤の接続が悪かったり、「終盤でようやく全員が初めて揃ってそこからいきなり男ども相手にヒャッハーする」というなんともテンションの上がりきらないお互いの良い所を食い合ってる感じになっています。全体が「TVドラマの1シーズンを繋げた総集編」みたいな作りになっていて、1本のエンターテインメントとして見ると首を傾げたくなる部分が多々ありました。

ただ最近多い「男社会への反抗」という非常にフェミニズム的なテーマの表象も押しつけがましくはなく芯が通っていて、場面ごとに観ればかなり楽しいというのも事実。特にアクションシーンは「ジョン・ウィック」のチャド・スタエルスキ監督が演出に入ってるということもあってスタイリッシュに良い出来。図体では敵わない男どもの顔や足など弱点をひたすら狙う中盤の警察署でのハーレイの無双シーンは必見です。

あと期待してたより遥かにハーレイが一貫してクソ女(なんなら若干自覚もある)なのは好印象でした。


第8位:音楽

(監督:岩井澤健治)

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2020年1月以降順次公開(関西では2月21日公開)。大橋裕之の漫画「音楽と漫画」を原作としたアニメーション作品で、岩井澤健治監督が7年の歳月をかけて作り上げた初の長編アニメ映画というかなり変わった作品。昨年の第43回オタワ国際アニメーション映画祭 長編コンペティション部門のグランプリを受賞した作品でもあります。

正直ストーリーとかについてかなり言いたいこともあるのですが、「1人でここまでアニメーションが作れるのか」と映像面でひたすら圧倒された1作でした。タイトル通り「音楽」に対する心情やフィーリングの表現をヌルヌルと動く手描きアニメで見せていたほか、ただ歩くだけの場面でもなんとなく楽しいという意味でこれは一見の価値ありの作品です。劇中で主人公達が言われていたような「初期衝動」を感じる作りでした。

あと地味に声優さんのキャスティングがかなり良かったです。基本的に本職の声優さんではなく、主役の坂本慎太郎さんに至っては役者ですらないという人選だったものの、演技的な技術よりも映像的な存在感で見せるために選ばれたという感じで、ある意味ジブリ的なキャスティングが上手くハマっていました。唯一竹中直人さんは聴いた瞬間から竹中直人さん感が前にせり出していましたが、部下共々先輩に深夜バイトに連れていかれるシーンなど笑ってしまう下りも多々ありました。

オタワでは日本のアニメ好きから笑いをかっさらったという本作。あまり大規模な広告戦略等は行われていないとはいえ、もうちょっと知られても良い部類だとは思います。


第7位:仮面ライダージオウ NEXT TIME ゲイツ、マジェスティ

(監督:諸田敏)

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2月28日公開。しばしば取り上げている仮面ライダーVシネマシリーズ最新作がここでは7位にランクインしました。

「映画」としては60分程度と短い作品なのですが、「夢」をめぐる青春映画として、新しい1つの始まりを描く物語として衒いなく楽しめた、明るくフレッシュな1本だったので高く評価しています。TVシリーズでは何かと槍玉に上がる諸田監督ですが、やっぱり映画向きの人なのではないかと思います。

あとはもうあまり言いません。これに関しては他の記事で色々書いてるのでそちらを読んでください。


第6位:ジョン・F・ドノヴァンの死と生

(監督:グザヴィエ・ドラン)

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3月13日公開。子役故に学校では虐められていた少年、ルパート・ターナーと自殺したスター俳優、ジョン・F・ドノヴァンの文通を巡るドラマを、青年となったルパートへのインタビューという方式で語る追想劇。

「過去を語る青年ルパートと記者オードリー」「少年ルパート」「生前のジョン・F・ドノヴァン」と視点が3つに分散しているため1回では処理しきれない情報量になっていたというのは正直なところですが、「本当の事を言っても信じてもらえない」「本当のことを言ったら好奇の目に晒される」という世の中の理不尽をゴシップの付き纏う芸能界を舞台に描き出したのは面白かったですね。

ジョン・F・ドノヴァン視点のパートはルパートの主観ありきということでラスト以外にも解釈のしようがあるとされていますが、29歳とはいえあの歳になって地元の親戚や母親と険悪なムードになる下りとか本当に良い意味で厭なシーンのオンパレードで、ゲイであることも言い出せず少年とも真摯に向き合えずどんどん追い詰められていく彼の様はかなりキツかったですね。

一方のルパート目線の話は、未だ若い彼がジョンの苦しみを受け取りながら、母親や、発展途上国への取材が本業で自分の話をまともに聴かない記者など、目の前にある不寛容に立ち向かう構図になっています。中盤で記者を説き伏せる下りとか、クライマックスで母親と和解する下りなど、若干主張が激しすぎる感はありましたが、「向き合うことの大切さ」を正面から描く作りには好感が持てました。

最初はバカにして聞いていた記者とも分かり合い、彼氏とバイクに乗る青年ルパートのラストには救われた気分になります。金髪の彼氏が少年時代に自分を虐めていた奴を思わせる風貌なのがニクい(一応クレジットでは「ルパートのボーイフレンド」となっていました)。彼はジョンとの思い出を糧にこの先も生きていくんだろうなぁと多少前向きな気持ちになれる映画ではありました。

グザヴィエ・ドラン監督作品はこれが初めてなので、今後過去作品を観ておきたいです。


以上、10~6位を発表しました。実は8位と9位がランキングを作ってる間に入れ替わったりと、あくまで僕個人の順位なのであまり目くじらを立てずに見て頂ければ幸いです。そもそも好きなジャンルによってこういうのは偏るでしょうしね。「ジョン・F・ドノヴァンの死と生」はどの順位に置けばいいんだ……と実は結構悩みました。

ランキングをつけていく中で、あんまり長くないけど程良く纏まってるゲイツマジェスティが7位に来たり、リュパパトは逆に短いのが不満だったり、ハーレイ・クインは2時間もあるのに構成がギクシャクしていてノれなかったりと、長さそのものより「尺の中で何を見せてくれるのか」が満足度と直結してくるという発見はありましたね。

次回は中編、暫定下位となる11~14位を発表します。上位5作品はその次の後編で発表します。

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