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日光 贅沢ゆばちっぷす 商品化ストーリー

「ゆばちっぷす」は、これからの新しい日光をつなぐ架け橋になる。

ゆばちっぷすにいきつく

ゆばの可能性・・・・そんなことを頭に置きつつ、先日、日光を訪問しました。ゆばの食べ方というと、前回ご紹介したとおり様々にありました。

ふと、東照宮からの帰り道、日光ゆばで老舗の「ふじや」さんに立ち寄り、“ゆば菓子”というものを購入しました。こちらは、カラッと大豆油で揚げたゆばにグラニュー糖をまぶしたシンプルなお菓子。正直言って、せっかく香ばしい揚げゆばのおいしさが、グラニュー糖の強い甘さによって覆い隠されてしまっている、そんな風に感じてしまいました。というのも、(失礼ながら)家で砂糖を振り落とし食べたところ、すごいおいしい。この大豆の素朴な味わいを活かした味を作りたい。そんなことを思い描いてみました。

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ゆばちっぷすとフレーバー

味を考える
当初、“ゆばちっぷす”のフレーバーは、ポテトチップスと相性がよいものだったらなんでもイケる思っていました。和風の味で、焦がし醤油味・白みそ味・梅味…、洋風であれば、クワトロチーズ味・トマトバジル味・トリュフ塩…、また、グリーンカレーなんていうものも思いつきました。いくつかパウダーを取り寄せて試行錯誤してみましたが、どうもしっくりきません。栃木といえば有名な宇都宮餃子で餃子味のポテチがあったり、少し前からポテチにチョコをかけて食べたりもしますが、なんでもいいわけではありません。なんだか、こんな発想では、ゆばの価値を下げるようで失礼な気がしてきました。

ゆばは手間がかかる高級品

そんな中、お店で声をかけたところ「ふじや」の齋藤社長にお話を聞くことができました。

日光湯波「ふじや」
ゆば屋をはじめて150年ほどの歴史のある老舗
現在の社長、齋藤一敬さんで5代目
ゆばとろ・日光揚巻ゆば・串湯波などの製造・販売元で日光を中心にレストランなどへの卸売などを行っている。

ゆばについて丁寧に教えてくださったのですが、こちらのゆばは、一枚ずつ手で引き上げて、手作りというのが特徴。ゆばを引き上げるタイミングは商品によって変えているそうです。ます、大豆を一晩かけて水で戻し、豆をペーストにし、そこからできた豆乳からゆばづくりに入ります。“ゆば菓子”には“少し厚めの乾燥ゆばを使います。豆乳を煮てゆばを引き上げる時、1~2番目は生ゆば、それ以降は日光名物揚巻ゆば用に、その後、煮詰まった濃厚な豆乳を3倍以上の時間をかけ厚みのある状態に仕上げたゆばを乾燥させ、”ゆば菓子“の原料”松皮ゆば“になります。そのため、この厚みのある”松皮ゆば“は、生ゆばや巻ゆばを作るときにできた副産物であり、たくさん作れるものではないのです。

日光贅沢ゆばちっぷす商品化ストーリー (1)

昔、ゆばの食べ方は、貴重なたんぱく源として乾燥させたゆばを口の中で湿らせてそのまま食べていたそうです。現代では、味噌汁に入れたり、お鍋に使ったりしますが、揚げることでより手軽に食べることができます。 “松皮ゆば”は、揚げる際に、ゆばに残っている水分も影響し、湿度によってカラッと揚げるには熟練の技を要します。そうして、揚げたゆばに、グラニュー糖をまぶし“ゆば菓子”が完成。この“ゆば菓子”の賞味期限はたった10日です。おいしく食べるには、これくらいまでと齋藤社長はいいます。

日光の良さ
食事の献立を考える時に大事なのは、季節の食材や地元の良さを活かすこと。そういった原点に立ち返り、ゆばに敬意を払って、味のバリエーションを考え直しました。
この日光ゆばは、“日光“で作られたものであり、日光の良さを活かしたい。そんなことを思い、日光をめぐっている中で、目に入ってくる景色に注目してみました。

日光といえば、東照宮が有名ですが自然豊かな景観も多くみられます。夏の男体山は、山の緑で覆われその麓には青い中禅寺湖が広がっています。華厳の滝の「華厳」には諸説ありますが、その景色は四季の彩りが感じられる華やかな場所。そして、鬼怒川は洪水になると、普段は静かに流れる川が、激しい流れと岩の転がってぶつかる音などから、「鬼が怒っているようだ」ということからついた名前とも言われているようです。

これら男体山の青緑色・華厳の華やかさと歴史・鬼怒川のイメージに合う味。そして、懐かしさもあり、新しさもあるフレーバーと色を組み合わせたところ、3つの味ができあがりました。

男体山青のり味
華厳カレー味
鬼怒マーラー味

そして、サクッと香ばしく揚がったゆばちっぷすに、この3種類のフレーバーを加えて製品にしていきます。まず、青のり味では、うま味の昆布を活かし、出汁の風味とゆば、そして青のりのフレーバーが後を引く味わいとなっています。次に、華厳のカレー味には、幅広い年代で食べられるような昔懐かしいカレーの味わいが、大豆の香ばしさを引き立てます。そして、しびれる麻辣味。麻婆豆腐に使用される麻辣は大豆との相性抜群。唐辛子の辛さと花椒のしびれを効かせながら、隠し味としてマイルドなしびれの日光の山椒を使用することで絶妙なバランスに仕上げます。

この“贅沢ゆばちっぷす”も賞味期限は10日。たった10日なのか、10日もあると思うか、美味しく食べて頂くには、これくらいがちょうどいいのです。

ゆばちっぷすとパッケージ

日光にちなんだ3つのフレーバーができたところで、パッケージは、NiT日光活性化プロジェクトと一緒に作っていきます。日光は、人口減少が深刻になってきています。そんな中、若者がチャレンジしやすいマチ作りを目指して活動を始めたばかりの、NiT(ニット)
この贅沢ゆばちっぷすは、老舗「ふじや」と「NiT」という若い力が、繋がるきっかけにもなっていきます。
3つのフレーバーから、大豆の豆の形や、日光ゆばの“湯波”の波の特徴を活かし、こんなデザインが出来上がりました!

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贅沢ゆばちっぷすと日光

日光は、観光地としては有名で、多くの魅力がありますが、進学などで離れた人が戻ってきにくく人口減少が進んでおり担い手の問題があります。そして、日光といえばゆば、なのですが手作りのゆばの製造元は少なくなっています。ゆばを作るための大豆を仕込む量も全盛期の半分以下に減ったこともあり、ゆばちっぷすの原料となる松皮ゆばの生産も少ないため、今のところ日光に来ないと食べることはできません。

お買い求めは、ふじやmekke 店頭にて。10/22(土)から発売!
 1個350円、3個セットで1000円

日光から離れた人がまた戻りたくなる場所、日光を訪れた人が住んでみたいと思う場所にしていく。そのためには、昔から引き継がれてきたことを新しい視点で融合していくことが大切です。このゆばちっぷすは、これからの日光を考える架け橋になればという想いで、今回、初めてコラボした商品が出来上がりました。

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ゆばの可能性は無限大。日光ゆばは、プラントベースフードという視点の新しい食べ物の可能性として捉えていましたが、それだけだけでなく、老舗ふじやとNiTとの融合から、地域活性化の可能性も見えてきました。
今後も「ゆばちっぷす」からできること、このご縁を通して、ゆばだけでない様々なコラボが実現できればと思います。
これからの可能性が楽しみです!

以上、情報発信部Masaeがお届けしました。


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