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きり丸の所得税を免除してあげてほしい

(※この記事はアニメ内容に関する若干のネタバレを含みます)

みなさんこんにちは。えんじです。

今日は忍術学園の学費ときり丸のアルバイトについてお話をしたいと思います。

忍術学園は多くの方がご存知の通り、入学に試験は存在しませんが、入学金を支払う必要があります。アニメの記念すべき第1シリーズの1話「忍術学園入学の段」では乱太郎、きり丸、しんべヱはそれぞれお札数枚、小銭の山、小切手で支払いをしていました。もうこのワンシーンだけで3人の生い立ちがわかる超親切設計ですね。流石読者・視聴者への優しさに定評のある忍たまと言えます。

そして入学金を払った後も授業料は学園に在籍している間定期的に納入しなければなりません。第18期に開催された混合ダブルスサバイバルオリエンテーリングでは優勝賞品は「半年分の学費を免除」となっていました。、乱太郎のような農家の家庭では季節によって収入にばらつきがあることも踏まえると、半年に一度授業料を納入していると考えるのが妥当です(もし授業料の納入時期についての言及が原作内でなされている等知っている方いましたらコメントください)。


では忍術学園の学費というのは一体どれくらいの金額なのでしょうか。まず学園の運営に必要な経費というものを考えてみましょう。

①人件費…これはわかりやすいですね。学園長先生をはじめ各先生方、食堂のおばちゃん、保健の新野先生、事務員の吉野先生&小松田さんの給料です。忍術学園は授業と一部の事務以外のほぼ全ての業務を生徒の委員会に委託という名の丸投げをしているため、その分の人員は削られていますがそれでも一年生のクラスを見ると11人ないし12人のクラスに担任が2人。徹底した少人数教育ですね。生徒1人あたりが支払う費用も高そうです。

②物品費…教科の授業で使用する教科書、墨、筆、机、チョーク、黒板消し、出席簿など…。図書室にある本や食堂にある調理器具、ほか清掃道具や事務用品。実技の授業で使用する手裏剣、苦無、火薬、生き物、生首フィギュア…挙げだすとこのページが物騒になってきそうなので省略します。特筆すべきは実技の授業で使用するものはほぼ全て用具、火薬、作法といった各委員会が所持していることですね。生徒に管理させるあたり忍術学園の自主性を重んじる精神が良くも悪くも感じられます。

③施設費…忍術学園の教室や忍たま長屋は当時の建物としてはかなり立派なものではないでしょうか。部屋のひとつひとつも窮屈そうには見えないことからかなり余裕のある大きさに作られていると言えるでしょう。というか教室に至っては後ろ半分にもう12人くらいは入れるんじゃねえかお前ってくらいスペースありそうです。加えて職員室やら鐘楼やら食堂やら学園長先生の庵やら月見亭やら煙硝蔵やら用具倉庫やら結局未だに全貌がわかりませんからね。そしてこの学園を頑丈な土壁の塀がぐるりと囲んでいる訳です。冷静に考えて

暫定たった6人の用具委員会がこの学園中の修補と大半の道具の整備管理やってるって狂気じみていると思うんですが。

そりゃ建物や備品ぶっ壊したら留三郎や作兵衛怒るわ。ただでさえ忙しいんだから。用具委員会にもっと人を割いてあげてください。割いてあげるって人員をですよ。プラナリアみたいに分身を作ろうとしてはいけません。

④食費…これは恐らく学費には含まれていません。24期20話「学園長先生のブロマイドの段」などできり丸が食券食券と言っていたことから(これもまた壮絶な回です)、忍術学園の食堂は食券購入制と考えられます。一食あたりいくらなのか気になるところですが、良い食材を安く買おうと頑張っているおばちゃんのことです。恐らくかなりコスパは良いのでしょう。

ほか制服代、社会実習の謝礼代など考えればもう少しあるかもしれませんがざっくりと考えてこんなものでしょう。さてすべてを足し合わせるといくらになるでしょ~か?

…はっきり言います。

よくわかりません()。

参考がてら日本最古の学校と言われる足利学校について調べてみたら、なんと学費無料でした。僧籍に入れば良かったそうです。すごすぎ。

江戸時代に広まった寺子屋についても個人経営であったために場所によっては野菜あげるだけでOKだったとか家柄によって学費が異なっていたとか有力者の寄付によって成り立っていたとか、かなりまちまちだったらしいです。

ふつうはここで頑張って色々歴史資料読み漁ってある程度予測するのがスジですが、僕は残念ながら面倒くさがりです。そんなことをしているうちに夜が明けておはよう日本がはじまってしまいそうなのでやりません。高瀬アナ元気ですか。

なので現代にあてはめて適当に予測しました。

まず①の先生への授業料です1年生を例にして考えると、6人に先生1人。先生方の年収の平均を500万円と仮定すると500万円÷6人÷12ヵ月≒6.9万円。生徒1人は先生に対し月7万円支払っていると考えられます。年間に直せば7万×12ヵ月=84万円。上級生はもっと支払っている可能性がありますが、とりあえず一年生はこんなものでしょう。

次に②の物品ですがこれは難しいですね。それぞれの物品の相場がなんとも言えません。という訳で③の施設費とまとめた上で、学校の敷地の広さ、特殊職業人の養成を目的としている、寮制である、といった点が忍術学園と類似している某私立高等学校の施設設備費を参考にして考えます(航空系の学校です。多分調べればわかります)。その学校の施設充実費は年間18万円、寮費も年間18万円でした。合計36万円です。

前述のとおり忍術学園は一部を除いた物品・施設のほとんどの管理を生徒に任せているためその分のお金は浮いていますが、そもそもの生徒の絶対数が少ないため一人当たりの金額は高くなります。また忍術に使う道具はその使用法故かなり傷みやすく、いくら手入れをしてるといえども消耗は激しいでしょう。さらに当時金属や硝石はかなり貴重なものだったはずです。寮に関しても水道は井戸を使用、電気ガスといったものは勿論無いことをふまえても、前述のとおり当時としてはかなり立派なもの。

これらを踏まえると単純に1.5倍の年間54万としても良いのではないでしょうか(下手したらそれでも足りないかもしれませんが)。現在アニメの中で忍術学園で名前が判明している生徒は45人、また一年い組、ろ組に在籍しているモブがそれぞれ8人ずついるため、計61人は確実に生徒がいます。54万円×61人=3294万円です。この金額に未だに判明していない上級生の分が加算されるので学園が得る金額はもっと上がるでしょう。それくらいあればなんとかなりそうな雰囲気です。この金額が会計委員会の手によって振り分けられる訳ですね。会計委員すげえわ。

④の食費ですが、時折ステーキとかやたら豪華なものも出ていますが、学食なので相応に安い筈です。一食400円と考えましょう。400円×3食×30日=3.6万円が毎月の食費ですね。年に3.6万円×12ヵ月で43.2万円。忍術学園にはお休みもあるので、全ての食事を食堂で済ませる訳ではないと思いますが、これが大体年間にかかる食費と考えましょう。


さて、言いたいことはここからです。

きり丸は忍術学園の学費のためにどれだけのバイトをしているのでしょうか?

きり丸は戦で両親と故郷を失い自らアルバイトをして自らの全ての生計を立てている乱太郎曰くえらい奴です。ここまでだらだらと書いた全ての金額を足し合わせると84万円+54万円+43.2万円=181.2万円。このほか20期36話「浦風藤内の予習の段」、20期55話「お金もうけのコツの段」などでは藤内や土井先生に食事を奢ろうとする意志を見せたりしています。乱太郎やしんべえとある程度付き合いでお金を使うこともあるでしょうし、その程度は貯金はしているでしょう。一割上乗せして年間200万円は稼いでいるとします。もう現代だと100パー税金取られる額です。もうホント減税して。

さて、年間200万円稼ぐには一体どれだけアルバイトすればよいでしょうか。アルバイトの中には洗濯など出来高や固定給のものもありそうですがわかりやすく時給で考えましょう。10歳に支払う給料(というかお駄賃)はかなり低いと思われますが、忍たまミュージカル第三弾再演では「俺は天才アルバイター」という曲があるほどにきり丸は自他ともに認める手練れのアルバイターです。周りの評判も相応に良いでしょう。時給800円とはいきませんが600円くらいなら払ってくれそうです。

200万円÷600円≒3333時間

あくまでも仮定に仮定を重ねて弾き出した数値ですが、これがきり丸が一年間で働く時間です。

やばいです。

もうブラックもブラックです。

休みなく毎日働いたとしても3333時間÷365日≒9.1時間で1日9時間は働いています。授業受けながら毎日9時間働いて一体きり丸の平均睡眠時間何時間だ? 10歳は寝なきゃダメだよ? そりゃあ休みの日は朝から晩まで働いて土井先生にアルバイト押し付ける訳だよ。それでもギリギリそうだもん。乱太郎やしんべヱも手伝うよ。そうしないときり丸という大切な友達がお金足りなくて退学しちゃうんだから。優しさプライスレス。

ただ最近のアニメは昔に比べると四六時中バイトしている印象が減りました。先日放送された26期44話の「遊びに行こうの段」など、放課後は乱太郎やしんべヱとのんびりしている回が多めです。なぜでしょう。

先に話した18期に行われた混合ダブルスサバイバルオリエンテーリングの優勝者は長次ときり丸のペアでした。この二人が優勝を掴みとれた理由は、直前に長次が機転を利かせたことにあります。そしてゴールした直後に長次は「自分の分の優勝賞品もきり丸に譲る。これできり丸は一年分の学費が免除だ。」という旨の発言をきり丸にします。

泣くわこんなん。

中在家先輩あんた漢だよ!! 

という訳で一年分の学費が浮いたため多少金銭的に余裕ができたのでしょう。今後上級生になってもお金は必要なので貯金と節約に余念はありませんが、ある程度乱太郎たちと遊ぶ時間が増やすことはできたのだと考えられます。お金に固執しまくるシビアなきり丸も自分は好きですけどね…。

きり丸にはいっぱい遊んでいっぱい学んで無事卒業してたくましい忍者になってほしいですね、と願って今回の記事は〆たいと思います。頑張れきり丸。超頑張れ。


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(今回紹介した混合ダブルスサバイバルオリエンテーリングのお話は原作では46巻に収録されています。)