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そんなの失礼!でも純粋な心からなんです…

お釈迦さまが托鉢(たくはつ)をしていると、遠くでドロ遊びをしていた子どもが、お釈迦さまに駆け寄って来ました。そして一生懸命つくったドロのおだんごを差し出しました。

しかしそれを見た大人たちは、慌ててその子どもを叱りました。
「お釈迦さまにドロのだんごを差し上げるなんて…そんな失礼なことをしてはいけません!」

しかしお釈迦さまは、子どもを叱った大人に言いました。
「この子どもは私に何かしてあげたいと思ったが、何も持っていなかった。そこでその思いをドロのだんごに込めて作ってくれたのです。だからこの子がしたことは、大変心優しい行いなのです。叱るのではなく、むしろ褒めてあげましょう」

その子どもは、お釈迦さまが大好きになり、何とかしてお役に立ちたいと思いました。

それから250年後、インドを仏教によって統一し、後世にお釈迦さまの教えを翻訳(ほんやく)して世界中に広めたアショカ王は、その子の生まれ変わりと語り続けられるほど、国民にとても優しい王として慕われました。

子どもの純粋な心から迸る言動は、時には大人の常識からすると失礼なことになります。しかし、子どもの言動の根底にある優しい心をしっかりと大人が認めてあげて、褒めてあげることが子どもの成長の糧となります。

何でも表面上に現れることが真実とは限りません。「なぜそうしたか」を少しだけ考えてみると、いつもギスギスしている大人も優しくなれるかもしれませんね。 


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