おばあさんの足跡を消した雪
寒さが厳しい冬のある日、村におじいさんがやってきました。ボロボロの着物を身にまとったおじいさんは、この数日間ほとんど何も食べてなく、足取りもフラフラ、今にも倒れそうな状態です。
おいじさんは食べ物を恵んでもらおうと、力を振り絞って一軒一軒訪ねて歩きました。
「どうか食べ物を分けてくださいませんか。少しでも結構です」
しかし、どの家も村の外から来たおじいさんを相手にしませんでした。
「あなたに食べ物を与えるほど、うちは余裕がなくて…」
「あんたみたいな乞食はお断りだ。小汚い