休職中に向き合った自分の「好き」

現在、職場への適応障害をきっかけに1月末までを目処に休職中。
2月から復職はしない。退職するのだ。
会社の人事へ退職の旨を伝えたのは先週だ。

「どう?ゆっくり休めた?来月から復帰できそうかな?」
「はい、休めました。でも、すみません、休職終わったらやめます。」

緊張と達成感が入り混じり体中から汗が湧き出る感覚、そしてその直後の人事の「そうきたか」という顔、今でもはっきり覚えている。

最近の寒波で本当に何ひとつやる気が起きないので、このタイミングでこれまでの休職期間を振り返ろうと思う。
世の中にはこんな休職の過ごし方もあるんだな、程度に読んでもらいたい。

休職期間は12月初旬から1月末までの約2ヶ月。
何をしていたかと聞かれれば、特に何もしていない。
休職前は会社に、資格の勉強とかデザインの勉強しますなんて伝えてた。
無論、そんなこと一ミリもしていない。

私は新卒2年目にしてはかなり貯金がある(と思っている)。
そのお金を使ってとにかく自分の思うままに食欲と睡眠欲を満たした。

基本昼頃に起床し、1人で気になったお店でランチしたり、スタバでぼーっとしたり。夜は外食の予定を入れたり、1人の時はお弁当を買ったり、「流石に毎日お弁当は添加物が気になる」と自分へ言い訳してUberしたり。
そんな日々の繰り返しであっという間に2ヶ月。

でも、

  • キングダムの影響で、カフェで少し世界史の本を読んで勉強した。

  • 戦史に興味を持ち広島の原爆ドームを見に家族と旅行に行った。

  • 広島旅行が思いの外楽しく、年末年始に沖縄にも旅行へ行った。

  • 一人旅のチャンスだと、1人で三峯神社へ参拝するために秩父へ行った。

  • とにかくたくさん旅行気分を味わえないかと思って行き着いたのが都内の異国料理の開拓だった。

  • 食べ過ぎかなと思い始めたので筋トレを始めたら、意外と気持ちよくて軽い筋トレを朝晩するようになった。

特に人に自慢できるようなことではない。
ただ今回の休職期間で、自分の中の新しい「楽しい」「好き」という感情を発見できた。

思い返せば、
休職前に自分の「楽しい」「好き」と向き合った時間はあっただろうか。
もちろん、友達とご飯したり飲む時間、休日のショッピングなどは楽しかったし息抜きだった。

でもそれとは違う。

「これ好きだな」「これは別に好きじゃないな」
「これが面白いな」「これはつまらないな」
「この味がすごく美味しいと思っている」「これは思ったより美味しくない」

自分1人で過ごす時間が増えたからこそ、
周りや相手の「好き」「嫌い」に影響を受けることなく、
自分の五感を研ぎ澄ませて、
楽しさや美味しさ、悲しさと向き合った。
自分は何が好きなのか。何が楽しいのか。何を美しいと思うのか。
何が悲しいのか。何に怒るのか。

そうした基本的な自分自身の感情と向き合ったのだ。
こうして自分の本当の感情と向き合ったのは、
本当に本当に久しぶりだった。

仕事に没頭しているとき、
頭の中にあるのは常に自分の「好き」じゃない。
世間一般の「好き」は何か。
どうすれば上司に気に入ってもらえるか。
どんな居酒屋を選べば友達が喜んでくれるのか。

自分の感情を、置いてけぼりにしてきたんだ。
ずっと。

やっと、本当の好きを知った。
傷つき切ったおかげで、
鎧をとった自分の裸の心と向き合った。

ありがとう、病んだ自分。









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