悲しみの秘義
若松英輔さん著『悲しみの秘義』
この本には出会ったのは蔦屋書店。宗教・哲学あたりの棚をパトロールするのがわたしの趣味のひとつである。何ヶ月か前に出会い、美しい表紙のデザインとタイトルに惹かれてすぐにカゴに入れ持ち帰った。
ゆっくり読む時間がようやくできたため、一昨日と昨日で読み終えた。
この本には日経新聞の夕刊で毎週掲載されていた26本のエッセイが収められている。どのエッセイもとても美しく、そしてかなしい。同じ悲しみを自分も持っているからこそ飲みながら勝手に涙が流れた。
読んでいる最中からこの本はわたしにとってとても大切なものになるなと感じた。言葉がとても綺麗で美しく、スッと入ってくる感覚。
"かなしみはやがて愛しみ、美しみとなる"わたしにはこの言葉がとても理解できる。悲しさを通してしか出会えない美しさというものはかならずある。純粋にその通りだなと思った。
普段同じ本を二度読むことは少ないのだが、この本は何度も何度も読み返したい。鞄にいつも入れておきたい本。ブックカバーを作るか買うかして大切に持っておきたい本。
そして何冊か買って、周りの大切なひとたちが耐えられない悲しみに襲われたときこの本を贈りたい。
そんな悲しくて美しくて、心の片隅に置いておきたい一冊だった。
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