新しい出会い
つい10日前、ある男性に出会った。
仕事終わり急遽発生した合コンに人生で初めて参加することになった。
集合場所の少し離れた場所から見て怪しかったら帰ろうと思っていた。なんだかなという気持ちだったが、これも経験!ということで近寄ってみた。
あまりワイワイが得意ではないので端っこに座った。するとわたしと同じような、なんだこれという顔をした標準語を話す男性がいた。わたしの直感が働く。この人はおもしろいぞと。
正直、外見はわたしのタイプではない。地黒で濃くガッチリしていて髭が似合うぱっちり二重、長瀬智也のような男性が好きなわたしにとって、色が白くすらっとしていて塩顔の彼は真反対。
だがなにかが私のセンサーに引っかかった。
その場のノリに合わせて数人で会話をし、2時間程度でお店を出た先、その人と飲みに行く?となったが結局みんな着いてきた。
一番雰囲気が良かったのでわたしは友達に電話して、怪しい飲み会だけどかっこいい人いる!などと報告をした。その間にわたしと彼との席は話され一言も話すことなく彼が帰ろうとするので、わたしも帰ろうと2人で帰路についた。
時間も遅いのでタクシーでも拾って帰ろうかとしていたが、2人で飲みたいなと思ってたんですけどと言われ、なら行こっか!と飲み直した。
慣れているのかいないのか分からない絶妙な空気感を持っている。自分に自信があるが、わたしのような女に出会ったことがないので少し戸惑いもあるような感じ。
わたしの直感は外れることなく、本当に変でおもしろい人だった。3時間ほど飲んで話して、さすがに翌日の仕事を考え帰路についた。次回会う約束をして。
LINEで少しやりとりを続け1週間後、待ちに待ったデートの日が来た。彼が選んでくれた素敵なお店でディナー。
待ち合わせの時に電話で聞いた声がとても好みだった。
食べる仕草もとても綺麗で、すごく気を遣ってくれる。すごく優しい。聡明でおもしろい。食の好みも合うし、味の違いがわかる。
コースでいただいたのでお腹ははち切れそうだった。わたしがとてもコーヒーを飲みたかったのでスタバに向かった。大失敗だ。コーヒーを飲んだ後は解散しかないじゃないか。何も考えてなかった。
時間は早かったが大雨だしお腹いっぱいでもうお酒も入らないし帰るねと言うと駅まで送ってくれた。
駅で30分近く別れがたく、なんだかんだと話したりした。また1週間後に約束をしたのに、あまりにもまだ帰ってほしくなさそうだったので3日後にまたご飯の約束をして帰った。
またLINEのやり取りを続け、3日後。今度は気軽におでんを食べに行った。
正直に述べるとこの時点でわたしはかなり彼のことが心に刺さっているのだ。わたしは興味のない男性、むしろ合コンのような場で出会うような人と2人で会うようなことは絶対にしない女だ。
絶対に財布を出させてくれないので、コーヒーが好きだと言ってたので百貨店でお気に入りのクッキーを買って行った。
おでんにしたのも、私の飲みが続いていて胃に優しいものをと提案してくれた。
会うのは3回目だが、彼のことを知るたびに私の直感はすごいなと改めて感じていた。
本当に聡明で賢く、そしてとても変なのだ。わたしがすごく気になるような人は変なのだ。話していて他の男性から聞いたことのないような話が出てくる。
モテるんだろうなとなんとなく分かる。人を見て話す内容を選んでいるし、頭で考えながら喋っているんだろうなと分かる。
わたしの意味のない好奇心をおもしろいと言い楽しんでくれる。自分で言うのもおかしいがわたしも量産型ではなくピーキーな女だ。彼が興味を持つ理由も分かる。
おそらくお互いに興味津々だが相手の出方を伺っていることをきっとどちらも分かっているのがおかしくて楽しい。
また3軒ほどはしごして、私が翌日早朝から仕事だったので終電で解散した。
次の約束は1週間後だ。
この2週間毎日楽しい。
18歳以降、片思いというワードと縁がなかった10年間。たくさんの経験をしてきたが、これほどまでに興味をそそられる人間に出会ったことがない。
今までは寄ってきてくれていた男性から選んでいたことに気づくきっかけにもなった。
本当に変で、賢くて、おもしろい。
決して明るいイケイケの兄ちゃんではない。
だがなぜか惹かれてしまうのだ。
なにか闇があるようできっとない、自分軸がしっかりとあって人生を楽しんでる余裕が見える。好奇心のかたまりで、自分を大切にしていることがとても伝わる。
普段はすごく無口で無表情だという男性を笑顔できる瞬間というものはたまらないなと思ったりした。
この人のことをもっと知りたいと思ってしまう。
女子高生のときに友達とキャーキャー言っていたあの時代を思い出してしまう。
あの頃は加藤ミリヤや西野カナが流行っていた。片思いには辛さや苦しさもあるような内容だが、今のわたしはそうではない。
とてもとても久しぶりに自分で見つけたおもしろい人がそこにいて、彼もわたしに興味を持ってくれていることがわかる不思議な状態だがそれ自体を楽しんでいる。
知りたいとは思うが全部が分かるなんてことはないことを分かっているので、その過程を楽しんでいるのだ。
照れるという感情もひさしぶりに思い出した気がする。
相手が絶対的に自分のことを好きだという自信が120%ないというのも良い。遊びなのか真剣なのか心が全部読めないのも良い。
この先何も進展がなくたって、いまのわたしは大丈夫なのだ。何も揺るぎはしない。元の日常に戻るだけだということも理解している。
こんなにおもしろいと思える人に出会えたことだけでも充分わたしにとってプラスの出来事である。
ゆっくり温めて大切にしたい出会いだなとも思っている。
人生って何が起こるか分からない。
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