四代目

個人投資家です。川崎汽船による川崎近海汽船への不当に低い株式交換比率での子会社化に反対…

四代目

個人投資家です。川崎汽船による川崎近海汽船への不当に低い株式交換比率での子会社化に反対しています。

最近の記事

臨時株主総会の結果を受けて

5月10日行われた臨時株主総会において、本件株式交換議案は可決されました。臨時報告書によれば、その賛成率は86.7%です。一見すると高い賛成率に見えますが、実態を見ると、4割を超える一般株主の方が本株式交換に反対したと推測することができます。86.7%の賛成なのに4割以上の反対?何言ってるんだ?と思うかもしれませんが、それは数字のマジックです。議決権行使者の属性を見ながら、一般株主だけの賛成率を推測してみましょう。 まずは臨時報告書から。 これによれば、株式交換承認議案の

    • 川崎近海汽船の交換比率が不当に低いと思う根拠

      まずは下記のグラフをご覧ください。 このグラフは、過去 10 年間に近海汽船の株価が川崎汽船の株価に対して何倍の位置にあったかを示しています。近海汽船の株価が川崎汽船の株価より低かった時期(グラフ中の 1.00 倍のラインを下回った時期)はほとんどありません。そして、近海汽船の株価が本件交換比率である 0.58 倍を下回ったのは、川崎汽船がコンテナ運賃暴騰の恩恵を最大限に受けた直近の 1 年にも満たない期間にすぎません。 次に川崎汽船の株価チャートをご覧ください。  好

      • 川崎近海汽船の企業価値を高めるために

        私が近海汽船の株式を購入したのには以下のような理由がありました。 キャピタルゲインに関しては、市場が近海汽船の魅力に気づかなければ実現しないと考えていました。近海汽船の魅力を市場に気付いてもらうにはどうすればよいか。業績が改善し、株主還元を強化すればそれは達成されるだろうと私は考えました。 近海汽船の業績をさらに伸ばすには、近海部門の赤字縮小と、OSV部門のリスク低減が必要でした。 まずは近海部門についてです。 11年度から19年度に亘って、近海部門は合計70.9億円

        • 川崎近海汽船の不当に低い株式交換契約について

          はじめまして。四代目と申します。2年前から川崎近海汽船(以下、近海汽船)の株主となり、長期で近海汽船の株を保有するつもりでした。 近海汽船は投資家にとって魅力的な企業でした。 ◆実質解散価値と低いPBR 画像2私は解散価値を考えるときに、帳簿上の数字だけを見るのではなく、それらの資産の換金性の高さや、その資産から生み出される利益によって解散価値を増減するべきだと考えています。これを仮に実質解散価値と呼ぶことにします 総資産488億円のうち、換金性の高い流動資産と投資そ

        臨時株主総会の結果を受けて

          本件買収が妥当だとする意見への反論

          昨日の私のブログ記事に対し、このような考察記事が掲載されていました 川崎汽船による川崎近海汽船の完全子会社化|買収プレミアムの分析 個人投資家としてはこのような乱暴な議論で本件株式交換比率を正当化するかのような言説が広まることはとても残念です。これについて反論しながら、本件子会社化の問題点を改めて炙り出してみましょう。 この記事によれば、株式交換と公開買い付けでは、付与すべきプレミアムの水準が変わるとのことでした。つまり、買収者サイドに立ってみればプレミアムが低く済む株

          本件買収が妥当だとする意見への反論

          川崎近海汽船の不当に低い株式交換契約について

          はじめまして。四代目と申します。2年前から川崎近海汽船(以下、近海汽船)の株主となり、長期で近海汽船の株を保有するつもりでした。 近海汽船は投資家にとって魅力的な企業でした。 ◆実質解散価値と低いPBR 私は解散価値を考えるときに、帳簿上の数字だけを見るのではなく、それらの資産の換金性の高さや、その資産から生み出される利益によって解散価値を増減するべきだと考えています。これを仮に実質解散価値と呼ぶことにします 総資産488億円のうち、換金性の高い流動資産と投資その他の

          川崎近海汽船の不当に低い株式交換契約について