見出し画像

美術展レポ:「ブルターニュの光と風」で見たフシギな絵@SOMPO美術館

SOMPO美術館の「ブルターニュの光と風 -画家たちを魅了したフランス〈辺境の地〉」展に行きました。

フランス・ブルターニュ地方にあるカンペール美術館の所蔵作品を中心に、ブルターニュに魅了された作家の作品を紹介している展覧会です。

◆約70点見られます

ポール・セリュジエ《さようなら、ゴーギャン》1906年 カンペール美術館

本展は、全3章で構成され、45作家による約70点の油彩・版画などが展示されています。

第1章では、ブルターニュの風景画、第2章では、印象派からナビ派までの画家(モネ、ゴーギャン、ベルナールなど)の作品が展示されていました。

◆私の好きな絵は…

個人的に好きだったのは、第3章。

ここでは、「ゴーギャン後」にブルターニュで制作をしていた画家たちの作品が紹介されています。

黒っぽい暗い色彩で作品を描いた「バンド・ノワール(黒い一団)」と呼ばれる一派の作品や、フォーヴィスムやキュビスムなど、20世紀の作品もありました。

ピエール・ド・ブレ《ブルターニュの少女》1940年 カンペール美術館

そのなかで、特に惹かれたのが、《ブルターニュの少女》という油彩画です。

画家の名前はピエール・ド・ブレ(1890-1947)。

解説によると、カンペールで生まれ、ブルターニュとパリを行き来する生活を送った人で、モンマルトルにあった有名な集合住宅兼アトリエ「洗濯船」に、通っていたそうです。

洗濯船といえば、あのピカソやブラック、モディリアーニなども活動していた場所。

でも、ブレという画家は初めて知りました。

ピエール・ド・ブレ《コンカルノーの港》1927年 カンペール美術館

ブレの作品は、パリの街並みやブルターニュの港を描いたものが多いそうで、本展にも港の絵が2点ありました。

港の絵のほうは、あまり印象に残りませんでしたが、女性の絵はフシギなインパクトがあります。

ピエール・ド・ブレ《ブルターニュの少女》部分

近づいてみると、絵の色面は格子状になっています。

ブレは、1940年から1943年にかけて、トレイスム(格子状技法)と名づけた描法を使っていたそうです。

細かい線が規則的に引かれ、陰影やグラデーションが表現されています。

作品のモチーフはシンプルなのですが、線による色面のためか、フシギな雰囲気が出ています。

ブルターニュの民族衣装と、線の描法が合わさって、何とも言えないエキゾチックな味わいを出しているのかもしれません。

この作品は、ミュージアムショップでグッズ化されていました。きっと、多くの人が惹かれる作品なのですね。

◆英語表記は?

ちなみに、本展の英語表記は、章についての解説のみで、各作品解説は日本語だけ記載されていました。

第3章の解説から、ブレに関する記述を引用します。

Max Jacob and Pierre de Belay who became friends with the founder of Cubism, Pablo Picasso, but distanced themselves from his painting style and established their own individual style of painting typified by highly realistic representation.

「ブルターニュの光と風」第3章の解説より

単語も文章も割と平易でしたが、いかんせん文字が小さくて……。写真を撮って、家でじっくりと読みました。


#美術展   

#英語がすき

この記事が参加している募集

英語がすき

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?