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マティスの人生に触れられる美術展@東京都美術館

上野の東京都美術館でマティス展を楽しんできました。

◆マティスの素顔


これまで何度もマティスの絵や彫刻を見る機会はありましたが、マティスってどんな人なのか、知りませんでした。

例えば同時代のピカソなら、顔はもちろん、たくさん恋人がいたことや、青の時代やキュビスムなどの画風の変化も知っています。

ピカソと同じくらい有名で、作品も見る機会が多いのに、マティスがどんな顔をしているのかさえ知らなかったことに、本展で気づきました。

日本で約20年ぶりという今回のマティス展は、初期作から晩年のものまで約150点も並ぶ本格的な回顧展。彼の作品と同時に、彼の生き様も知ることができました。

今回、私が知ったマティスの素顔、ざっくりと挙げてみると……

・法律の学位をもっている
・病気がちだった
・バイオリンを弾く趣味があった
・20代のとき彼女と別れて一年後に新しい彼女と結婚した
・若い頃は収入が乏しく、妻子を養うのに苦労していた
・従軍する息子を気遣う優しい父親だった
・晩年、介護を受けながら切り紙絵のジャンルを確立した
などなど。

マティスはドラマチックな人生を送っていない、と仰る方もいましたが、そんなことはないと思いました。画家の素顔を知ると、さらに作品に親しみがもてるような気がします。

なお、展覧会では明記されていなかったモデルたちとマティスの関係について、noteにとてもわかりやすい記事がありましたのでご紹介します。

◆好きな作品は…

《赤の大きな室内》1948年

展覧会をとおしての感想は、「色があざやかで元気が出る」、「窓の絵が多いなー」、「顔パーツが雑な雰囲気なのに下手に見えない」、「切り紙絵のフォルムがかわいい」などなど。全体的に、とても楽しめる内容でした。

特に好きな作品は、二つ。

ひとつは《コリウールのフランス窓》。窓の景色が黒く塗り潰された作品です。第一次世界大戦が始まった1914年の作品で、象徴的な意味合いがある、と図録に書いてありました。作品に込められた意味、というより抽象的な雰囲気がクールでいいなと思った作品です。

もうひとつは、《赤の大きな室内》。画家の好きなモチーフが対になって配置された、まさに「マティス全部盛り」の作品で、色彩のパワーを全身で感じることができました。

◆英語解説は…

公式図録

会場では、日本語解説の下に、英語版がありました!

また、ポンピドゥーセンター所蔵作品を展示している展覧会ですが、図録解説もフランス語ではなく英語でした。

今回は、展覧会の公式サイト英語版から、マティス作品の特徴を示した部分を転載します。

A key figure in Fauvism, a movement whose emphasis on pure, vivid color strongly influenced 20th-century art, Matisse thereafter devoted himself to experimenting with bright colors and shapes that appeal directly to the senses, and remained an art revolutionary until his death at 84.

84歳で亡くなるまで、色彩と形の探究を続けたマティスの展覧会、また訪れたいです。


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