学校という船を、「体育」から動かしていく。
ENGINEは「学校という船で、未来への航海に出よう」というビジョンを掲げています。
学校という場所は昔から変わらずに「ずっと動かないもの(=ずっと変わらないもの)」ではなく、子どもと先生のわくわくしたエンジンが稼働すると、船のように動き出し、「次の港(=未来)」へと進んでいく。
では、学校が未来へと進んでいくためには、どうすれば良いのか?
なぜENGINEはいまこのような取り組みを始めたのか?
■背景
ENGINEの取り組みの背景には、主に以下2つの課題があります。
①子どもの自己肯定感、自信
②「先生が何でも教えなければならない」という先入観
①子どもの自己肯定感
日本の若者は、諸外国の若者と比較して自己肯定感が低いと言われています。
平成30年に日本、韓国、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、スウェーデンの7カ国の13~29歳を対象にして若者の意識に関する調査が行われました。
(※出典:平成30年度版 子ども・若者白書/内閣府)
「自分自身に満足している」という質問に「そう思う」「どちらかといえばそう思う」と答えのはわずか45.1%です。
日本の若者は、諸外国の若者と比べて、自分自身に満足していたり、自分に長所があると感じていたりする者の割合が最も低く、また、自分に長所があると感じている者の割合は平成25年度の調査時より低下していた、とのことです。
子どもの自己肯定感が低い背景には、日本の文化的・歴史的な背景や、学校教育や家庭教育のあり方など、様々な要因が考えられます。
この先に世の中がどう変化していくのか全く分からない時代には、「どういうふうになっても、生きていける力」が大切です。
その力を支える最も重要な要素は、自己肯定感や自信だと思います。
②「先生が何でも教えなければならない」という先入観
近年ニュース等でも報じられている通り、日本では教員の多忙化は問題視されています。国際調査でも、教員の労働時間の長さが、先進国で最も長いという調査結果が出ています。
出典:OECD国際教員指導環境調査(TALIS)2018報告書
多忙化の要因には、社会構造変化への対応、学校や教員に対する期待の高まり、学校課題の複雑化などがあります。
要因は様々ですが、「先生が何でも教えなければならない」「先生が自分一人で何とかしなければならない」という先入観が、更に学校と先生を追い込んでいるのではないかと我々は考えています。
■小学校の「体育」から、学校という船を動かしていく。
上記の課題解決のきっかけをつくる為に、我々は最初のテーマとして体育を選択しました。
なぜなら体育は、
・子どものたちが生まれ持った本能や好奇心を刺激する。
・成長を実感しやすい、達成感を味わいやすい。
・自然と他者との関わりが生まれること。
・知育、体育、徳育のバランスが求められること。
・クラスづくりにも影響を与えること。
という特徴があります。
体育の授業を徹底的にサポートする。そしてそれをきっかけに子どもたちの自己肯定感の向上、クラスづくりへの影響、先生の業務負荷軽減に繋げ、学校教育全体に貢献していきたいと思っています。
しかし、学校教育を変えるほどのポテンシャルを持った教科でありながら、小学校の体育には多くの課題があります。
■小学校体育の課題
小学校の体育には、
・担任の先生が教えなければならない。
・教科書が無い。
・女性の先生が多く、元々スポーツに苦手意識を持つ人の比率が高い。
・学校で使える用具や設備も限られている。
・授業の準備をする時間が無い。
など、様々な課題があり、「他教科と比較すると指導が難しい」という声を学校の先生からも多く聞きます。
■学校だけでは解決できない課題を、社会全体のノウハウを結集して、解決する。
ENGINEのプロジェクトの名の由来の一つは「円陣」です。
我々はこれから日本中の法人や自治体との協働、アスリートやアーティストとのコラボレーション、そして全国の先生方との共創にチャレンジしています。
ENGINEは今まで学校関係者だけではクリアできなかった小学校授業の課題を、日本中の力を結集して解決し、学校という船の「エンジン」をフル稼働させていきます。
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今後の投稿では「なぜ小学校体育の指導は難しいのか」を1つ1つ深堀りしていきたいと思います。
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