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#120 前払い制度推進委員会

他の県に出向いたとき、その土地ならではの仕組みや、風土、変わっているところを知ることが好きだ。

そして知ることで、今の土地のあたりまえなことが特別なことに思えて、ありがたみや好き度、愛が増したり、

逆に、これはこっちの方がいいんじゃない?と知らずに生きていた方が良かったなんてこと(実際そんなに重いものはまだない)に気付いてしまったりする。



名古屋のバスの、入口出口が、今まで知っている土地と逆だった。


バス停でバスを待っていたら、私からしたら出口である、運転手さん側のドアが空いた。逆だ。と思いながら入場し、ずんずん進んでいったら


「お客さん、料金をお願いします」

と言われた。



前払いだった。



皆の土地は、どちらだろうか。そして、どちらがお好みだろうか。




普段と違うもんだから、なんだか不思議な気分、違和感があって気持ち悪いなあと、そのときは思っていたのだが、

改めてバスを降りてから考えていたら思った。


 
「日本全国前払い制度取り入れた方が良くないか?」




だって、後払いだったらお金を払うタイミングには既に目的地に着いてしまっているから、払えないお客さんへの対応が難しい。

お金をどこかしらでおろしてきてもらうか、払えない人を元の場所に戻すか、どちらを選ぶか?といったところだが、

バスにだって時刻があるから待っていられないし、元の場所に戻してやる方が労力がかかる。


よってどちらも全く現実的ではない。


前払いであれば、お金を持たずに目的地に到着、という事態が一度も起こらずに済むのだ。なんと平和で合理的なこと。


私の中の「バスは後払い」という常識がぶち壊され、粉々になった瞬間だった。


あたりまえって、あたりまえじゃない出来事に巡り合わないとほんとうに気付かない。気付かないことを知っているんだけれど、見つける度に驚き、見つけてはじめて疑問に思うのだ。

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